アーリーリフレクションというプラットフォーム
「なぜコーポレートデザインにこだわるようになったのか?」では、私の経営経歴と背景を説明しました。さらに前「プラットフォームとしての会社」では、会社がメンバーの行動を促すプラットフォームであり、その設計が重要であることを解説しました。
ここでは、アーリーリフレクションというプラットフォームがどうデザインされているのかを説明したいと思います。
アーリーリフレクションというプラットフォームの特徴
1.カルチャー重視
当社では、「コーポレートカルチャー」=「方法、日々の運営の仕方、考え方」にこだわっています。何をするかよりも、考え方やそこから出てくるものを尊重したいと考えています。
働く人が、楽しく働きながら、自分の得意なことをさらに伸ばしていくことができる。シーズを見つけて(自分から、他人から、外部環境から)、それを実現する。会社がそのための「最初の反響」になるよう環境設計することを心がけています。
実際に弊社のメンバーには、自分ひとりでは思いもつかないような事業を作る面白さを感じている方もいるでしょう。代表としては面白く働いてもらうシーズを提供することにもこだわっています。
コーポレートカルチャーは、カルチャーコードとしてまとめています。
https://earlyref.com/culturecode
2. パートナーシップ&相互投資の考え
仮に、従業員と会社がお互いに最小限しかコストを費やさない会社設計の場合を考えてみましょう(アーリーは真逆の考え方ですが)。このような環境では、従業員はこっそりサボるほうがお得になり、会社は給与やその他のリソースを少なく与えるほうが得となってしまうでしょう。お互いのインセンティブが異なり、ベクトルが逆になってしまうでしょう。
株式会社アーリーリフレクションでは、これとは真逆の考え方をしています。
株式会社アーリーリフレクションでは、メンバー(従業員やすべてのステークホルダー)は、その人が持つ「関心、注意、時間、体力、知力、スキル、機会」を株式会社アーリーリフレクションという会社に投資してくれている、と考えます。
さらに、会社は投資をしてくれたメンバーに、会社というプラットフォーム上でその人にリターンを返す、という考え方をしています。会社もまた、そのメンバーの価値を上げる投資を行うわけです。具体的には、そのメンバーのこれまでの経験よりも、今後のやる気や、学習角度などを重要視します。業務時間中に勉強してもらったり、やりたいことをプロジェクト化したり。
将来のリターンを目指す会社の成⻑に貢献することで、メンバーにも会社にもどちらにもリターンがある「相互投資」という健全な会社設計を目指しています。
ただし、短期的な営業成績に基づいて給与がダイレクトに決まるようなことはしていません。短期的思考のインセンティブが働いてしまうからです。
こうした「パートナーシップの考え方」「相互投資」の考え方に基づいて、ロングスパンで働ける≒ 当人が転職をしなくてすむように、Financial Returnを得られ、経験値を得られ、成⻑でき、面白さを感じながら働ける環境を目指 しています。
したがって、金曜日を学習機会にあてたり、稟議はありますが書籍は原則自由に購入できたり、時間内にプライベートと両立できるよう自由度を高めたり、といった施策をしています。実際に、アーリーに転職してメンバーになった方は、短期間に素晴らしい成長を見せています。(カルチャーコードの一部に小項目で「相手のポテンシャルを最大化する関係を作る」とあります。)
このパートナーシップの考え方がうまくいくかは、時代、環境、業界、あるいは人の性格や育った習慣などで大きく変わるのかもしれません。しかし私は、現在から近い未来においては、この考え方がベストだと考えており、貴重なリソースをフル活用すべきだと考えています。逆に言うと、投資できない方(成長意欲が無い、Deal型の方が適している方)は、残念ながらチームに入れるべきではないと考えています。
3.多種多様な事業 たくさんのシーズ
最近、国内だけでなく、海外出身の優秀な方が選んで来てくれています。そのメンバーに「なぜうちを選んだのか?」と聞くと、よくいろんなことにチャレンジができる、ということを言ってもらうことがあります。
いわゆる米国Big Techにいけるようなメンバーが何人も来てくれているのですが、彼らは、「大企業で一部の仕事しかしないのはこれからの時代にはリスク」「今の自分の関心以上の、新しい相乗効果を良いメンバーと取り組みたい。」といってくれています。
振り返ってみると、アーリーリフレクションは、創薬ベンチャーへの資本参加や、日本のナショナルクライアントとのJV、今はまだリリースしているのはBIMSTOKだけですが、その後の製品群の企画など、様々なシーズの取り組みを全員に共有しているため、興味がつきず、知的好奇心として面白い仕事がたくさんあります。事業になるのはほんの一部ですが、常に新しい事業シーズの議論をしています。
自分が面白い、やりたいと思うことは、積極的に共有し、それを事業化できるか検討するということが日々の活動に入っています。したがって、いろんなことをしたい欲張りな人には向いています。(毎日同じことをしたいというタイプの方には向いていないと思います。)
4. それぞれの役割についての考え方 「軸と輪郭」
役割の軸
さきほど書いた内容とも関連しますが、アーリーリフレクションでは、仕事の役割(Role)は「それをやれば必要十分」であることを示していません。
むしろ、Roleは、それを起点にした軸やきっかけのようなものです。 仕事の範囲や輪郭は自分で定めて拡張していく。その範囲を伸び縮みさせながら、守備範囲を広げていく。もちろん責任はあるけれど、その責任=自分の守備範囲の全てではありません。
したがって、チャレンジャーや意欲のある方はどんどんチャレンジできます。自分のポテンシャルにブレーキを効かせる必要はありません。やりたいことは、会社にプラスであれば提案でき、じゃあやってみよう!となるでしょう。一つの役割に固執することなく、さまざまな経験を積むことができます。
これからの時代は、幅広い知識が強みになると私が考えているからです(『Range』という書籍に説明されていますのでオススメです)。専門家の専門性は、その背後にある広い知識に裏付けられなければなりません。メンバーにはそうなってほしいと考えています。
IT、AIの時代は、幅広い範囲に才能を発揮することが十分可能です。これからの時代は、複数の役割を果たすこと、それによってそれぞれの仕事に客観性をもつことが、通常運転になっていくでしょう。
また、株式会社アーリーリフレクションでは、全社貢献という考え方があります。たとえば、自分の役割として規定されていなくても会社のためになる行動を評価しています。これは非常に重要で、私が設計者の設計やRoleの明確化には限界があると考えており、すべてをプログラムすることができないと考えているからです。自分の役割を規定したとしても、「それ以外」の領域が実は大きく重要なことがしばしばある、と考えているからです。
このような動きがしやすいように、積極的にストラテジーミーティングで、会社の方向性を共有しています。ストラテジーを理解してもらい、見えない、指示がないところで、それぞれが動けるような情報共有をしています。ですので、社内での代表の田中からの情報発信は少し過剰かもしれません。笑
キャリア面談
アーリーでは必要に応じてうちあわせをするので、定例のものはあまりないのですが、年に1度または年に2度程度、キャリア面談を行っています。
キャリア面談とは、その人の将来のビジョンややりたいことを会社で実現していく仕組みです。
3ヶ月程度ざっくりした感想
個人の業務内容
チーム、会社・組織、雰囲気
今年度
やりたいこと、やってみたいこと
チーム、組織、会社への希望
2〜3年後のイメージ(確定ではない。現時点の考え)
なりたい役割
将来の会社イメージの共有(代表からの共有)
たとえば、XXXXなエンジニアなりたい!という方がいた場合、この一年でこういう仕事にアサインしよう、こういう仕事を作ろう、こういうことをまあんで置こうというようなすり合わせを行います。学びたい、なりたい方向性に合うように業務を調整します。これをすることで会社としてもその人のパフォーマンスを上げることができます。
またバックオフィスでは、たとえば経理をしていたとして、経理のキャリアプラン、経理以外に総務労務へ進みHRにすすむキャリアプランなど、どういう選択肢をもてるかをディスカッションします。事業開発部であれば、事業開発部は広い知識がもとめられるため、多様な仕事になるのは間違いないのですが、何を中心にして取り組むか?コンテンツ作成やマーケティング、PM的な要素など、得意や伸ばしたい、やりたいところの業務を増やしたり、その業務をするための条件(事前知識等の準備)をディスカッションします。
最近大手から転職してくる方は、特に自分のキャリアプランを考えてくる方が多いので、そこにギャップがないように、さらに会社からも当人のキャリアをのばせるような調整をします。
わかりにくい会社
よく「アーリーはどんな会社かわかりにくい、説明しにくい」と言われるのですが、私自身、確かに説明しにくいなと思っています。
アーリーに似た会社があまりないし、普通はこうだよね、というのを敢えて無視しているので、わかりにくくて当然かもしれません。
とは言うものの、アーリーに入ったメンバーは「カルチャーコードを読んで入社を決めた」等、腑に落ちている方がとても多いので、相性もあると思います。万人向けを狙っているわけではありませんが、外国籍のメンバーも増えていて、やる気があり、自分でがんばる気がある相性の合う方にはこれからも出会えるでしょう。
楽しみです。
最初の話 「なぜコーポレートデザインにこだわるようになったのか?」
前回の話 「プラットフォームとしての会社」
なお、内容は、今月行われた会社の全社員向けのStrategy Meetingの内容を文章にしたものです。
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