ディベートは全力で戦って負けよう

議論は勝つより負ける方が得をしている。

A:「価値観押し付けないでくれる！？」
B:「価値観を押し付けてはいけないという価値観を押し付けてない？」
A:「うぐっ」

うぐっとなったら負けだが、この時得してるのはうぐっとなったAのほうだ。

「確かに、価値観押し付ける事って普通に皆してるんだわ」
みたいな感じで今までよりも一歩真理に近づけたからだ。

この時、議論に勝ったBは一歩も真理に近づけいていない。なので議論にかけた時間分損だ。言わばボランティアで有料記事を見せてあげたようなもんだ。

「勝った〜」という優越感は手に入るかもしれないがそれは議論の本懐ではない。
議論とはテレビでやっているようなディベートショーよろしく勝敗を決めて喜ぶものでもなく、
ソフィストよろしくお金を儲けられるわけでもない、真理に近づく営みである。

A:「価値観押し付けないでくれる！？」
B:「価値観は押し付けてはいけないという価値観を押し付けてない？」
A:「そうかもしれないけど社会通念だと思うから皆から嫌われるわよ！」
B:「うぐっ」

今度は逆にBの方がうぐっとなったので得をした。「社会通念の事まで考えてなかった…」ってなっているだろう。

もっと議論が続いた場合はどうだろう

A:「価値観押し付けないでくれる！？」
B:「価値観は押し付けてはいけないという価値観を押し付けてない？」
A:「そうかもしれないけど社会通念だと思うから皆から嫌われるわよ！」
B:「きみも価値観押し付けてるから嫌われるね」
A:「うぐっ」

今度はAがうぐっとなったので得をした。「私ってば嫌われちゃうのね」って感じか。

こんな感じだ。

ここで重要なのは、二人とも全力で戦ったから得をしている。

A:「価値観押し付けないでくれる！？」
B:「そうだね～」
A:「イラっ」

これだとAもBも得していない。なので、議論は全力で戦うべきだ。全力で戦って「うぐっ」ってなるのが一番得をしているのだ。