10/18 旦那さんのいない夜

■昨日の夜は、旦那さんが仕事で外泊だった。友達とごはん食べて、別れて帰ってきて。最近、そもそも外にあまり出てなかったし、外出しても旦那さんと一緒だったりそんなに遅くはならない時間のうちに帰ってきてたから、夜の遅い時間になってからひとりで家に帰ってきてドアを開けたら、家の中が真っ暗で、家の空気、みたいなものがいつもとは違って。人の気配のしない暗闇の家の中に向かって、小さな声で「……ただいま」って言ってみたら、急にさびしくなった。さっきまで友達とわいわいしゃべってたのに、暗い家でひとり、ぽつん。家にひとりでいるのなんて、いつものことなのに、友達と過ごした楽しい時間との落差と、夜の静かな空気のせいか、さびしさがひたひたとにじんできて、うっかり泣きそうになった。どうにかやり過ごそうと、寝るわけでもなく、横になって丸くなって布団にくるまった。30分くらい経って、友達からの『帰宅しました』LINEがきて、やっと通常モードのスイッチが入って起きだした。
■そんな、数年ぶりに旦那さんがいない夜。日付変わる1分前に、旦那さんから電話がかかってきた。「疲れたー」と。平日はいつも、電車の乗り換え駅で、「今○○駅、これから帰るねー。買って帰るものある?」という1分程度の帰宅コールがあるけど、そうじゃなくて、雑談する電話はひさしぶり。話している内容は、いつも旦那さんが帰ってきてからの会話とほとんど同じだけど、電話越しってだけで、ずいぶん新鮮に感じた。付き合いだしてからいっしょに暮らし始めるまでの間、基本的に仕事が終わるのが旦那さんの方が遅かったから、旦那さんが仕事終わって実家に帰って夕飯食べて、自分の部屋に戻ってから電話してきて、「はー疲れたー」って言いながらベッドにどさっと寝転がる気配まで伝わってくる、あの懐かしい感じ。そうそう、こんなふうに毎晩、短い時間だけど必ず電話して、電話越しに「おやすみなさい」を伝えて、くすぐったい気持ちを抱えながら眠りについていた時代があったわ、と。懐かしい気持ちになった。
出会ってから何年経って、いっしょに暮らし始めてから何年になるんだろう、なんて数えていたら、あと数年したら、親元で生活していた年月より旦那さんと付き合いだしてからの年月のほうが長くなることに気がついた。もう10数年もいっしょにいるのか、これから、旦那さんといっしょにいる時間が人生の大半になっていくのか、と。ひとりの夜、スマホのカメラロールをずーっと遡って、遡れば遡るほど、ずっと隣で見ててそんなに変わってないと思っていたけど、やっぱり今よりは若く幼くなっていく旦那さんを眺めて過ごした。

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