経営者の皆さん 弁護士の意見を鵜呑みにするな!!


経営者の皆さん。管理監督者の皆さん。働く皆さん。

人事労務管理に関して、弁護士の意見の中に、かなりひどいものが目につくようです。
弁護士は法律の専門家であっても、経営の専門家ではないのです。もっと乱暴にいえば、皆さんが目指す「働きやすい生き生きとした職場づくりの専門家」とは、およそかけ離れた存在とさえいえるでしょう。

弁護士のひどいコメントに呆れ果てて、立て続けに記事を書きました。
ファイナンシャルフィールド様のご依頼ですが、Yahoo!ニュースにも転載いただき、いずれも読者コメントで盛り上がっています。

この記事を書こうとしたきっかけは、日経新聞3月26日夕刊に掲載された弁護士の意見です。
「休日も携帯つながるように」という会社の指示について、
「拘束性が弱いので会社の指揮命令下に置かれていたとは言えない。労働時間に該当しない。」という弁護士の見解です。
このような見解はおかしいと考えて、自分なりに調べてまとめてみたものです。

Yahoo!ニュースの読者コメントでは、休日の電話・ライン等の対応に疲れ果てて、精神的に参ってしまったといったコメントも多数寄せられています。
「労働時間に該当しない」という解釈そのものも、弁護士によって様々な議論があります。
日経新聞に掲載されているからと言っても、常識的におかしいと思えば、ご自分でもよくお考えになってください。

私がこの記事を書こうとしたのは、昨年、ある弁護士の論考を読んだからです。
次のような骨子の見解でした。
自転車通勤のへルメット着用問題に関して、法律上の努力義務にすぎず、使用者(会社)としての安全配慮義務の射程外である。
労働者が自主的判断で自身を守るものであるから、着用の義務化は必要ない、就業規則等での着用のルール化は過度のパターナリズムであり、使用者の義務違反は問われない

あまりにも異様な見解であり、自分でもう一度考え直してみようと思っていたのです。
努力義務ということの意味も十分考えておらないのでしょう。
また、会社が、従業員の安全を考えて就業規則に定めることは、何ら問題ありません。安全配慮義務のうちです。「過度のパターナリズム」などというのは、常軌を逸した見解です。

(参考1)努力義務(参院法制局サイトより)


(参考2)ファイナンシャルフィールド投稿記事(合計27本の概要紹介)

銅鑼猫(社会保険労務士・健康経営エキスパートアドバイザー 玉上信明)

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