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15代目兼業農家長男、相続について大いに悩む -Part.1-

突如降りかかってきた「相続」というキラーワード

38歳、独身子無し、フリーランサーという真正の自由人である私に突如降りかかってきたキラーワードだ。

まだ通夜と葬儀を終えたばかりで、今後の方針は何もまとまってはいないのだが、これから相続を迎える人に何か役に立つことがあればと思い、これまでの経緯と今後の手続き、周囲の反応や自身の意思決定などについて簡単にまとめてみたいと思う。

私と実家との関連

私の実家は新潟県の北部、胎内市という人口3万人弱の小さな町だ。
私は18歳までをこの実家で過ごし、その後は東京→新潟市→東京→千葉と住まいを転々とした挙句、昨年末に越後湯沢のリゾートマンションを50万円という破格の値段で購入、一人で自由気ままに暮らしている。

実家は父と母の2人暮らしだったが、母が12年前にくも膜下出血で倒れ要介護となり、それ以来は父が自宅で母の介護をすることになる。

そんな母も3年前に亡くなり、それからは父が一人で住んでいた。

仕事がなければお盆や正月くらいは実家に帰っていたのだが、昨年は全国的な新型コロナウイルスの蔓延により、父自ら帰宅禁止令を出したことで、一年間実家にも帰れず、父と会う機会もなくなってしまった。

突然の訃報

そんな折、事件は起こった。

1月19日、私が所用で佐渡島に滞在し、回転寿司で一人早めの夕食を食べてていた時のことだ。

見知らぬ番号からの着信、電話に出てみると近所に住む父の友人で、「お前の親父が亡くなってるぞ」という衝撃のメッセージ。

特に持病を抱えていたわけでもなく、1月8日にはメールもきていたので、唐突の出来事だった。

慌てて店を出てフェリー乗り場に向かおうとするも、吹雪でバス乗り場がよく分からない。

すると、Facebookの投稿を見た佐渡の友人がたまたま近くにいるとのことで、親切にもフェリー乗り場まで送ってくれた。

しかし、天候悪化のせいか乗客がいないせいか分からないが、アテにしていた19:30のフェリーは欠航、22:50の最終のフェリーに乗ることになった。

新潟港に着くと1:20、もちろん公共交通機関は動いていない。

が、ここでも知人が新潟港から実家まで車で送ってくれることに。
持つべきものは友達である。

そんなわけで実家に着いたのは深夜2時過ぎ。
突然帰らぬ人となった父との対面を果たした。

そして、実家に帰る途中、何度も頭をよぎったのが、「相続」の二文字だ。

高橋家について

まずはロケーションから。

下記のGoogleMapで赤い枠で囲ったのが私の実家のある小舟戸(こふなと)集落だ。

JR羽越線と日本海東北道に挟まれた17軒ほどの小さな集落で、最寄りの中条駅からは3km弱、車で5分程度だ。

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見て分かるように周囲は田んぼに囲まれており、だいたいが兼業農家、私の実家も例に漏れず兼業農家だ。

さらに付近を拡大したのが↓のマップ。

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私の実家は築30年程度で、
・母屋6DK
・離れ2部屋(トイレ、洗面所あり)
・ガレージ
に加え、前後左右の庭と竹やぶ、さらには敷地内にお稲荷様の鳥居と社、弁天様もあるという、18年住んでいた私ですらよく分からないような複雑な家だ。

外観はこんな感じだ。

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そして、写真右手の方にあるお稲荷様の鳥居というのがこちら。

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これがあるせいで我が家では犬が飼えず、幼い頃は悔しい思いをしたことを覚えている。

高橋家の歴史

なぜお稲荷様が敷地内にあるかというのは私にもよく分からないのだが、おそらく高橋家の歴史にヒントがあると思う。

高橋家は私で15代目、過去帳によれば安永4年(1775年)から続く家だそうだ。
ちなみにその前年、安永3年は杉田玄白が「解体新書」を発行している年だ。

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集落で一番古いのはまた別に総本家なるものがあるので、私の家はその分家に当たるのだが、総本家のお屋敷は今や取り壊され空き地になってしまっており、集落内に現存する家ということでは我が家が一番古いようだ。

また、昔は神主をやっていた時代もあるそうで、実家の倉庫には神事などに使う太鼓なども残っている。

じゃあ、誰が住むのか?住まないのか?

これが最重要かついまだに決着がついてない問題だ。

相続権があるのは私と妹の2人だが、私は前述のとおり湯沢にマンションを購入済、妹は愛知県の会社に勤務しており、愛知県に住んでいる。

2人とも独身かつ独り暮らし、どう考えても今の実家はオーバースペック。住んだところで仕事のあてもない。

たまに帰る場所にするとしても、空き家の管理や固定資産税などのランニングコストの負担が重くのしかかってくる。

取り壊すにしても金がかかる。さらには農地の問題もある。

農地の話は次回以降に回すとして、非常に悩ましい問題が急に降ってきた、というのはなんとなく伝わっただろうか。

幸いにして私はフリーランスということもあり、働く場所はある程度調整できるので、昨日から実家に帰ってきており、明日は司法書士のところへ相談にいく。

次回以降、もう少し掘り下げた話や、急に親が死去した際の手続きや通夜、葬儀などで感じた問題点などについて書いてみたいと思う。

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
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さて、納骨行ってこよ。

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