⑪ 日常生活における論証の発達段階2
⑩で日常生活における論証の発達段階の最初の段階と最終段階の具体例を示しました。ここで考えていかなければならないことは、最初の段階からいきなり最終段階にはいかないということです。つまり、これをつなぐ段階があるということです。
このつなぎの段階の具体例は以下のようになります。この段階の論証は、ピアジェの言う形式的操作期(11歳くらいから抽象的なことを考えられるようになる時期)くらいから意識的に(ここが大切)できるようになってきます。
「Aさんさんは、先日消しゴムを貸してくれました。それに、休んだときはノートをコピーしてくれました。Aさんはとても優しい人です。ぜひ、お友達になりたいと思います。」
つまり、日常生活における論証の構造は、発達段階から考えていくと大きく3段階となることになります。
論理的思考力・表現力を高めていくには、その根幹となる論証について確実に理解し、それを意識的に駆使していくことが重要であると述べてきました。そのためには、この3段階が、⑨で示した日常生活における論証の一般的な構造(以下に示すもの)にどのように位置づけられるのかを明らかにしていかなければなりません。
根拠となる具体的な事実
↓ *帰納
判断・考察(データ)
↓ 根拠となる具体的な事実
↓ ↓ *帰納
↓ ←←←← 判断・考察(理由づけ)
↓ *演繹
主 張
⑫においては、その関係性について述べていくこととします。
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