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【子商塾】みんなのおうち夏祭りでオリジナルかき氷を販売してみよう!〜販売当日〜

うちの会社で展開している、喫茶・製菓シェアキッチン・シェアスペース複合施設「みんなのおうち」にて、子どもたちが商品企画から考える私塾「子商塾」を開催しています。子どもたちの夏休みの学びをレポートしてまいります! 

第1回の準備と子商塾の解説はこちら

第2回の準備はこちら



販売当日の様子

午前9時 〜仕入れ〜

当日はかき氷を販売するということで、電動かき氷機の搬入や重い氷の仕入れがあったため、主催者(僕)が朝から動く。
地元の氷屋さんとして超有名な山田氷屋(通称:ヤマコー)さんから氷を5貫目ほど調達。1貫がおよそ3.75kgあるので、大きめクーラーボックス2つ持参して受取。
そして、一緒に電動かき氷機をリースする。このかき氷機は、誰よりも年取ってるけど普通に動いてまだまだ現役ってのがまたすごい。


午前10時 〜集合・準備〜

子どもたちが集まってきたので朝礼開始。本日の流れを説明。
このあと準備をして、11時〜15時まで販売。その後利益計算をして16時に解散っと。

目標販売数は60杯!1杯400円で売ります!

では準備に入ります!まずは各自書いてきた販促物を披露!

店舗外に貼る販促ポスターとかき氷ブースに貼るPOPと2枚作成してきたよ
個性が出るPOPたち

すごいな、と思ったのは、子どもたちでも日頃から様々なデザインに触れていて、見ず知らずにそのポイントを吸収してるんだなと。

「買ってください」「食べてください」は、訴求として重要なんだけど、大人になるとストレートに言えなくなってるなと。なんというか、「僕達が考えて作ったこれ食べてみてください!」というパワーを感じる。これ重要。
あとは色使いとか、小物の配置もさすがだなと。

そんなPOPたちを店内に貼っていきます。

太陽なんで描いたの?と聞いたら、暑い中だからこそ美味しいイメージだそうな。さすが!みんなのなかでも特にパチパチをうまく表現できてたのはこのPOPだったよね。
値段の色づかいと、子どもは好きだけど、あなたはどうかな?という、試したくなる誘導フレーズが秀逸。食べてくださいのコールトゥアクションで締めてるのもセールスツールとしては正しすぎ。
素直な訴求。このパチパチを感じろ!という雰囲気を盛り上げる締め方もさすが。こういうの自然にできるのすごい。目立たせたいところに黄色を使う。”よかったら”買ってくださいのコピーに優しさを感じる。
これは事前配布チラシとしても使用したもの。ちゃんと日時の記載があって、来場者へのインフォメーションができている。そしてこの後このチラシが我々を助けることになるのだ・・・!
みんなのおうちのオリジナルキャラを書いてくれた入口に貼る用のチラシ。ほっこりするね。これ好き。
目立つところに貼ってみる!
オリジナルかき氷ブースへ誘導!

今回はこの販促POPたちをどこに貼るかも自分たちで考えてもらいました。


ちなみにキタハラケンタ氏(@kentakitahara_art)デザインのみんなのおうちオリジナルキャラクターたちは、普段はアクスタにして客席に配置してあります。

左から、
喫茶ヌックの「ヌック」
菓子工房イッポの「イッポ」
スペースカッコの「カッコ」




さて、そしたら当日のポーション確認。仕入れた氷、シロップ、パチパチの分量でちゃんと60杯つくれるように、念の為1杯分の量を確認します。
かき氷シロップって、めちゃんこ甘いから、サービスしてあげて量が多くなっても、逆に美味しくなくなるwww

氷はこのくらいで、シロップはこのレードルで2杯、パチパチは1袋の半分ね!


午前11時 〜販売開始〜

準備完了。
いよいよ販売開始です!!

60杯売るぞー!おー!
注文をもらって
かき氷にシロップをかけてパチパチをのせる。シロップかけも、パチパチかけも、意外とコツがいる。正の字で販売数をつけていくよ!
シロップのかけ方が少しむずかしい。でも、パチパチしてて美味しいんですよ。


っと、はじめたものの、まったりとした滑り出し。
11時代の1時間で売れたのは8杯のみ。

12時〜15時の3時間であと52杯売るのか・・・と若干の絶望感が漂いはじめる。。

実は、この「みんなのおうち」という店舗は、昭和の1軒家をリノベしているため、何部屋かに分かれています。メイン部分が「喫茶ヌック」として喫茶店として使用。隣の部屋を「シェアスペースカッコ」として使用しており、今回のかき氷の出店は「シェアスペースカッコ」のほうで実施していました。

つまり、、、喫茶スペースにいるお客さんを、隣の部屋まで誘導して、かき氷を買ってもらうという動きが必要なんですね〜。

手前が喫茶店のヌックで、奥の部屋がかき氷を販売している部屋。物理的に別の部屋なんです。


この現実に直面し、販促POPでどう誘導するか考えながら、また、手が空いている子どもには、かき氷やってますよ!を呼びかけてもらって、なんとか来店者を増やすよう最適解を探りつつ販売を続けます。


正午から午後3時まで 〜怒涛の販売ラッシュ?!〜

イベントの出足って、やっぱピークタイムがあるのよね。
当日は「喫茶ヌック」のほうでもお祭り限定メニューを提供したこともあり、お昼時からお客さんが増え始めてきました。

すぐ外ではスーパーボールすくいをやっていたりと、来場してくれたお客さんをかき氷ブースへ声掛けして誘導します。

お客さん増えてきた!

また、ここで事前に子どもたち自身で配布していたチラシが効果を生み出すことになります。夏休み中にもかかわらず、みんなのお友達が続々と来場。

この配布チラシ(右側)のおかげで〜
ともだちパワーさくれつ!

あっという間に14時をまわり、
50杯の販売実績=目標まで残り10杯というところまできました!

14時からは若干客足のピークは過ぎたけど来店された方々へしっかりと販売。

この時間帯になると、子どもたちは「来店したお客さん=見込み客」に完全に見えていたと思う。営業したら買ってくれるかもしれない感じ。
「お客さんきた!買ってくれるかな!うまく伝えてぜひ買ってもらおう!」みたいなこの感覚、実際に商売しないと感じることは無いよねー笑

そのまま営業を続けて15時直前の段階で販売実績58杯!

最後は僕と電動かき氷機の操作担当だったHくんの2名がちょうどかき氷を食べたい気分(笑)だったので、2杯買って無事に目標60杯を達成!

みんなよくやったよ〜!!!


午後3時〜

精算に入ります!

ここでは、
お金の勉強のときにやった、

売上−原価=粗利
を再度確認して計算をしていきます。


まず現金を全部数える。
現金合計からお釣り銭を除いて、かかった費用を引いていきます。
もちろん試作代・かき氷機のレンタル代も差し引き。

結果は・・・。

全体で11,537円の利益でした!
パチパチパチパチ〜。

当初目標の21,000円の粗利には届かせるには、いくらで販売したらよかったかを考えてもらおうとしたけど、もうみんな限界だったので、ここらへんは各自に今後の課題で考えてもらいましょう。

1杯あたりあと160円高く販売できてれば達成できたんだけどね〜。(でもそうすると販売数も減るだろうからプライシングの難しさが実感できるはず)


人生初!?の給料袋をゲット!

儲けはその場で現金支給!
ってことでその場で3人に分けて、人生初!?の給料袋をゲット!
みんなが大人になったころ、こういう袋でお給料もらうことは絶対に無いと思うので貴重な体験だぞw


こうして、全3回に及ぶ子商塾in栃木の初開催は幕を閉じました。
趣旨に賛同して関わっていただいた周囲の皆さんには心より御礼を申し上げます。

今後の展望

参加してくれた子どもたちのアンケートでは、一様に「楽しかった!」「またやりたい!」(そりゃ稼げるからそうなるか?!)という感想が寄せられました。今後もイベントと絡めて子商塾は実施していきたいと思います。

また、慣れてきたところで、パッケージを地域の学校やPTAに持ち込んで規模を大きくした子商塾をやっていけたらいいな〜と妄想が広がります。ぜひ、ご興味ある方はお声掛けください!


気づきと振り返り

では、最後に今回の子商塾の気づきと振り返りをまとめます。

  • 氷がどんどん溶けて歩留まり発生するので、氷の量は余裕でOK。あとは、どのくらいの重さの調理子どもがやるのかもよく考えておくべき。
    もしかき氷を商材にするなら、この歩留まりはちゃんと織り込んでおかないといけないですね。今回は一応室内で実施したけど、これが屋外だったら、短時間でどんどん氷が溶けてしまって、目標数売るだけの氷が用意できなかった気がします。あとは、かき氷機は安全のために大人が操作するというルールがあったので、子どもたちの調理過程がちょっと簡単過ぎたかな?とも思いました。

  • 子どもたちに仕入れを体験させられなかった。
    ここはあまり欲張らないで、大人がやってあげようとして、子どもたちはノータッチでした。でも、僕が仕入れをやってみると、想定していたイチゴシロップが買えないとか(多分各種夏のイベントで使うから。レモンやメロンは残ってても、業務スーパーにイチゴが残ってなくて焦った・・。)パチパチを何店舗も回って集めたけど集めきれず、送料がかかって割高なネットで注文したとか、販売チャネルによって一物一価では無いなどを教えることができる機会だったな〜と。

  • やはり仕入れ代金は親が投資すべきかも。
    子商塾の建付けとして、仕入れのお金は親が投資する、というのがあるんですが、今回は主催者が子どもたちに投資する、というかたちをとりました。きっと、親が投資していたら、売れなかったら親に迷惑がかかる、って思ってもっともっと真剣に事前販促をしたのかなというのは振り返ると思うところ。これだけ仕入れちゃったけど売れなかったらどうしよう、を乗り越えるのも、良い経験ってことで。(たいていこういう経験をした大人は、なるべく在庫を持たない商売を志向するでしょう・・!)

  • やはり大切なのは営業力だった。でもちゃんと振り返れなかったかも。
    今回、事前に配布していたチラシが効果を発揮して、おともだちパワーが炸裂しました。仮にこれがなかったとしたら、60杯という目標達成は危うかったかもしれません。つまり、営業・アピールが大切だ、ってことも気づいてもらう機会になれた、、はずが、目標達成してよかったよかったでクライマックスを迎えてしまって、当日のうちに冷静に振り返りができなかった感。いかに振り返るかを、もっとあらかじめ考えておく必要がありました。このあたりも含めて、子商塾の狙いをまとめたシートを親御さんにお配りして、各自で自宅で振り返りをしてもらうという仕組みもいいかもしれません。

  • 事前にプレスリリースを打てなかった。
    デザインの勉強のところで、いい商品があってもちゃんとアピールできないと、売れないよ〜と大人が言っていたにも関わらず、様々なことが立て込んでプレスリリースを打つことを後回しにて結局やらなかった=メディア取材なし。当然だけど、少しの時間を惜しまずにPR打てばよかった・・・すまん、子どもたち。

  • 給料をどう渡すかはクライマックスのイメージをどう持ち帰ってもらうかで、結構大切だと感じた。
    お金の一番うれしい渡し方は何だろ?と模索して、現金で給料袋で手渡しにしました。
    今回は、お盆期間のこんな気づきから。
    親戚一同の集まりがあったときに、最近はお盆玉ってやるじゃないですか。そこで小学3年生の男子が、「僕はね〜これだけお札もってるんだよ〜」と自分のおサイフからお金を見せて自慢してきたわけですよ。
    そうか、このお札の枚数ってのが、すごく大切なのかもしれん!と思って、こんなかたちにしてみました。これは成功ですね!

  • リアルに近づけるために、本当は山分けしたお金から天引きするお金を差し引きたい(笑
    ほんとは山分けした金額から親に25%くらいを無条件で渡したい。これをやることとあわせて税金・社会保険・年金の勉強も入れれば、社会保証の仕組みに興味を持ってもらえるかも!なんでこんなに引かれてしまうのか!という怒りが大切なんではないかと。これはもし中学生くらいであればやれそうかな〜。

  • 子どもたちへのレクチャーに慣れてないと進行がけっこう難しいかも?!
    そんなに難しいことをやっていないはずなのに、子どもたちへ伝えるのと、それが伝わるのとでは別の話。
    普段から子ども向けに教えるとか、何かをやっている人でないと、場の仕切りが難しいのではと思った。僕がいつも大人向けセミナーでやっているように意見を求めてもなかなか即答できなかったりして、投げかけ方がうまくなかったしたのは大きな反省点。個人的に、子ども相手の進行方向も学んでいきまーす!



というわけで、やってまいりました子商塾in栃木。
無事に完了ということでこちらのnoteを報告に代えます。

ここまでサポートいただきました全ての皆さまに心より感謝申し上げます。

またやるよ〜!!


祭りのあと

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