新型コロナウイルス3つの愚かな間違い

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新型コロナウイルスに関しては、多くの人が大事なポイントで初歩的な判断ミスをしています。
三つの間違いについてご説明します。

1.私たちの間違い(自分が加害者になりうることを忘れている)

「感染しても自己責任だ。自分の問題だからあれこれ言わないで欲しい。」
等といって、夜の飲食店でビールをあおり、大声で話し合っている皆さん。

あなたの振る舞いのために、救われるべき命が救われなくなるのです。

あなた自身が発症して入院する事になるかもしれません。
あなたが入院したら少なくとも2週間3週間は、ベッドが埋まります。
このようにして次々とベッドが埋まっていけば、たちまち医療現場は逼迫していきます。
あなたは回復するかもしれません。
しかしあなたのために、入院できなくなる人が出てくるでしょう。命を失う人が出てくるのです。

何よりも、あなたが感染したら、周りの人とりわけハイリスクの高齢者や持病を持つ方などにも感染を拡大させてしまいます。あなたと違って回復は困難です。
むしろ、元気なあなたが無症状のままに多くの人に知らず知らずに感染を拡大させてしまうのです。

2.感染症専門家の間違い(リスク・マネジメントの基本の無視)

PCR 検査拡大に慎重であるべきだという専門家がおられます。
例えば次の記事です。

PCR検査能力、4月の3倍 それでも受けにくいわけは

概ね次のような議論です。
「PCR検査は100%正しく診断できるものではない。感染してまだ日がたっていない段階で陰性と出ても、数日後に陽性になることもある。
また、本当は感染していないのに陽性と判定されてしまう『偽陽性』や、その逆の『偽陰性』になることもある。偽陽性の人を隔離すれば人権上、問題となる一方で、偽陰性の人は『感染していない』と安心して外出し、感染を広げてしまう可能性がある。」

これは、検査の精度に限界があることを示すものに過ぎません。
検査を遅らせたり制限したりして陽性者を見過ごすリスクの方がはるかに大きいのです。
新型コロナウイルスの特徴として無症状のままでも感染を拡大させる可能性があります。
怪しげな症状があれば直ちに検査を受けないと、ますます感染を拡大させかねません。

「偽陽性」の問題は甘受すべきリスクです。2週間様子を見ていただければ済むのです。
人権問題などと大騒ぎするほどの事ではありません。
「偽陰性」の問題は、どのような検査でも起こり得ることです。検査をせずに陽性者を見落とすリスクと比べればはるかに小さな問題です。

この感染症専門家などの議論を見ると、リスク管理・リスクマネジメントの基本的な知見を持っておられないのではないか、と疑わざるを得ません。

「リスクマネジメント」とは、「想定されるリスクを事前に管理し、リスクの発生による損失を回避し、不利益を最小限におさえる」という意味の経営管理手法のことです。
感染症対策でもそのまま活用できます。様々な行動の選択肢を比較し、リスク発生確率とリスクの大きさを比べ、一番損失が少なく不利益を最小限に抑える行動を取るべきです。簡単な比較表をつくれば一目瞭然です。

①PCR 検査の拡大  
 メリット: 陽性者の早期発見⇒早期治療で重篤化防止、感染拡大抑止 
 デメリット:偽陽性者の発生⇒2週間程度の隔離。コントロール可能。
        偽陰性者の発生⇒どのような検査体制でも起こりうる問題

②PCR 検査の抑制
 メリット: 偽陽性者の発生抑制
        儀陰性者の発生抑制  
 デメリット:陽性者の発見遅延⇒治療遅延による重篤化、感染の拡大

我国でPCR 検査を抑制している理屈は、諸外国で通用するでしょうか。呆れ果てて物笑いのタネになるだけでしょう。

【参考】リスクマネジメントとは?意味や危機管理との違いも【事例付き】

3.政治家の間違い(現実を見ず、判断を先送りする)

現実に感染が拡大しています。状況が一気に悪化しています。医療現場から悲鳴が上がっています。地方自治体の長が、もはや待っておられないとして独自の緊急事態宣言などの手を次々と打っています。

Go to キャンペーンなど間違いだと思えばすぐ止めるべきです。
こんなことに使うお金があれば逼迫した医療機関、医療従事者への支援にすぐ当てるべきです。そうしなければこの国は滅びます。
しかし、政府はまともに動こうとしません。

臨時国会の開催を野党が要求しています。憲法で定められた手続きであり、内閣は従う義務があります。内閣総理大臣は拒否する権限はありません。
国会の政権与党が左右する権限もありません。安倍総理が「与党と相談して」等といっているのはピントが外れているのです。

憲法第五十三条 
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

銅鑼猫

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