可哀想と思うことは悪いことなのか
「子供が転んで怪我をしていて、可哀想と思った。」
これは何も思うところがない。素直に可哀想だからなんとかしてあげたいと思い、絆創膏を貼ってあげる。
それによって子供は絆創膏分、得をする。
「ディスニーランドに一緒に行くはずだった友達が風邪をひいた。可哀想だ。」
これも何も思うことはない。素直に可哀想だからなんとかしてあげたいと思い、延期する。
それによって風邪を引いた子は得をする。
「あいつはオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
これはどうだろう。違和感が出てくる。だいたいこういうときは、かわいそうと思ったことを表明しない。
不細工な件には触れないか、「俺はあいつのことかっこいいと思うぞ」と嘘をつくか、せいぜい言っても「不細工だよな」くらいで「可哀想」とまでは言わない。
そして可哀そうと思われた方も特に得をしない。
可哀想と思われたならば整形代の頭金くらいは出してもらえてるかもしれないが、相手がいくら待っても可哀想と思ってることを表明しないのだ。
なぜ可哀想と思っている立場を表明しないのか。
以下の理由が思いつく。
■喧嘩売ってると誤解されるから
Aさん「お前はオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
Bさん「おいお前殴られたいか」
■勘違い野郎と思われるから
Aさん「お前はオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
Bさん(そうかな…?)
■上から目線と思われるから
Aさん「お前はオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
Bさん「何様だ貴様」
■ショックを与えてしまうかもしれないから
Aさん「お前はオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
Bさん ガーン
こんな感じだろう。可哀想の4大リスクと名付けよう。
このリスクヘッジをとって、冒頭の文句に落ち着く。ただ、これは嘘や隠し事と言えなくもない。
・不細工な件に触れない
→隠し事
・「俺はお前のことかっこいいと思うぞ」
→嘘
・「不細工だからな」くらいで「可哀想」とまでは言わない
→隠し事
といった感じだ。嘘や隠し事は不誠実と言える。
さらに、可哀想と思ってもらえれば何かしら得をする相手に可哀想と表明しないわけだから、いよいよ不誠実かもしれない。
ということで可哀想と思おう。そして可哀想だと思っていることを表明してみよう。
ただ可哀想の4大リスクが未解決だ。対策する。
■「喧嘩売ってると誤解されるから」についての対策
→「常識から逸脱していて喧嘩売ってると誤解されそうだけど誠実でいるために言うが」を接頭辞に用いる
■「上から目線と思われるから」の対策
→「上からみたいで申し訳ないが」を付ける
■「勘違い野郎と思われるから」の対策
→「主観だが」を付ける。
■「ショックを与えてしまうかもしれないから」の対策
→深刻な話でないことを伝える。
まとめると以下のように言うことになる。
「上から目線で主観的な話をするが常識から逸脱していて喧嘩売ってると誤解されそうだけど言う。お前はオレより不細工だからもてない。可哀想だ。」
よし、なかなかハレーションが少ない。ただ文字数が多い。だがこの文字数をサボった不誠実さが起こした問題でもある。サボらずに言おう。
誠実に生きるのは大変だ。
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