2020年4月10日　オンラインサミットQ&A（４）

4月10日にオンラインで開催されたオンラインサミットのQ＆A（その４）

Q7　私はシンガポールに住んでいて、サンガで1年弱プラクティスをしています。自分の人生の目標というのがだんだん見えてきて、多様な社会の中で不平等を平等にしていきたいと思うようになりました。ただ、今の仕事はそれに関わるような仕事ではなく、今の仕事を辞めてもっと別の仕事をしようかと思っています。平等な社会を作るためのコミュニティを作りたいと思っています。ただ、今の仕事を辞めて新しいことをやることへの怖れと不確かさもあります。このような中でどうプラクティスしたら良いでしょうか？

A（ブラザーファップユン）
何かが起こると色んなことに気がつきやすくなりますよね。新しいコミュニティを作りたいというのは素晴らしい願いだと思います。

未来について考えていることは怖れの源ともなります。大事なことは未来に今を乗っ取られてしまうことです。今生きるということを未来への思考に奪われないようにしてください。考えを膨らませすぎてそれに圧倒されてしまわないでください。

みんながみんな自分がやりたい仕事をしているとは限りません。そして、新しいコミュニティを作ることには多くの仕事が必要です。人を集めること、つながりを作って維持していくこと、その中で働くこと。多くのことが求められます。

もしかしたらあなたの上司は優しくありません。でも、それはあなたの上司が苦しみを抱えているからかもしれません。今いる場所でできることを探してください。今をケアすることが未来をケアすることになります。

同じ志を持った人が他にも現れたら、準備が進んでいきます。条件がそろえばそれは実現可能です。コミュニティを作ることは素晴らしいことですが、今いるのもあなたのコミュニティです。

あなたの「これをやりたい」という思いそのものがあなたのストレスの素になっているかもしれません。今の仕事が自分のやりたいことではないと思っていたとしても、今いる現場でまずは実践してください。自分が社会にもたらしたいと思っているものを、そこで実現してください。

職場の同僚と話している中でコミュニティを作ることもできると思います。自分が今いる場所で、今を良くしてください。未来のことを考えるよりも、今できることをしてください。そうしたらふさわしい条件は自然とやってくるでしょう。未来を待つ必要はないのです。

そして今あなたは何に満足していないのかを見つめて見てください。そこには洞察が浮かんできます。頑張りすぎないでください。何かをつかみ取る必要はありません。あなたの中に平和と安定と幸せを築くことが大切です。

「こういうものを作りたいんだ」という概念に囚われないことが大切です。今いるところで、今できることをまず実践してください。

（翻訳・書き起こし：Kumiko Jin）

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ティク・ナット・ハン「マインドフルネスの教え」
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