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餃子定食を頼む2人


目の前の2人の女性はどんな関係なのだろう、なんて邪推をしてしまった。

見るつもりは無かったのだけれど、テレビの真ん前に陣取られたので嫌でも視界に入ってしまって。


餃子定食を黙々と食べる2人。年齢は40代くらいだろうか。メニューを決めるときも会話はなく、2人揃ってご飯を少なめにして12個の餃子を淡々と食べ進める。

気の置けない関係なのだろうけれど、恋人や姉妹とはまた一線違うようなそこはかとない【他人】の空気。

私は気の置けない関係の友達と会ったら4・5時間ノンストップで話し続けてしまうけどなあ。しかし距離のある人とご飯に来て「餃子定食」は頼むだろうか?

野球観戦しながら生ビール3杯目おひとり様のわたしを怪訝そうにたまに見ながら、どんどん餃子が減っていく。

2人とも、最後にお味噌汁を飲むタイプらしい。
そして当たり前のように片方が払って、2人揃って忍者のような小さな足音で帰った。


人との関係は、関係性は分からないけれど、2人が過ごしてきた時間というのは醸し出す空気や雰囲気でなんとなく分かるものだなあと思った。

わたしも誰かと過ごしているとき、自然とその人との過ごしてきた時間が2人の関係性を周囲に説明しているのかもしれない。

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