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現代であえて「残さず食べる」食育。基礎編


給食での窒息事故、食物アレルギー、不適切保育と言われる指導…
食事を摂ることがどんどんデリケートな問題になってきているように感じます。

小6娘は給食委員会に入り、毎日の残飯の量に驚きを隠せない様子。

そんな時代であっても、にいはま森のようちえんは、様々な工夫を取り入れながら、
『食べることは生きること』
大切にしていきたいと思っています。



「好き嫌いが多い人生」ってこんな感じ

今、この記事を書いているこの私…
「好き嫌いが多い人間」です。
子どもたちの「これ、あんまり好きじゃない」にたいがい共感できます。

今、大体のものを不快感なく口に入れられるようになったからこそ思う。
(主婦になったら、自分が作らなくていいだけで、すべてが美味しい)

なんでも食べられるって、人生の武器ですよ。

恋人とのデート、旅行だって、どこにでもハッピーな気持ちで行けます。
昔の私では、せっかく旅行に行っても地元の美味しいものは食べたいと思えなかった。無難にファストフード…。

(行きたくないなと思いがちな)学校だって、「給食が辛い」よりは「給食は好き」の方が良いに決まってる。

食べることって、一緒に食べる人や、作ってくれた人とのコミュニケーションの時間です。
「おいしい」って共感し合うことで、信頼関係とか一緒にいて楽しいとか、そういうの爆増です。

まぁそりゃあ、健康のことを思ったらなんでも食べられたらいいと思うけど、別にしいたけが食べられなくたって、死にはしないんですよ。

でもね、苦手なものが少なくて好きなものが多いと、ハッピーが絶対に多い

好き嫌いで苦労した私だからこそ、園児や我が子には「なんでも美味しく食べられる」を生きる武器にしてあげたかったんです。

知っておきたい基礎知識

動物が好む味、嫌う味

どんだけ賢くなったって、人間もやっぱり動物。
甘味、塩味、旨味は、生きるために必要な栄養素として認識されます。

甘味 糖質
塩味 ミネラル
旨味 タンパク質

生きていくために、糖分や脂分を積極的に好むんですね。
美味しいしね。無意識にそう感じることさえ本能なのかも。


でも現代では、自然界には存在しなかった「揚げ物」があります。
油ですよ、本能で好みます。
でも素材から摂る脂とは別です。
中毒性があり、肥満や生活習慣病にも繫がる。
注意が必要です。

味覚 五味

一方で、苦味
野菜などに含まれる苦味ですが、
自然界では、毒であるリスクも高いので、動物は好みません。

酸味もまた、「腐っている」「熟していない」のシグナルでもあるので、動物は好みません。
たしかに、お山の熟れていないビワは酸っぱい。

雑食である私達人間には、毒でもないし、腐ってもいないので、離乳食や幼児食を通して、親が子どもたちに「食べて大丈夫」を伝えていくわけですね。
ライオンが狩りの仕方を覚えるのと一緒。


我が子の好き嫌いと比べてみてどうてすか?

動物に近いものを感じると、私はつい面白いなぁと思ってしまいます。


味蕾の発達

味をキャッチする味蕾(みらい)
8歳から急激に増え、12歳にピークを迎えます。と書いてるところもあれば、
生まれた時がピークで、10歳ころに味の感じ方が完成し、あとは減少していくとか、
色々書いてます。

まぁどっちにしても、乳幼児、学童期の味覚って大切。

五感は脳を刺激するので、つまりたくさん「味を感じる」ことで脳も育っていくのです。

味蕾を刺激する味ってどんな味かと調べてみたところ、
砂糖とか塩とか化学調味料とか濃い味ではないようです。

素材の持つ味。

肌のようにターンオーバーする味覚ですが、刺激(味の濃さ)によってどんどん摩耗していきます。

濃い味は、味を感じるセンサーをどんどん鈍らせていきます。

そう思うと、子どもたちは私達より味付けが薄くても、いろんな繊細な味に出会えているんですね。
調味料でその繊細な味をかき消してしまうのはもったいない。


刺激はあとからでいい

さてもう一つ。
辛味。

なんと辛味は、味覚ではなく、痛覚!

先ほど述べた味蕾には、刺激が強すぎる。
そして、味覚だけでなく、消化器官にも刺激が強すぎる。

そして、辛味に慣れるっていうのは、味覚を麻痺させる。

よく「辛いもの食べれるんよ!」と大人の仲間入りをして誇らしげに話す子がいますが…
「いや、味覚が死んでいってるんやで…もったいない…」と思って聞いています。

辛味に出会い、慣れていくのは、
10歳以降でも十分です。 

併せて、炭酸飲料。
こちらは、刺激であり、糖分の過剰摂取であり、満腹感で食事に影響もするので、
まぁ、ハマってほしくないもののひとつですね。
何歳から、という判断が難しいものですが、できるだけ先延ばしにしたい。
摂るとしても「今日は特別」とか一言添えたいですね。

カフェインも同じ。

なににしても、
大人が好むような刺激の強いものは、子どもには不必要なものですし、
大人にはもう感じられない繊細な味を感じる体験を奪っているということを知っておいてほしいです。

じゃあ何をしたらいいのか

食べることさえ学びと捉える「食育」。
子どもたちに食育が必要とされる理由、なんとなく感じていただけたでしょうか?

じゃあ、子どもがなんでも食べるようになるには、何をしたらいいのか?

長くなってきたので
それについては次の記事で♪
にいはま森のようちえんで取り入れている工夫を紹介します。


読んでみてね☆