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a quiet talk-2020/8/15

年々夏の厳しさ、キツさが異常度を増している。
日中は災害級の暑さといわれるし、夜になっても熱中症に注意など、季節の風情もあったものではない。
清少納言の時代まで遡らずとも、10年ほど前まで、夏の夜は日中の暑さからようやく解放され、ほっと一息をつきながら、遠くから聞こえる涼やかな虫の音を楽しむ時間があったように思う。都会の人も、夜風とともに仲間と街へ繰り出し、冷たい飲み物でのどを潤すことを、夏の楽しみの一つにしていたことだろう。

加えて、昨今の諸々の事情により、これまでの夏の楽しい風習や行事を行うことが難しくなってしまった。
四季とは、大気や気温、風景の変化だけでなく、心を豊かにする風習や行事が四つの季節を季節足らしめているといえる。

夏になったら、海へ出かけて海水浴を楽しみ、かき氷を食べる。登山も夏が本番である。険しく威厳を備えた山々も、この時期だけは、我々に胸襟を開いて親しみある姿を見せる。お盆には帰省して、無沙汰をしているご先祖様や親、親戚に会う。そして、秋には...

だが、今年は、というか、これからは、まずは皆の命を守ることを第一に、「新しい生活様式」に沿って日々を過ごすことになる。季節や風習や行事よりも、命である。

今日8月15日は、現代人が、今のこの世の中を創り支えてくださった先人の命や魂に思いをはせ、祈り、これからの自身の生き方を考える日でもある。

ここ数日、激しい雷雨に見舞われたり、流星が空を舞っているが、あれは、先人たちからの厳しい喝と、心優しい贈り物なのだろう。
本当に有難いことである。

千の風になって






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