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【鮮やかな日々#059】そろそろ音楽を聴きに

ここのところ、音楽会から縁遠くなっている。

月に一度はプロのコンサートに出掛けることにしているが、今月は未だどこにも行っていない。
できればクラシック音楽が良いと思いながら、もう7月も終盤になった。

東京では多種多様な催しがあり、しかも、それぞれ意外と人が集まる。
人気の催しでも、悪天候なら人出が少ないだろうと思って出かけると、同じ思いを持った人で結局は混雑していたりする。

関東圏を含めると、その人口や街の規模に大きな差があるとはいえ、それを差し引いても、大阪とは随分と違う。
大阪は、定番のものや必ず人が呼べる催しが多く、選択肢があまりなかったので、足を運ぶ機会も少なくなりがちだった。

「選択と集中」が企業の戦略の基本のように言われて久しいが、こと、文化芸術については、多種多様であればあるほど、人は自分の関心や感性に合った場に出かけようとするだろうから、むしろ、より多く人が集まるように思う。

文化芸術は費用対効果を超えたところに根をはっていくのだし、その根の先端にある関心や感性が微細に分かれていくほど、様々な美しさを持つ花が咲いたり、芳醇な果実が実るのは間違いない。

彼の地は、かつての大大阪時代に、文化の豊穣を味わっていたと聞いたが、個人的にはその面影は心斎橋の大丸百貨店に残っていたように思う。皮肉なことに、その心斎橋もここ4、5年で外国人観光客向けの費用対効果抜群のショッピングストリートになった。

面白いことに、似たような現象が東京の文化芸術の杜、上野の街にもあり、そこは雑多なアジアの集合体だった。
少し違うのが、上野の街が異国情緒を求めて街に来る人向けではなく、当たり前のように自国の味と空気に戻りに来る人々でごった返していたことだ。

いつものように家族揃って屋台で夕食を済ませているように見えたが、これも費用対効果が良いということか。

〔今日の生命〕

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