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元携帯ショップ店員が考えること

前職をやめて1年以上。転職しても結局関わりのある仕事をしているけれど、たびたび「よくあんな仕事をやっていたもんだな」と他人事のようにおもうことが今でもあります。いまだに現職じゃなくて前職の仕事してる夢とか見ることあるし。

携帯ショップの店員を長いことやってました。

noteを始めて、お題の中に「#私の仕事」っていうのがあるのを見たとき、しばらく離れたからこそ見えてきたり「こうしてればよかったのかもしれないな」と考えたことをちょっと書きたいな~って考えてまして。
ざっとしか探してないけど、同じ職の人が細かく書いているnoteはあんまり見当たらなかったです。(性質なのかクリエイティブな仕事の人が多いねnoteは)

信じてはいけない店員と、信じていい店員の見分け方

携帯ショップって代理店運営なので、各携帯会社の社員が働いているわけではないんですよ。派遣も多いし。
本当に入れ替わり激しいから3年以上働いてたら「へ~長いんだね」みたいなこと平気で言い合います。そんなレベルです。
わたしがこの職についた理由も「そのとき派遣で募集してた仕事の中ではいちばん時給が高かったから」に他なりません。
この仕事がやりたくて、大好きでやってます!って人より仕方なくやらされてるって人の方がよく見ました。まぁこれは代理店によるかもしれませんが。

ショップで手続きするとアンケートのお願いが届くんですけど、あれは回答するとガチで受付してくれた店員さんの成績に反映されるんですね。顧客満足度として。

わたしはたしかに志低く仕事をしていたけど、その満足度を85%以上に保つことだけは真面目に取り組んでいました。アンケートの自由記述欄に様々なお礼を書いてもらったときが、いちばんやりがいを感じていました。だから7年続けられたけど、結局やめました。

最終的に商売だから、売らないといけないのはわかっている。けど人の心がないような同僚の売り方や店の方針が本当に無理だった。

今は機種変更も新規契約もプラン変更も住所変更も解約以外はほとんどのことがネットでできるようになっているので、ショップに行く必要性っていうのは低くなってます。それでもわからないから聞きたい、なんとなく自分で全部するのは不安って気持ちもよくわかります。

でも絶対に「タブレットと一緒に持ったほうがお得」とか価格を前面に出して勧めてくる店員の言うことは聞いちゃダメです。絶対です。
価格で訴求してくる店員は自分のことしか考えてないので。売ったあとはどうでもいいんです。

逆にお客さんの話をたくさん聞いてくれて、その中からサービスの話につなげる人の話は信じていいです。
「月額は〇〇円で、これだけいろんなことができる」とかそのサービスや商品の価値をしっかり説明してくれる人は、売ったあともちゃんと対応してくれます。

ショップ店員のコスプレをしている、という考え方

わたしが新人時代仕事を教えてもらった、めっちゃ仕事ができる先輩はよく「自分はショップ店員のコスプレをしている」と言っていました。

ということを夏ごろにバズってたこの元ホストの携帯ショップ店員さんの漫画を見て思い出しました。

正直、こういう人確かにいるけどごくごくひと握りで、ほかはだいたいコミュ障が接客してることが多いです。
かくいうわたしも仕事だからと割り切って接客してたし、仕事中なら自分から電話かけられるけど客の立場から電話かけるの本当に嫌いだし、よく行く飲食店とかコンビニで「あ、いつもありがとうございます~」とか声かけられるだけでウワッもうこの店来たくないな~~!! って思う程度にはコミュ障です。

あと携帯ショップで働いている男性店員にはクセが強い人しかいない説。

女性は、まあ男性に比べたら数が多いからかもしれんけどあんまりクセの強くないあっさりした人も多いけど、一緒に働いたことある男性は全員もれなくキャラが濃かった。なんでなんでしょうね。量販店スタッフ時代も合わせて10年くらいこの仕事携わりましたけどキャラの濃くない男性は一人もいなかったです。
いやわたしが行きつけのショップ店員さんは男性だけどそんなキャラ濃くないぞ! って人がいたらそれは非常に稀有な存在か、接客時だけ猫かぶってるかのどちらかです。

毎日頭を使っていたはずなのに、思考停止状態だった

携帯電話屋なのに光回線契約もしたり、クレジットカードの契約したり、電話を売るだけじゃなくてサービスも勧めないといけなかったり、プランも手続きのうち何%はこのプランで契約を取れとか指定されてたり…。
ハチャメチャにやることも覚えることも多くてサービス変更が頻繁にあって拘束時間も長くて残業当たり前で、それなのに年収250万もない。
なんだこの仕事ってなります。最初は時給が高いって入ったはずなのに。7年勤めて派遣から正社員にもなってリーダー的立場に就いて責任だけは増えたのに一向に収入は増えなかった。なんなんだこの仕事。

コミュ障だけど接客自体は楽しくて好きだったし、それこそ「ショップ店員のコスプレ」を楽しんでいたところはあります。
でも本当に最後の2年間は苦しかった。

もうちょっと、なんの手続きをしてどのサービスを勧めればどれくらいの手数料が入ってくるのかということをきちんと知っていればよかったかなと、今となっては考えたりします。本当に知らなかったし、知ろうともしていなかった。

毎月、目標として「今月は新規○○台!うちタブレットは○台!光契約は○件!」とか目指すべき数字はたくさん出されていてそれに追われていたけれど、どうして自分たちはその数字を追っているのかを知らなかった。考えたこともなかった。

わたしは毎日とても頭を使っていたと思っていたけれど、なんにも大切なことは考えてなかったし考えられなかった。思考停止で、目の前のことだけなんとかこなそうと必死になっていたからダメになっていったのかなと思います。

今はやめてよかったです。先述どおり現職も関連した仕事なので、現役のショップ店員さんとお話しする機会もまだたくさんあるんですが、そのたびよく「大変だなあ。わたしも本当に大変なことをしていたんだなあ、偉かったなあ」と、昔の自分を褒めてあげたりしています。

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