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現代であえて「残さず食べる」食育。日常編
前回の記事で、
あぁ、子どもたちになんでも食べられるようになってほしいなぁ、の気持ちが今までより少し強くなったのではないでしょうか。それなら、嬉しいです。
「とはいえ、うちの子、食べてくれない」
と言うのはよく聞きます。
今回の記事では、具体的にどんな工夫ができるのか、考えていこうと思います。
食事改善の注意点
その前にここで注意点を一つ。
1日に3回ある食事、さらにそれは毎日続くこと。
いつも頑張り続けたらしんどくなるのでね…
引き出しを増やして、できるときにできることをやってみる。
そのくらいの気持ちで読んでいただけたらと思います。
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何を目指すか
①残さず食べる
にいはま森のようちえんに入園後、みんなと食事を楽しめるようになった、次のステップとして取り組むのが「残さず食べる」。
ただし、ちょうどいい量だからこそ、残さず食べられるのです。
「多いとこのくらい食べられる」に基準を合わせないでください。
「お腹すいた」って言わないようにと詰め詰めにするのもやめましょう。
「こんくらいは食べられるでしょう」でもありません。
今ちょうどいい量。足りないときはおかわりしたらいいのです。
園でも、スタッフと保護者で何度も何度も話し合って、その子の今、ちょうどいい量を探っていきます。
そして、「ピカピカになったね、うれしいね」の体験を何度も重ねます。
食べ物をごみにすることに、心を痛める子に育ってほしい。それって誠実さとか、思いやりとか、想像力とか、色んな力があってこそできること。
➁なんでも食べる
目の前の一食分を食べきる喜びを覚えたその次に、取り組むのは「なんでも食べる」
食事を平気で残す子に、好きじゃないものを勧めても、まぁ食べないでしょうね。
好きなものだけ食べて、おかわりを希望する場合も、一度お皿がすべて空っぽになって、それでもお腹が空いてたら、おかわりするようお願いしています。
③よく噛む
忘れちゃいけないのが、よく噛む。
オェッとえづくことが多い子は特に、横で一緒に食べながら、もぐもぐもぐもぐ、と声をかけたり、手でジェスチャーをしたり。意外と効果あります。
「ありがとうございます」を3回繰り返すと、ちょうど30回噛めるそうです。
これはなかなか難しい。
一口サイズに噛み切って、ちょうどいい量ずついれる、とか
飲み込んでから次のものを入れる、とかも大切にしたいですね。
もちろん座って食べる、も。
いつか親元を離れて食事をする時が来ます。
そのときに、よく噛んで、よく食べて、元気に帰ってきてほしい。だからこそ、親がいなくても食事ができるよう、今のうちから食べる力を育てるのです。
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食事改善につながる引き出しを増やす
食材のバランス
では、1食に何をどんなバランスで入れたらいいのでしょう?
3~5歳の子だと、一食あたり400kcal。
お弁当箱で言うと、400kcal=400ml
なんと覚えやすい。
そしてそのお弁当箱で、何をどのくらい入れるかの目安は…
主食3:主菜1:副菜2
わかりやすくいうと、
まずお弁当箱の半分はご飯。
残りの三分の一にお肉、お魚、卵。
残りはその他の野菜など。
大好きなお肉やご飯だけでお腹を満たしてはいけませんよ。
口の中を見てもよく分かる。
噛み切る前歯、切り裂く犬歯、すりつぶす臼歯。雑食ならでは。
肉食になっていませんか?
この歯の話、こどもたちけっこう食いつきます。
ライオンの歯と、キリンの歯、どちらも持ってるんだから、どちらも使いましょう。
調理法
五味については前回の記事で触れました。
次は調理法。
生、煮る、焼く、揚げる、蒸す
一食の中で、あるいは1日の中で、どれかに偏りすぎずに色々取り入れたい。(できる範囲で)
ちなみに、日本人は伝統的に、煮る、蒸すの食事法がメインだったので、煮る、蒸すの料理を消化することが得意だそうです。
お弁当の中身、「揚げる、揚げる、揚げる」になっていませんか?
離乳食のすすめ
さて、「どうにも好き嫌いがある、どの食材から克服していったほうがいいんだろう」と思ったときには、ぜひ、離乳食に立ち返っていただきたい。 あと、飲み込むことや噛むことに苦手がありそうだと思ったときも。
別にドロドロにして、ってことではありませんよ。
初期にはこの食材にチャレンジして、中期にはこの食材にチャレンジして…ってやつ、あるじゃないですか。
アレルギーが出にくい食材から、というのもありますが、
好き嫌いが多い私から見ると、
・かみやすい食材
・クセが少ない食材
・消化しやすい食材
のようにも思います。
離乳食初期の食材からがチャレンジしやすいはず。
プラスワン
いきなり料理法を変えたり、いつも出していなかった食材を取り入れるっていうのは、親側も大変なので、気楽に取り入れやすいのが「プラスワン」
ご飯に、のり、しらす、あおのり、きなこ、納豆などを添えてみる
みかん、バナナを添えてみる
牛乳を添えてみる
ヨーグルトにキウイを入れてみる
手間はかからないけど、一歩前進したような気持ちになれます。
「疲れてる日でも、私、1個工夫した!」と自分を褒めてあげましょう。
キーワードは「一緒に」
一緒に食べる。
まず自分が口に入れ「おいしい!」と見せて、こどもにも勧める。
そのときに、「あ、シャキシャキって聞こえた!」「いい匂いね」「ウサギさんも、これ好きよ」「え、◯◯を食べられるなんて、大人!」
いろんな言葉を添えてみる。
※苦手な食材のときだけじゃなく、好きな食材のときも。
一緒に買い物をする
人参、どこだー?ナス、つるつる、など会話を楽しみながら。
「〇〇ちゃんが買ってくれた人参、おいしい☆」と食事を楽しめます。
一緒に料理する
レタスをちぎるだけでも、サラダを和えるだけでも良いです。
なんなら、一緒につまみ食い。これが一番美味しい。
生のつまみ食いもありです。お料理したほうがおいしいって気付ける。(生を好むときもある)
一緒に育てる
手間はかかるけど、これは効果がすごい。
最初は収穫だけでも。
いつかは、いっしょに種をまいたり、水やりしたり。
ペットボトルで人参が育つんです。
これが案外可愛くて、大人の方がハマったりして。
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忘れちゃいけない心意気
スモールステップで進みましょう。
匂いを嗅いでみた、ペロッと舐めてみた、米粒サイズを食べられた。
実はそれだけでも十分に前進しているのです。
そんくらい少しずつ進むものなのです。
そして…
「嫌い」は一回では決まりません。
30回食べても、
3日連続で食べても、
調理法を変えても、
3年経っても
やっぱり好きになれないものもある。
そのときやっと「得意じゃない」判定。
という心意気、忘れないでほしいです。
それまでは「慣れていない」とかそういう話。
私も好き嫌いがたくさんあります。
昔、嫌いだったもの
調理法によっては食べられるもの
出されたら食べられるもの
勧んでは食べないもの
どうしても食べられないもの
と、嫌いの強さもグラデーション。
すべてを最強の「嫌い」だと捉えないように。
親や子どもが言う「◯◯は人参が嫌いだもんね」の言葉…
その子の脳みそがしっかり聞いています。脳みそは、それをすぐさまインプットしちゃいます。
だからこそ
「得意じゃないんだね」
「いつかは食べられるようになるかもね」
と言う言葉を使うようにしましょう。
私のように、大きくなってから、味蕾が減って、食べられるものが増えることもあります。
でもここに至るまで、モヤッとした思いは何度も経験したし、相手(一緒に食べる人や作ってくれた人)にもさせてしまったと思います…。
こんなこといちいち意識するのは、大変かもしれない。
嫌いな食材があってもほったらかしておくのが一番楽かもしれない。
でもやっぱり
この子が自分の手元を離れたときに
元気にハッピーに生きていくチャンスが大きくなるなら、やる価値はあると思います。
だって、小学校、中学校、高校と、「好き嫌いが多すぎるから、お母さんのお弁当がいい」なんて言われたら絶対嫌。
給食やばあばのご飯を楽しめるんなら、私だって楽できる。
だから
引き出しを増やして、できるときにできることだけ、やってみましょ。
長くなったのに、まだまだ語れそう。
そろそろおしまいにしましょうか…
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