ハラスメントは5分でわかる。原則はたった三つ!!



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(石神井公園)

ハラスメントについて、様々な議論がありますが、混乱していませんか?ハラスメントは5分でわかります。原則はたった3つです。

第1原則.人の嫌がることをしてはいけない。
第2原則.危険行為・不適切行為などで被害が予想されるときには、第1原則にかかわらず、躊躇わずに行動しなければならない。
第3原則.国の示すハラスメントの定義・類型は、国家として定めた最低限の基準である。それぞれの組織において、自律的に行動の原則を定め励行しなければならない。

第1原則.人の嫌がることをしてはいけない。
 必要もないのに、人の嫌がることをするのは社会人としてあるまじき行為です。
 これが、ハラスメントを考える上の第1の原則です。
 簡単な例を挙げます。
 ①「女性社員をちゃんづけで呼んではいけない。」
  大人の女性に対して失礼な行動だからです。
  国の定めるハラスメントの定義に該当するかどうかなど、問うまでもありません。
 ②立場の弱い人をからかったり、あざけったりしてはならない。
  人間として当たり前のことです。
  暴言よりも、からかいや嘲りの方が相手を傷付けます。

第2原則.危険行為・不適切行為などで被害が予想されるときには、第1原則にかかわらず、躊躇わずに行動しなければならない。
 製造業の現場ならば分りやすいでしょう。危険行為は怒鳴りつけてでも、直ちにやめさせないと災害を引き起こすのです。
 飲食店や小売店などでも、バックヤードで従業員が不用意に走り回りしたら、転倒事故を起こしかねません。叱りつけて止めなければなりません。
 上司が大切な伝達事項を伝えているときに、部下がおしゃべりしていたら、叱りつけて止めさせないといけません。大事な情報の伝達漏れが起これば、事故に繋がりかねないからです。
 学生が授業中に教室でおしゃべりしているなら、教授は厳しく叱りつけないといけません。大切な授業の時間です。教授にも他の学生にも迷惑がかかるからです。
 以上のようなものは、ハラスメントではありません。適切な行動を促し、不適切な行動を止めるものであり、必須の対応なのです。

第3原則.国の示すハラスメントの定義・類型は、国家として定めた最低限の基準である。それぞれの組織において、自律的に行動の原則を定め励行しなければならない。
 本来、何が適切な行為か不適切な行為か、などは、それぞれの組織でよく考えて周知徹底しなければなりません。
 それができていないため、国としては、見るに見かねて、各種のハラスメントの定義を設けて、周知徹底を図っているのです。労働力不足時代に、労働者がハラスメントで仕事が続けられなくなったり、妊娠出産をためらったり、さらに精神疾患なり過労死過労自殺などといった事態の蔓延を見て、もはや放置できなくなった、ということです。
 こんなことでお上の手をわずらわすなど、経営者も従業員もともに恥ずべきことです。

 とはいえ、国の示すハラスメントの定義・類型は、一通り目を通し、自らの行動の規範にすべきです。一つの組織の中だけでは気がつかないことも様々あるからです。
要するに、社会通念上、どのような事が許されないのか、問題なのか、をちゃんと知っておく必要があります。
 しかし、国が示す定義の行為以外は許されるのでしょうか。
そんなことは絶対にありません。

国が示しているのはすべての組織で守るべき最低限の基準に過ぎません。
自分の会社・自分の組織でふさわしい行動は何か、ふさわしくない行動は何か、を経営者、従業員で、話し合い、自律的に自らの組織にふさわしい対応をしていくべきです。

【参考】6月から施行されたパワハラ防止法については、以下の記事にて解説しています(エムスリーキャリア「健康経営コラム」で取り上げていただきました)。ぜひご一読ください。私はあの通知の6類型は随分お粗末だと考えています。

パワハラ防止法遂に施行!人事労務担当者が今取り組むべき対策と定義を徹底解説

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銅鑼猫

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