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『ワクワク!!デジタル作品コンテスト2021』 児童生徒の作品と審査結果(12/16-2/24)

はじめに

Facebookの特別支援教育に携わる教師限定グループにて「夏休みチャレンジ企画 ワクワク!!デジタル作品コンテスト2021―ICTでこの子らを世の光に!」を実施しました。
作品に求めるポイントは、作る子どもたちもそして見せてもらえる大人たちも「ワクワクするか」です。

児童生徒用の作品募集案内

告知が夏休み直前となり、また募集期間も短かったにもかかわらず、動画、静止画、プログラミングの3つの部門に計34作品の応募がありました。

上記Facebookグループに参加する全国の先生方に、限定公開のWebページ上ですべての応募作品を閲覧可能にし、先生方には以下の5つの基準ごとに、5点満点で評価をしていただきました。

・おもしろさ
・美しさ・かわいさ
・インパクト
・オリジナリティ
・ストーリー性

応募作品

A.プログラミング部門 全6作品

01.おやつを食べよ、食べよ
02.すうじ占い
03.もう少し夏を楽しもう
04.ロケット
05.カタツムリとちょうちょ
06.僕の家


B.動画部門 全7作品

01.Monster Hunter
02.人にドリブルをつかれたいバスケットボール
03.ふでばこかわいい
04.ポケモンバトル
05.ゴミばこがうごいたら
06.新しく変えないで!
07.マックフライポテト


C.静止画部門 全21作品

01.宇宙
02.真っ赤なイチゴ
03.それでも私は咲き続ける
04.お昼寝
05.わたしのゆめ
06.こちょうらん
07.きらきらローズ
08.ギャルのあるある
09.カレンダー君
10.たまっちゃった水
11.カラフルツリー
12.うんとこしょどっこいしょ
13.おおきなかぶ
14.かれきにはなをさかせましょう!
15.おいしいな♪
16.思い出のメロディー
17.マスクは、はなまで!
18.撮影日はいつも雨
19.下を向いたからこそ見えたもの
20.快速くん
21.最後の晩餐~最後のオレンジ~

審査結果

最優秀賞・優秀賞は、5項⽬・5点評価による全国の先⽣からの評価の平均得点の⾼順。
特別賞は、実⾏委員会による「ワクワクしたか」による選定。


表彰式

3部門、3賞の対象となった5つの学校において、対面形式もしくはオンライン形式による表彰式を行いました。オンラインではOriHimeも委員長の助手として隣席しました。

表彰式の様子
左:対面での表彰式 最優秀賞の副賞はなんとドローン!
右:オンラインでの表彰式 委員長の代理として助手のOriHimeが参加しています
※写真の掲載については、保護者・学校さんにより許可をいただいています

賞状が、委員長の水内もしくは各校の校長先生から授与されました。また、各賞には協賛各社から提供いただいた副賞も贈呈されました。

また、表彰式はありませんが、すべての応募者に、実行委員会より「努力賞」の賞状をお送りします(※各校宛に12/16発送しました)。審査にあたって下さった全国の先生方からの児童生徒に向けたコメントも併せてお送りします。


受賞作品が『実践みんなの特別支援教育』誌上に掲載されます

「学研教育みらい」さんの月刊誌『実践みんなの特別支援教育』、2022年1月号〜3月号の3回、各部門の3つの賞を受賞した作品が掲載されます。

実行委員からのコメント

今回のコンテストを通して、本当にワクワクする作品に出会うことができました。自分の表現したい作品に応じてアプリや機器を使いこなし、静止画・動画・プログラミングそれぞれの表現特性をうまく活かした作品ばかりでした。ICTだからこそできる表現にもたくさん出会うことができました。何より、それぞれの作品や作者やそれらの背景にある「物語」を感じることができる作品ばかりでした。みなさんの素敵な物語にそっと触れることができたことが本当に嬉しかったです。参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。参加いただいた皆様のおかげでICTによって子ども達のクリエイティビティが社会で花開くワクワクする未来がもうそこまで来ているのだと感じることのできるコンテストとなりました。このコンテストが子ども達の社会参加のきっかけや子ども達の作品創作を加速させるきっかけ、ICTでの創作活動が拡がるきっかけになることを強く願っています。
(樋井一宏)


本コンテストの制作を通して、子どもたちは日常生活とは違う姿を見せてくれたのではないかと思います。絵を描いたり写真を加工したりすることで自分の気持ちを表現したり、プログラミングで制作したものを通して普段は話さない人と関わったり、動画作成を通して自分とは異なる物の視点から考えたり…ICTを活用したからこそ可能になった部分もあると思いました。そして、それらの制作は、子どもたち自身はもちろん、教員や保護者も「ワクワク!!」させてくれました。子どもたちには、これからICTだからこそできる可能性をどんどん広げていってもらいたいです。このコンテストのテーマの通り「ICTでこの子らを世の光に!」と私も強く思っています。そして、このような素敵な作品にまた出合えることを心から楽しみにしています。参加してくれたみなさん、ありがとうございました。
(和久田高之)


本コンテストでは、子どもたちの個性を感じさせてくれる多くの作品に出会うことができました。ある子どもは、将来こんなことができたらいいなといった思いや願いを込めていました。ある子どもは、対象のものになりきり、こう思っているに違いないと気持ちを代弁していました。そして、ある子どもは、頭の中で思い描いている世界観を映像や音で表現していました。それらはどれも私たちの心をワクワクさせてくれる素晴らしいものでした。従来の表現活動は、文字や絵、音楽や身体表現などが多く、そういったことを苦手としている子どもたちの姿もよく見られました。しかし、ICTを活用することで、動画やデジタル加工した静止画、プログラミングなどに自信をもって取り組む子どもの姿が見られ、本当に嬉しく思います。子どもたちがICTでこの世の中を照らしてくれるよう、私もICT活用を推進していこうと思います。ありがとうございました。
(山崎智仁)


おわりに

 定型発達の子どもたちには選べるほどに部活動があり、さらには運動部だとインターハイや、文化系―今回のようなICT関連―であればロボコンなど、社会に開かれた活躍の場があるのに比べると、障害のある子どもには、ICF(国際生活機能分類)でいうところの「参加」の機会がさほど多くはないのが実情ではないでしょうか。
 ICTは、障害のある子どもの心身機能の拡大・代替や発達・学習の支援において有効なだけでなく、本人の自己実現をかなえるツールです。
 本コンテストは彼らがICTを用いて、自己表現を通じて社会的に評価される場を創出したいとの思いから、「ICTでこの子らを世の光に!」をテーマに開催しました。GIGAスクール構想による1人一台端末の実現は、子どもたちの学びはもちろんのこと、想像と創造を促進し、自己表現するツールとして存分に機能している様子が、すばらしい作品たちにうかがえました。
 特徴的なのは、どの部門の作品も、概ねデジタル端末に標準搭載のアプリや機能、無料のソフトを使用している点です。学校において、ICTを普段使いされている、ステキな先生たちの姿も作品を通して想像することができました。
 応募くださった児童生徒ならびに学校の先生方にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

 今回の実施に際し、多くの企業様より、協賛・協力をいただきました。ここに記して感謝申し上げます。


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主  催:富山大学水内研究室 水内豊和
企  画:Facebook限定公開グループ「新時代を生きる力を育む! 知的障害・発達障害のある子どものICT活用を語ろう・実践しよう!!」モデレーターチーム
実行委員:樋井一宏・和久田高之・山崎智仁・伊藤美和

協賛・協力:明治図書、学研教育みらい、ジアース教育新社、教育公論社、ケニス株式会社 (順不同・敬称略)



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