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迅速な対策で感染抑制〜ベトナム・新型コロナウイルス狂想曲

 この原稿が読者に届く時点では新型コロナウイルスによる感染がどのように推移しているか予想もつかない。2月末時点でのベトナムにおけるコロナウイルスをめぐる騒動をまとめてみた。

 ベトナムでは1月14日、ダナン空港にて武漢市から訪れた中国人観光客2名の発熱が確認され入院、隔離・監視が開始された。28日までに27人の感染が確認されるとフック首相による首相指示が発令された。

 ダム副首相を委員長とする対策指導委員会が発足、中国感染地域からの国際線一時停止、国境での隔離監視措置、感染地へのツアー催行、ツアー受入の一時停止など矢継ぎ早に対策を実施した。

 2月2日には全国23省・市での教育施設の休校を実施した。当初は1週間程度とされていたが、2月29日時点では3月の中旬まで延長されている。大規模なイベントなども中止や実施延期が決定、有名観光地ですら一時閉鎖された。中国向けに輸出されていたベトナム産農水産物が輸出できずに価格が暴落するなどの影響も出はじめた。

 武漢から帰国した女性から感染が拡大した北部の村で感染者が続出したため村が隔離封鎖される事態にまで発展した。

 25日には感染者16名が完治、現時点では死亡者はでていない。また韓国をはじめとする「感染地域」からの入国拒否も発表された。日本もいまや感染地域となりつつあり日本人に対する監視の目も厳しくなっている。

 日本の対策の遅れが指摘されている。コロナ感染はいつ終息するのだろうか。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2020年3月号掲載


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