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TOKYOがこわい

 大阪に引っ越し、もうすぐ丸2年が経つ。
東京(の隣の川崎)で生まれ育ちもがき喚き24年。大阪も都会とはいえ、さぞ東京が恋しくなることだろう、、と思いきやその予想を裏切り最近の私は大都会TOKYOがどんどん怖くなっている。

 なにがそんなに怖いのか。まず人が多い。あと電車のホームが多くて間違える(御堂筋線でも間違えるけど)。そして街が多すぎる。多すぎるのに全ての街に人が溢れかえっている。なんなら街と街の間の路地とかにも人がいる。
大阪も都会であることは間違いないが、なんというか東京は街の圧を感じるのだ。
新宿には新宿の、六本木には六本木のプライドがあり、あんたほんとにアタシに値する人間なワケ!?!?と各街に問い詰められてる気がする。
用事が終わったらさっさと帰るから許して欲しい。

  そしてなにより、東京には思い出が多すぎる。
なんてポエミーな一文でしょうか。
24年の間、横浜〜23区内でまあまあ色々なところを連れ回されたり、遊びに勉学に勤しんだりしていたからだろうか、だいたいの場所に行くと、
ここで昔誰と何をしたとかどんな気持ちだったとか、無心で歩いてても勝手に脳みそが思い出す。
こうやって言うとなんかエモいじゃん!と言う感じだが、これがなかなか厄介なのだ。
ベビーカステラを食べたいのに親に怒られて買ってもらえなかった神社、知らない間に二人組に包囲され宗教勧誘された上それを友達見られた電車、厨二激イタ発言を繰り返したフードコート、自分の胃腸は焼肉をもうたらふく食べられないことを悟った店など、、、、
頭を抱えたくなる記憶から、その記憶を保管してる脳みそが勿体無いだろというどうでもいいものまで無尽蔵に出てきやがるのである。
もちろん良い思い出もたくさん出てくるが、どちらにせよ勝手に湧き上がってくる記憶と対峙して処理するのがほんと〜〜〜にめんどくさい!!!
無心になって散歩するのが好きなのに、歩いてるだけで邪念が湧き出てくる街、TOKYO。
マインドフルネスとは程遠い街、TOKYO。
私の難儀な脳みそを全部土地のせいにしてやるんだからな!!

 今大阪の居心地がいいのは良くも悪くも街の解像度が低いからだと思う。私は大阪を知らないし、大阪も私がどんな人間かあまり知らない。
だから、「両親が関西出身なので遺伝子だけは関西人で〜す!」なんてサムいことを言ってヘラヘラしてても平気なのだ。大恥かいたとていつかはこの地を離れ、大恥もいつの日か懐かしさに変わると信じている。
一方で、そんなヘラヘラしている私を、24年分の私を蓄積した東京はいつだってジッと冷静な目で見つめている。初めて東京を出て、この事実に気づいてしまった今、東京に戻ってくるのが超超超怖い。私を見透かす街TOKYO、、
大阪生活を精神的モラトリアムとして存分に生きて、東京に戻る時、私はまた腹に力を入れて気合い入れて生きていこうと思う。て言うか腹に力入れるくらいしかやれることがない。ピラティス、始めました。

「みんなと離れた土地にいる」のをすっかりアイデンティティにしてしまい、東京に戻るのが怖いと言う話はまたこんどいつかどこかで、、

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