ガーナ留学🇬🇭病気の種類-小児病院編①

こんばんは!ガーナで1ヶ月間臨床実習&公衆衛生実習をしてきたmaiです。
今回はガーナのある小児病院での臨床実習で学んだことや日本との違いを書いていきたいと思います。小児病院での2週間のスケジュールはこんな感じでした。

栄養失調病棟やHIV、鎌状赤血球症に特化した専門外来もありましたが、これはアフリカならではなのでしょうか?日本の小児科専門の病院で実習したことがないのでわかりません。

病気の違い

病棟も外来もERも部門に関係なく一番見かけたのはマラリアです。小児が高熱で来たらまずマラリアを疑います。その次に喘息や肺炎などの気道系。そしてG6PD欠損症や鎌状赤血球症の患者さんも1日4時間の実習でも毎日診れるくらいには多かったです。Malnutrition wardではクワシオルコルやマラスムスの患者さんを沢山診ることができました。

気道系以外は日本で見かけることは少ないのではないのでしょうか。私自身これらの疾患についてこれまで勉強する機会がほとんどなかったので、実際の患者さんを前に病気の症状や経過や治療法を学ぶことが出来て大変勉強になりました。

ガーナで流行しているマラリアのほとんどは熱帯熱マラリアです。医学生の方なら熱帯熱マラリアと聞くとマラリアの中でもかかると超危険、死ぬ病気という印象があるのではないでしょうか。私も渡航前はそう思っていましたし強ち間違えではないのですが、実際は私の想像を遥かに超えて多くの人がかかる病気でした。大人であれば1回はかかってるのは当たり前。複数回かかる人も沢山いて、大人になると免疫がつくので段々かからなくなるとか。勝手にコロナ2019と似てるなあなんて思ったりしました。亡くなる人もいるけど多くは回復するし、発症しても「ああ、かかっちゃったか〜」ってくらい。これは私にとって結構驚きの事実でした。でも私たちnon-アフリカ人は免疫がないので成人していても余裕でかかるしばっちり重症化します。防虫スプレーとマラリア予防薬は毎日欠かせません。

G6PD欠損症は日本人の有病率は0.1%なのに対してガーナ人は都市部では14%、北部では25%というデータがあります。それだけ多いと毎日病院で見かけたのも頷けます。
通常は無症状なのですが、特定の薬物や食べ物を摂取すると急激に溶血し、黄疸や急性腎障害を生じるため患者教育が必要不可欠となっています。退院時に保護者に医師から生活上の注意をするようになっているのですが、な〜〜んとパンフレットもなく、全部口頭で指導で親も理解してるんだかしてないんだかという反応。絶対覚えていられないだろうと思ったため、留学生で協力してこのような教育資料を作ってみました。

作っていて私も大変勉強になりましたし、医師にも保護者にも好評でした。

malnutrition wardで対応するクワシオルコルやマラスムスは栄養失調による病態ですが、お金がなくてご飯が食べられない人が沢山いるのかなと勝手に想像していましたが、意外とほとんどがダウン症や脳性麻痺、精神発達遅滞による摂食不良が原因でした。これはガーナよりも貧しい国だとまた違うのだと思います。患者さんは栄養失調を主訴に来院すると言うよりは、栄養失調により免疫力が低下し、胃腸炎や肺炎で受診し、栄養失調も発見されて転科してくる子供達がほとんどでした。

他にもERでは水頭症の子や頭皮のほとんどを覆うほどの巨大な腫瘍を抱えた子供もいました。ガーナのCTやMRIの医療費は病院の種類や加入している保険によって大きく異なり、お金が払えない人は水頭症でも脳腫瘍でも対症療法を取るしかありません。私がERで見た子供達も、明らかに水頭症、明らかに脳腫瘍なのにCTさえ撮らず、対症療法を取るのみでした。ガーナは国民皆保険を導入しているものの加入率は70%を切っており、このような悲しい症例も勃発しているわけです。

まだまだ書きたいことがありますが長くなりましたので、一旦ここで区切ります。次は小児病院での手術見学について書きたいと思います!

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