なんだって、気づくことがえらいのだ

我ながら適当に生きてきた。適当で、なにも考えず生きてきた。
ほとんどのことが行き当たりばったり。それでなんとかしてきた。
だけど自分と同じくらいの年齢で、すべて計算して生きてきた人なんてどれくらいいるのだろうか。
トップアスリートだったら、いろんなことを計画しそれに向かって己を研鑽して生きているのかもしれない。
でもわたしはその他大勢のひとりだ。アスリートの境地には向かえる気がしない。

それに気づいたのが、手帳を書くようになってから。
自分って、本当になにも考えずに生きていたんだなと気づいた。なんとなく、で日々スルーしてきたことがなんと多かったことか。手帳を書く習慣がついたとはいえ、未だに自分が考えないといけないことの全容は明らかにできていない。

日々、生きて必ず発生すること。
ひとり暮らしだからまず家事が発生する。仕事に行くからそれに付随した様々な事柄が発生する。趣味に基づく情報も、次から次へと目まぐるしく発生する。
それらすべてをなんとなく、適当にこなしていた。流されるまま、半分惰性になりながら。

なんとなく適当、の最たるものがお金の管理だった。
どんぶり勘定もいいところで、これまでろくに家計簿もつけたことがない。何度か始めてみたけれど、すべて挫折した。
隠すことでもないのでいってしまうが貯金なんてなかった。まったく。保険も入っていない。社会保険だけ。
買い物はほとんどカード。現金も使うけど、特に毎日のごはんはコンビニでiD払い。転職してからは手取りも減ったのでこの1年半はだいぶ火の車だった。口座はほぼ空っぽが当たり前。

転職直前、本当にお金を使い込んでいたのもある。転職活動のために福岡から関西まで何度も新幹線で行き来したり、ストレス解消のためFGOにかなり課金していた。正常な判断はほとんどできていなかったと思う。
引っ越すための資金は親に出してもらった。これだけは言っておきたいけど、社会人になってから親のすねをかじったのはこのときだけだ。あとこのとき出してもらったお金は、専門学校に通う妹にわたしが仕送りすることで相殺された。

転職し、住む場所も変わったので自分がリセットされたと感じていた。でもそんなことはなかったぞ。って話は前にもした。

手帳を書き始めて約1年たち、そろそろ野球シーズンも終わりそうだったころ。毎日書いていた野球の結果を書けなくなることで、手帳自体をまたやめてしまうのは困るなと感じていた。

10月後半には福岡へ行く予定も立てていた。福岡で買いたいものなどを考えていたが、それにはいくら必要なのか？　という基本的なところに気づいた。
それまでなんでもかんでもカードでごまかして生きてきたけれど、実際福岡に行くだけ行って現金がないからなにもできない、なんてことになっては悲惨だ。なんとかして現金を捻出しなければならない。

そこで、ようやく初めてきちんと自分の収支計算というものをやって手帳に書いてみた。一応、家計が火の車である認識はあったので口座にいくらあってカードはいくら引き落とされるのかということを可視化するアプリは利用していたし、レシート情報の登録などはしていた。
でも正直それらはただの記録でしかなかった。
アプリを始めたときは、転職前の2016年に利用した分の記録も反映されたためこんなにお金を使っていたのか…という気づきにはなったけれど。ただそれだけだ。家計が火の車なんだなということしかわからなかった。

初めて、自分の収入からいくらは固定費などで出ていくのか。実際自分が自由に使えるお金はどれくらいなのか。ということをきちんと計算した。
はずかしい話ではあるけれど、本当に今までしたことがなかった。
そしたら、あまりにも自由に使える額というのが少なくてびっくりした。めちゃくちゃびっくりした。本当に知らなかった。
厳密にいえばカードで引き落とされる分があったので、それを除いた額なのだけれど。

まあ、よく生きてこられたなと思う。若いうちにクレジットカードを作っておいてよかったのかよくなかったのか。しかもiDが使えるタイプのクレジットを。

気づいたからこそ、自炊も本格的に始めた。毎月の予算を組んで、手帳に書いた。毎週の献立、他にやらなければならないこと。野球シーズンが終わっても、手帳は途絶えることなく続いている。

なんでも気づくことが大事だ。現状把握することが。iPhoneのスクリーンタイムを使ったときもそうだ。ちなみに今、ついったーの利用時間は週平均15時間以下がほとんど。毎日の利用時間も3時間以下で、制限がかかることもほとんどなくなってきた。

自分って本当に適当になんとなくで生きてきたなと思うけれど、今はとりあえず、気づいたところだけでもすごくえらいと思う。要はそこからどうするか、なんだろう。
お金の管理は、毎月収支計算をするようになって3ヶ月たった。とりあえず2月に高校時代の友人たちとTDRに行くための資金は捻出できている。
他にも毎月買っていた定期をようやく半年分購入して、タンス貯金で月々積み立てたりしている。

これからどうにかしたいのは、日々の決断。なにをやって、なにをやらないのか。これがなかなかむつかしい！　試行錯誤は続くのであった。