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15代目兼業農家長男、相続について大いに悩む -Part.6-

ろくすけまめ栽培計画の策定

やる気に満ち溢れた大学生有志たちとの出会いもあり、なんとか畑の有効活用については一定の目処が見えたところ。

うちはいつも種豆をそのまま畑に撒くスタイルなのだが、苗から育てるスタイルでやってみたいとのことで、種豆を大学に持っていってもらい、私も育苗に立ち会ってきた。

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30人弱のメンバーがいるそうで、この日も15人ほどのメンバーが集まっていた。頼もしすぎることこの上ない。

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これが育苗用の土らしい。もうこうなると農業のことはさっぱり分からない私にはお手上げ。

これに、指で穴を開けてそこに種豆を入れていくとのこと。

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リーダーは、食や農業について勉強するために茨城県からわざわざこの胎内市までやってきたらしい。

東京で遊びたい一心で都内の大学に進学した私とは意気込みが違う…。

あとは、我が家に眠ったままの耕運機が動くかどうか、という問題もあったのだが…。

チョークを引き、何度かスロットルと格闘し…かかったー!!

そんなわけで、私もすっかり安心し、畑はもう全面的に大学生たちに任せてしまおうと思ったのだが、その前に一つだけやっておきたいことがあった。

それは…いっしょにメシを食う、ということだ。

メシをいっしょに食っていない人といい仕事はできない

こんな時代に不謹慎なのかもしれないが、私は旧時代の人間なので、新しい仕事をする時は、一度はいっしょにメシを食っておきたいと思っている。

仕事は、何をするかではなく、"誰と"するかが非常に重要である。
その人が大事にしている価値観や哲学、動機などを共有しておく、これにはいっしょにメシを食うのが一番だ。

というわけで、胎内市名物、志まつのジンギスカンを食べに行くことにした。

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胎内市に来ることがあったら、ぜひ一度は食べてみてほしい。
背の曲がったおばあちゃんの接客と、独特の甘いタレで漬け込んだジンギスカン、そして溶き卵につけて食べるスタイルまで、唯一無二のお店である。

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学生たちは遠慮したのか飲めないのかは分からないのだが、私はビールを飲みながら、サークルの結成に至る経緯やその後の活動、将来やってみたいことまで、色々な話が聞けた。

特に心に残っているのは、彼らが校内の荒地を一から開墾し、畑を作ったのだが、それが使えなくなりそうという話だ。

何でも、同じグループ系列のホテルにその畑で取れた食材を提供するという話が、生徒たちに特に相談もなく決まったそうで、それに対して不信感を抱いているとのことだった。

自分も気をつけなければいけないと思ったが、学生は自分の都合のいいように動いてくれるスタッフではない
あくまで彼らがやりたいと思うことを優先させること、信頼して任せることが何よりも重要だなと改めて思った。

ろくすけシェアファーム、始動

というわけで、畑は全面的に大学生に任せてみよう、ということを決め、早速鍬入れから作業スタート。

私は日中仕事で外していたのだが、帰ったら既に10人程度の学生たちが作業していた。

しかも、地域の人にもバッチリ溶け込んでいるではないか。

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このあたりは学生ならではというか、若いって本当に素晴らしい。
近所の方にも、「よかったねぇ、お父さんも喜んでるわー」と言われた。

まあ親父が喜んでいるかはよく分からないが、畑が残ることについてはウェルカムであろう。

耕運機を駆使して畑を掘り返しつつ、側溝の土を鍬で掻き出す。

私は?もちろん見ているだけ。

この畑を、うちの屋号であり豆の名前でもある六助から取って、「ろくすけシェアファーム」と名づけることにした。

大学生を主体とし、ゆくゆくは畑作業を通じた交流の場になるような畑にできたら、けっこうおもしろいんじゃないかと思っている。

もし遊びに来たい方がいれば、直接私にメッセンジャーで連絡いただければと思う。
5月3日、4日で植え付け作業を実施予定だ。


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