2/21 お説教不要論を唱えたい

 昨日、おでかけしたついでにランチを外で食べようとファーストフードに入った。レジで注文して商品を受け取り、どこに座ろうかと店内を見渡して。小さなお店だけれど、お昼とおやつの時間の合間だったくらいか結構空いていて、カウンター席でもテーブル席でも選び放題。その中でも、お店の一番奥壁際という落ち着く特等席が空いていたので、そこに座ることにした。それが間違いだった。

 壁に沿って5つ並んだ2人掛けのテーブル席は、わたしが一番奥に座って、真ん中のテーブルに私服の年配の男性と、スーツ姿の中年くらいの男性が向かい合って座っていた。テーブル席とは通路を挟んだ外向きのカウンター席には、わたしが着席すると同時に席を立った女性がひとりいただけで、誰もいなくなった。「これだけ空いてて、誰にも迷惑かけなさそうなら、食べ終わった後、少しのんびりしていこう」なんて思いながら、最初の一口を食べようとしたら。隣の隣のテーブルの私服男性が、「ねぇ、何で黙ってるの?」と対面の男性に向かって大きな声を出した。聞こうと思わなくても聞こえてくる、仕事でのお説教中だ。自分が怒られているわけでもないのに委縮してしまって、早くここから逃げたいという気持ちになった。

 なんで、真昼間のファーストフードで仕事についてのお説教をすることになったのか。ときどき喫茶店とかでも見かけるけれど、関係ない客のひとりとしては、他の人目につかないところでやってほしいなぁ、と思ってしまう。『会社の中で完結してくれたらいいのに』と。社内の他の人の目を避けるためにわざわざ外に出るのかしら。だったら、世間の目も避けてやってほしい……どこだ、人気のない公園とか、車の中とか? そうなると、パワハラとか心配? 『お説教専用カフェ』とかどう? 叱る人が叱り相手を連れていくお店。店内いろんなお説教の声が響き渡ってるの。……ないか、流行らない。怖い。そんなの、店員さんが病む。お説教に最も適した場所はどこなのか。

 そもそも「『叱る』って、必要かね?」と思ってしまう。怒ると叱るは違うと思っている。注意する側が注意される側に激しく感情をぶつけるだけの『怒る』は仕事上は不要だと思う。相手を委縮させて恐怖による支配がしたいと思ってやってるのならたちが悪い。そういう人がいる場所では働きたくないな……。『叱る』にしても、叱られなくてもわかっているパターンか叱られても何も伝わってないパターンのどちらかが大半の気がする。叱られたことで気がついて反省する、ってそんなにないような気がするけど、わたしの見てきたケース数が少ないだけかなぁ。何も伝わらないパターンに必要なのは理解のためのコミュニケーションだと思うし、叱られなくてもわかってるパターンはわざわざ叱らなくても、前向きな指導だけですむのでは。形式上叱ったふうなポーズを取らなきゃいけない、とかもあるかもだけれども。……そういうのを全部ひっくるめて『叱る』なのか? 「叱っていただいて成長することができました」とか見るけれど、そういう人たちって叱られなくても成長しそうじゃない? とか。あぁもうわからないけど、考えちゃって、もやもやするー。

 とか思って過ごしていたら『大学で叱られ方講習が開かれた』というのをtwitterで見かけて。もう、何が何やら。

 とりあえず、わたしが出かける先で、大声で「お前は会社の名前に泥を塗ってるんだよ」と叫ぶとか、怒鳴ったあとで一呼吸おいてやさしい声出して「お前のためを思って言ってるんだよ」とか、そういうのやらないでほしいわ、と。いや、わたしが近寄らなきゃいいんだけどねぇ。なかなか。

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