見出し画像

2016年12月29日 ブラザーポテトQ&A「大きな苦しみをどう見つめたらいいですか?」

2016年の年末リトリートの中で「自分の意識を掘り下げて自分の内側を見ていく、と言っても苦しみが大きくて向き合うことが難しい場合はどうしたら良いですか?」という問いに対してのブラザーポテトが話してくださったお話をシェアしたいと思います。

ブラザーポテト

自分の潜在意識に植えられている種は、それぞれが別個に存在しているわけではなく、つながっています。自分にとって苦しみが大きな種は、それ自体だけではそこまで掘り下げていくことができません。そこまでたどり着くためには、周りにたくさんの幸せの種が必要です。

幸せの種があって、幸せのシャワーを浴びて、水を与えて初めて、苦しみの種と向き合うことができるようになります。そのためにはたくさんのプラクティスが必要です。日々自分の周りのものに目を向けること、感謝すること、喜ぶこと、そういったことを重ねていったことの先に初めて好奇心が生まれ、探究していくことができるようになるのです。その苦しみと向き合う準備ができていなければそこへたどり着くことはできません。

探究していくことは、自分の自然な動きとして起こることなのです。無理に力を入れて「なんとかして掘り下げなくては」とやるものではありません。「自分はそれを知りたい。理解したい。」という純粋な好奇心に動かされて動くものです。自分の中で願いを持つことも、好奇心を助けてくれます。

好奇心がある人は幸せです。自分の周りにあるものを不思議がり、おもしろがることができるからです。好奇心がない人の人生はつまらないものになります。世界を「知っている」と思い込んでいるからです。

好奇心がなければ、花をただの花としか見ることができません。でも好奇心と共に見れば「どんな種だったのか?」「どんな風に成長していくのか?」「どんな環境で咲くのか?」「どんな土が必要なのか?」「咲いた後どうなるのか?」など、花が花でないものとつながっていて、花でないものが揃って初めてここにあるのだと気づくことができるのです。それ以外との世界のつながりとの結びつきに気づき、その不思議さに心を動かされるようになります。一つの花にも宇宙があることが理解できます。

困難と向き合うためには、困難じゃないところからプラクティスをする必要があります。呼吸をすること、歩くこと、日々の生活の中で幸せな瞬間を感じることからしか始まらないのです。

(翻訳・書き起こし:Kumiko Jin)

ーーーーーーーーーーーーー
ティク・ナット・ハン「マインドフルネスの教え」
HP: https://www.tnhjapan.org/
Facebook: https://www.facebook.com/tnhjapan/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?