見出し画像

#93故郷はどこ?

一番私が困る質問が、これ↑である。
実際に、無いから。

先週末訪れた大分市は、あくまでも、生まれた病院の所在地で、祖父母もたまたまその地に仮の住まいを構えていただけだから、母の故郷でもない。

じゃあ戸籍にある場所が故郷かと言われると、これも違う。戸籍住所は母が結婚するまで住んでいた祖父母の家のものだが、これも人の手に渡っており、母の結婚後の実家ではない。

父方はというと、戦中に当時は日本だった台湾の膨湖島で生まれて、戦後一家で引き揚げたが、祖父母がともに養子のため、こちらも故郷がはっきりしない。

しかも、父の仕事の関係で、子供の頃から引っ越しの連続だった。
私が社会人になったタイミングで、父が二度勤めから退職し関西に家を買ったので、ようやく私にも「実家」ができた。可笑しなことだが、6年ぐらい前までそれ以降ほぼずっと同じ家に住んだ。私の人生史上、最長になるはず(たぶん)。

故郷が特に無いことは、その質問をされた時に困る(というか煩わしい)だけで、「遠きにありて思ふもの」というような感傷もない…意識したこともない。

今は実家から離れているので、まあ「実家がある」と言えるし、「帰省」という言葉も使えるが、今一つ本来の意味ではないように感じている。

ただ、この「故郷無し」は宿命(天命)で、ひいては定住しにくいのも然り。性分にもあっているので、ありがたいことだと思っている。

大分の有名人、吉四六さん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?