冬、大袈裟な防寒具に襟巻きをするハノイ人を笑っていたら
ハノイも12月に入るとぐっと寒くなる。朝晩は15度程度。日中も曇りだと20度を少し超える程度で、11月は30度近くまで気温が高かったことを考えると甚だ寒い。もちろんハノイはこのまま冬に向けて寒くなるとは限らない。再び30度近くまで気温が上昇し、夏が戻ってきたような暑さがぶり返すこともある。
ベトナム北部には四季があると言われる。南部には雨季と乾季があるのみだ。南部では冬といっても最低気温が20度を下ることはまれだ。しかしハノイは冬ともなると5度程度まで気温が下がることもある。ベトナムが南北に細長い国であることを忘れて、ホーチミン市の常夏のイメージで冬のハノイにやってくると、意外な寒さに震え上がることにもなる。
Tシャツ、短パンでやってきて、空港に到着し、その寒さにあわてて衣料品店で上着や長ズボンを購入した、という観光客もいるほどだ。
ベトナムに長期に滞在するようになった20年ほど前、寒くなると大袈裟にダウンジャケットを着込むベトナム人をわたしは笑っていた。この程度の寒さで南極越冬隊ではあるまいし、防寒具に襟巻きはないだろうと。
ところが毎年のように秋から冬にかけての風邪をひくようになった。この時期寒暖の差が激しく、彼らは身体を守るために寒くなったら厚着、暑くなったら薄着へと着替えていたのだ。以来わたしも彼らに習い、寒くなったら汗ばむほどの厚着するようにした。以来、風邪は引かない。
日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2023年12月号掲載
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