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走馬燈

遠く彼方に鳴り響く メリーゴーランドの果ての夢 子供の頃に憧れた 儚き光は誰の夢 色とりどりに輝いた ひとつひとつの幻は 闇の中から現われて ぼんやり不思議と温かに 届きそうにも届かない 橙色の燈(ともしび)を 追うことすらも叶わずに そこに在るのを見るのです 掴み取りたいその光 思いが叶わぬこの世界 私に何ができるのか 全てが曖昧模糊として ただ見るだけのその光 そこに在るのが嬉しくて 嬉しく内に感じては 私が此処に在ると知る

    • 自然科学は「思考・感覚」領域に拡大可能か

      脳の活動を丸ごと記録できるデバイスができたと仮定する。人は何か思いついたことや感じたことを記録する時、それらを言語化・映像化して紙に書いたりするが、そんなことをせずともこのデバイスは、脳内の活動それ自体を頭に埋め込まれたチップに記録してくれるのだ。後でその記録を思い出したい時は、該当する日時を入力すれば、その時の思考・感覚を生み出した電気信号が、現在の自分の脳にあるニューラルネットワークを介して再生される。昔の自分がある特定の局面において考えたことや感じたことを、そっくりその

      • 言語化による縮約

        思考は、言語化されることではじめて、認識可能な対象となる。 自分の思考を他者に説明するときは勿論のこと、 自分の思考を自分自身で把握するときでさえ、 まずは脳内の思考を手持ちの言語に落としこむ作業から始まる。 しかし、思考を言語化をしようとするプロセスの途中で、 いつも霧のように消え失せてしまう何か、 無意識のうちに捨象されゆく何かがあることも確かである。 それは、元々そこに存在していたにも関わらず、 言語に意識のベクトルを向けた途端、自分の視界の外に消え、 後からもう一度振