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菅首相初のベトナム訪問と日本のベトナムへの「防衛装備品」輸出

 菅首相が就任後初の外国訪問にベトナムを選び、この10月18日夜ハノイに到着、19日はチョン書記長、ガン国会議長、フック首相と面談、午後は日越大学で講演を行い、忙しい1日の日程を終え、翌日インドネシアに飛び立った。

 報道陣も同じ航空機、同じホテルに宿泊、現地の報道陣は取材に参加できず、報道陣同士も接触できないという超厳戒態勢。首相同行の報道陣一行は到着後の検査に加え、一般の宿泊客との接触を避けるため、裏口からホテルに入ったという。

 菅首相のベトナム訪問の成果として日本・外国のメディアは「安全保障と防衛面での連携強化で一致し、日本からベトナムに向けて防衛装備と技術を輸出することで大筋合意」と報じたが、ベトナムのメディアはどうだろうか。

 ベトナム各紙をざっと見ても国防・安全保障に関しての話し合いを持った、南シナ海での航行の自由と平和・安全保障が重要であると確認しあったとあるだけで、防衛装備品、すなわち戦艦や機関銃などの武器をベトナムが日本から輸入するようになると書いた記事は見当たらなかった。

 日本の防衛装備品、武器輸出に関する協定はオーストラリアやフィリピンとすでに交わしている。ベトナムには海上保安庁の中古船をJICAの資金援助で供与するところまで来ている。実質合意と言いながら、両国が協定を結ぶまでに至らなかったことを示しているのではなかろうか。あるいは中国を意識したのか。この問題は引き続き注視したい。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2020年11月号掲載
 

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