3/25 毎日かさぶたをはがすような

(本日、落ち着いてはいるけれども、悪い方に落っこちてます。)

 気がつけば、3月も最終週だ。年度末。桜の花も咲き始めた。

 日付までは覚えていないけれど、1年前の3月の最終月曜日、職場で送別会があった。その日一日、みんながちょっとそわそわと落ち着かない雰囲気だったのは覚えている。わたしは、日中は「なんか、もう、ここにいたくないなぁ……」と思っていたし、送別会は正直なところ、パスして帰りたいくらいだった。でもそこはぐっと我慢して、きちんと参加して送るのがいい大人の社会人のマナーだと自分に言い聞かせて、会の終了までにこにこして過ごした。そういう我慢を、最後の数か月はずっとしていたんだと思う。「ここにいたくない」が「もう無理かもしれない、頑張りたいけど、頑張れないかもしれない」にかわって、「無理かも」から「だめだ、一刻も早くここから離れなくちゃ」という最後の決断を下すまでの1か月間の心境の変化は、坂というよりもうむしろ崖みたいな角度の道を転がるような落ち具合だったし、それくらいのスピードだった。そんな、ここ数年で一番しんどかった思いをしていた時期から、そろそろ1年くらい経つんだなぁ、と。

 人の気持ちの中身や濃さなんてわからないから推し測るしかないのだけれど、きっと1年前のわたしと同じような気持ちを抱えている後輩が、年度末での退職を決めた。先週会ったときに、『次の月曜日が送別会で送られる側なのだけれど、正直行きたくない、仮病つかいたい』というようなことを言っていた。送られる側が苦痛に感じる送別会なんてやめてしまえと思う。そして今日、送別会当日。夕方、後輩に『自分が嫌な気持ちになってまで参加することないよ』と連絡してみようかと思ったけれど、さすがにそこまでするとお節介が過ぎるかと思って、やめておいた。例年通りのスケジュールならそろそろ始まっている頃だと思うけれど、彼女は、行ったのだろうか。つらい思いをしていないだろうか。無理やり笑ったりはしゃいだりしていないといいなと思う。

 毎年、同じことを繰り返して。変えたくってわたしなりにやっていたつもりだったけれど、結局何も変わらなかったどころか、何も伝わっていなかった。変えられなかったし、守れなかった。無力でしかない。「どうしたらよかったのかな」と考えなかった日は、退職してから今日まで一日もなかった。もうどれだけ考えてもしかたがないのに。

 もうそろそろ、考えるのをやめたいと思う。毎日のように向き合うのはやめて、ただそこにそういう過去があって、たまに視界に入っても、ふっと目線をずらせる、そんなふうになりたい。

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