からかってはいけない。あざけってはいけない。

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東京オリンピックで演出や楽曲担当者が次々辞任解任される事態が続いています。共通するのは人をからかい、あざける姿が国内外で厳しい批判を浴びている姿です。
以前に別のブログで投稿した記事を再掲します。
良識ある社会人ならば人をからかったりあざけったりしてはいけません。
そんな当たり前をもう一度、この記事でお考えください。

昔、景気の良いころ、私が勤めている会社では夏の夜に「園遊会」という催しがありました。役員さんから平社員まで一緒になっての立食パーティーです。飲み放題、食べ放題、平社員であっても役員さんと気兼ねなく話もできる会でした。
ステージでは、のど自慢大会。
腕に覚えのある人が自慢ののどを披露し、グランプリとか歌唱賞とか、いろいろな賞が出ました。
あるイケメンが得意の持ち歌を情感たっぷりに歌い、私はなかなかうまいな、と思ったのですが、もらった賞が「自己満足賞」。
会場はゲラゲラ大笑いです。
ところが、彼は「自信を無くした。」とぽつり。翌年から出場しないと言い出しました。
「情けない奴だな。ただのお遊びじゃないか。」これがまた、周囲のからかいの種になりました。

そして翌年の園遊会。
私がしっかり練習して自慢の歌を披露したのですが、もらった賞が「自己満足賞」。
そのときはじめて、前年の彼の気持ちがわかりました。
すごく傷つくのです。プライドがズタズタになるのです。

ある芸人さんの言葉です。

「人を貶めて笑いを取ろうとしてはいけない。」

からかいは、ごく親しい仲で、お互いに合意のある中でこそ、交わりのスパイスとなります。衆人環視の中でのからかいは、罵倒される以上に人の心を傷つけます。
そういえば「課長にからかわれた。怒られるならまだいい、からかわれるのは耐えられない。」といって、女子社員が大泣きしたのを覚えています。

職場でも学校でも、人をあざけったりからかったりしてはなりません。からかう方は軽い冗談のつもりでも、からかわれた方をひどく傷つけることになります。「ハラスメント」「いじめ」の問題はここにあります。
加害者は大きな罪の意識もないままに、被害者を耐え難い苦しみにも追い込みかねないのです。

嘲る者を主は嘲り、へりくだった者には恵みを与えられる。
旧約聖書箴言第3章第34節(新改訳2017版)

(2016年12月に別のブログに投稿した記事です。)

銅鑼猫

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