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初めまして、賢者様 ♔ まほステ1章のススメ

舞台『魔法使いの約束』第1章が2021年5月14日〜5月30日まで、天王洲銀河劇場にて絶賛公演中である。

ずっとずっとこの時を待っていた。まだ公演が決まる前から頭の中で妄想していた世界が現実になる…。絶対好きになるってわかっていたけれど、初日、2日目…と観劇して、やっぱり私はこの舞台が心の底から好きになった。

これから「気になるけどあと一歩を踏み出せない…」そんな人向けになるべくネタバレせずに世界観と見どころを書き残したい。

『魔法使いの約束』とは

株式会社colyよりリリースされている、魔法使いと心を繋ぐ育成ゲーム。(通称:まほやく)

『風が強くて、猫が騒ぐ、満月の夜には不思議なことが起こる』

ある日、いつも通り自宅マンションのエレベーターに乗ったはずの主人公(プレイヤー)は人間と魔法使いが共存する世界に辿り着く。この世界では空に大きな月が浮かび、人々はそれを<大いなる厄災>と呼んで畏怖していた。主人公は『賢者』として、選ばれし21人の魔法使いたちと心を通わせながら、大いなる厄災による災いに立ち向かっていく。

『この世界の真実を、あなたに見つけてほしい』 ームル・ハート

ちなみに賢者の性別は選択する事ができ、共通で大の猫好きという設定がある。物語の中でも魔法使いを猫に喩えていたり、ゲームの中で育成する「覚醒キャラ」に”猫ローブの魔法使い”なんていたりする。

また、メインストーリーの他に、キャラクターストーリーとして育成ストーリー、カードストーリー(SR以上のカードには育成で発生するカードEPあり)、親愛ストーリー、4コマ漫画と、月に2回のイベントを開催しているため、始めたばかりの頃は供給過多(歓喜)になること間違いなしのゲームである。


舞台の構成

ゲーム本編のストーリーは21章(賢者Lv.75で全開放)で構成されており、舞台は3章で構成されることが発表されている。第1章ではゲーム内シナリオでいう7章の1話辺りまで進むのだが、今回舞台に登場する魔法使いは合わせて10人となり、5章で描かれている一部の魔法使いの様子は登場しない。

そして普通、物語は起承転結で表現されるものだが、今回第1章は起!起!起!承…である印象を受けた。そもそも21章の原作を3つに分けたうちの第1章のため、そうなってしまうのもやむなしなのだが、初見だと「あれ?何も解決してないじゃん!」となってしまうのでそこだけは抑えておきたい。

そう、根本的な問題は何一つ解決していないのだ。

「魔法使いの約束」のメイン問題は<大いなる厄災>であるのだが、他にも人間と魔法使いに存在する深い溝に焦点が当てられている。人間側は「魔法使いは強い力を持っているのに、制御できないから怖い」といい、魔法使いたちの言葉に耳を貸そうとしない。魔法でできることは確かに多く、魔法使いは人間より長命ではあるが、不死身ではないし、死者を蘇らせたり、時間を止めることや無から有を生み出すことはできない。傷ついたら痛いし、何かを愛する心を持っている。果たして賢者は、魔法が使えるというだけで恐れられ、互いにわかり合うことを拒絶される魔法使いたちに寄り添い、両者の架け橋となることはできるのか…そうして第1章は幕を下ろす。

ここまで人間と魔法使いの溝について書いてきたが、実は他にも賢者の魔法使い同士の因縁、愛憎、主従関係、生死に関わることなどそれはもう様々な問題が山のように存在しており(気になったらゲームでシナリオを読んでみてね!)これらについても劇中で匂わせている。そう、問題しかないのだ。そしてこの問題をこれほどまでに上質な音と歌で表現し、物語を紡いでくれるなんて聞いてなかったわけで。初日の感想は「めちゃくちゃ良かった」に全て集約されてしまった。

ゲームをプレイしていない人も、もちろんゲームをやり込んでいる人にも、ぜひ舞台を通じて彼らに出会って、本当の彼らを知ってほしい。

問題提起の第1章から、2章、3章ではどんな展開を見せてくれるのか今からとても楽しみである。


現地でなくても観れるこの世界の技術に感謝を

この情勢のため現地での観劇を諦めたり、チケットを手放す選択をした人もいるのではないだろうか。そんな人に朗報です。

DMMでライブ配信があるよ!!!!!!!!!!!!

なんとこのライブ配信、千秋楽だけでなく初日とおたくが大好きな前楽公演もあります(天才か?)。今すぐ見ることが出来る公演はないが、6月にはディレイ配信もあり、公演が終わっても舞台の世界に浸ることができる、現代の技術とDMMのサービスに大感謝だ。


締め

私は原作ゲームの魔法使いの約束が好きだ。舞台を観劇して、劇中の曲や小道具、キャストの仕草などから、原作を大切に思って作り上げてくれたことがひしひしと伝わってきて…どう感謝していいのかわからない。既にこのカンパニーも大好きになった。

魔法使いの約束には「魔法は心で使う」や「壊れかけの世界」などのキーワードが登場するが、それらが劇中歌にふんだんに散りばめられており、原作を知っている人は尚のこと楽しめるのではないだろうか。

そして上で書いた魔法使いと人間の溝は、日常を生きる私たちも経験する偏見や恐怖、友情、愛、憎しみなどとリンクする部分がある。平和なほうがいいはずなのに争いを止めることができない人間。裏切られて、それでも希望を信じてまた夢を抱く…こうして繰り返してしまうのはまほやくの世界でも私たちの世界でも一緒だ。


まほステはまだ始まったばかり。2週間と少し、感染症対策に全力を注ぎながら応援したいと思う。

破られることのない約束は何か、この目で確かめるために。

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