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マーケティング戦略|バリューチェーンについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|バリューチェーンについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

最大の付加価値を生む組み合わせ

組織の内外を問わず付加価値の生成は重要な課題です。そのために組織内はもとより、組織外における商品提供に関わる全ビジネス・プロセスを価値の連鎖と捉え、シビアにチェックしていこうという概念がバリューチェーンです。

バリューチェーン

バリューチェーンはマイケル・E・ポーターが1985年に提唱した概念です。80年代の米国は貿易赤字と財政赤字という双子の赤字に苦しみ、企業の競争力に疑問が投げかけられました。これを打開するため、企業はビジネス・プロセスを徹底的に見直す必要に迫られました。
★当初は企業内の部門ベースでの問題点の明確化と改善の方向の洗い出しがなされ、個別企業というベースでの付加価値の形成(競争優位性の発揮)が図られました。
★しかしその後、この発想が企業内にとどまらず、納入下請業者、メーカー、卸売り業者、小売業者という顧客への商品供給に関わる全体プロセスにまで及び、各プロセスでどのような付加価値が合理的に生成されているかが問われるようになりました。
★企業は付加価値の生成において、自社の最も競争優位性の発揮できる部分を徹底的に磨くとともに、競争劣位のある部分は自前で処理しようとしたり、しがらみのある事業者に任せたりせず、最も付加価値生成の巧みな業者にアウトソーシングすることが一番効率的、効果的であると悟りました。
★高度情報化の進展により、バリューチェーンは今日、ECR(Efficient Consumer Response)、QR(Quick Response)、SCM(Supply Chain Management)という形で実践され定着しています。

バリューチェーンの事例

トヨタ自動車

トヨタ自動車は2016年に発表した「コネクティッド戦略」にて、既存のバリューチェーンの維持と拡大は継続しつつも、「ICT(情報通信技術)を活用してマイカー以外の移動をシームレスにつなぐ」概念であるMaaS(Mobility as a Service)への取り組みを加速させる意向を。
カーシェアリング、ライドシェア、サブスクリプションサービスと近年ニーズが拡大している分野へのサービス展開により、トヨタ車の運用のほかメンテナンスや保険、リースなどの自動車関連分野でのバリューチェーンの確保も期待できる。

東京ガスグループ

東京ガスグループは、LNG(液化天然ガス)の調達や輸送、都市ガスの製造と供給とライフラインであるエネルギーの提供と関連する事業活動を自社で行っているのが特徴だ。
安定的なLNGの調達、強固なインフラ整備、地域密着型の営業体制を整えることで「快適な暮らしの実現」という付加価値を提供している。効率的な運輸手法を採用することで、地球環境への貢献やエネルギーコストの削減など環境面での付加価値も創出している。

ほけんの窓口グループ

来店型の乗合保険代理店「ほけんの窓口」保険ショップを全国に展開、運用しているほけんの窓口グループ。
バリューチェーンは「調達」「顧客管理」「相談会」「アフターセールスサービス」「店舗開発・提携」「人的資源管理顧客」の6分野にわたり、とくに相談会と人的資源管理顧客の2つのポイントを強化しているのが特徴だ。顧客のニーズ確認と商品選択のプロセスを支える付加価値の提供につなげている。

アサヒグループホールディングス

アサヒビールやアサヒ飲料をはじめとした、食と飲料の総合メーカーがアサヒグループホールディングスだ。2016年よりESGへの取組み強化をかかげ、経営の方向性を「サステナビリティ経営」と定めた。
環境、人権、アルコール関連などの重行課題に対応する方針や体制の整備や、PDCAサイクルを構築している。「気候変動への対応」として、バリューチェーン全体におけるCO2排出量ゼロの達成に向けた「アサヒカーボンゼロ」の取り組みを実施。ほかにも多くの持続可能性への取り組みによる付加価値を創出している。

スターバックスコーヒー

アメリカ発祥の世界最大級の規模を持つコーヒーチェーンが、スターバックスコーヒーだ。自社のミッションと価値の創出として”Our Mission and Values”を掲げている。「お互いに心から認め合い誰もが自分の居場所と感じられるような空間づくり」「現状に満足せず新しい方法を追い求める」「誠実に向き合い、威厳と尊厳をもって向き合える瞬間を大切にする」など、「人々の心を豊かにする」をミッションに、コーヒーやサービスを通じて多くの付加価値を顧客へ提供している。

ファミリーマート

コンビニエンスストアチェーン大手のファミリーマートでは、各種資産や強みを活かした事業活動により「リアルの店舗」「人と知見」「商品と情報のインフラ」の価値を向上・最大化させることで自社の持続可能な成長を目標設定している。
また、事業を通じて社会課題の解決やSDGsの達成へも貢献している。バリューチェーンを示した「価値創造モデル」では、「外部環境」「インプット」「事業活動と重要課題への取り組み」「アウトプット」「アウトカム」の各フェーズでの活動や付加価値を提示している。

ニトリホールディングス

自社家具の製造および販売を手掛けるニトリホールディングスでは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」企業ビジョンを実現するための「2022年1,000店舗、2032年3,000店舗」達成のための経営戦略を実施。
2018年~2020年は「海外高速出店と成長軌道の確立」、2021年~2022年は「グローバルチェーン確立に向けた経営基盤再構築」をおもな戦略にかかげ、グローバルチェーンを土台としたより高い付加価値の提供を実践している。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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