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失恋の乗り越え方についてまとめてみた【悲恋ノート】

クリスマスというと本来的には家族で過ごすのが一般的とされていますが、日本では恋人たちの祭典としても普及しています。
実際、煌びやかなイルミネーションやらプレゼント交換やら、ロマンチックを感じる小道具が充実しているので、そうなるのも仕方ない気もします。

しかし、始まる恋もあれば終わる恋もあるのが現実。
恋人たちが素敵な想い出を作っていく一方で、独り身である人間には寂しさが際立つ――クリスマスとはそんな日であるとも言えます。
チキンとかケーキとか、ヤケ食いとも相性がいいし。

そんな心情に寄り添ってか、クリスマスソングには失恋ソングが多い気がします。
調べてないから正確なところはわからないけど……。

そこで、この記事では忘れられぬ恋を引きずっている方々に向けて、失恋を乗り越え方について、重要なプロセスや考え方をまとめてみようと思います。
こういう日こそ失恋を乗り越えるチャンスかもしれません。

恋を知る

まず、恋というのは一言でいうと自分の人生の一部を誰かに捧げたいと思う衝動です。
自分の貴重な時間や生活を、たった一人のために費やそうという非合理極まりない選択をすることです。

もちろん、想いの強さや恋に対するスタンスによって、どの程度の人生を捧げるかは変わってきます。
月一回ちょっと会うだけというフランクな関係性もある一方で、同じ趣味や仕事でどっぷり関わっていく関係もある。
ちょっといいなと思った人と付き合ってみたという人もいれば、その人との出会いで運命やら進路やら全部が変わってしまうようなこともある。

恋が終わるというのは、そうやって捧げた人生が無に帰るに等しい。
すなわち、失恋は自分自身の部分的な死です。

これまで捧げてきた時間やお金――人によっては進路や人生の選択までもが、恋のために左右されるわけですが、その全てが消えてなくなるのです。
その人生の一部を失った虚無感が失恋の痛みであるとも言えます。
それが大きくても小さくても、その痛みは自分だけのものです。

そんな失恋を乗り越える第一歩は、自分が失ったものは何なのか――その正体を捉えることから始まります。

恋を弔う

人間、生きている以上は別れというものは避けられません。
しかし、そんな離別の痛みを乗り越えるため、人類は葬式という文化を発達させてきました。

葬式は死者ではなく生者が悲しみを乗り越えるためのものと言われます
訪れた別れを受け止める時間を設けることによって、その人が喪われた世界へ歩んでいく原動力とするのです。

自身の死である失恋に対しても、同様のプロセスが必要なのではないでしょうか。
すなわち、恋の葬式です。

現代日本において、死には葬式という福利厚生がある一方、失恋に対する福利厚生はありません
なので、この喪失を乗り越えるための儀式は自分自身の手で行わなければならない。
この儀式が上手くいかないと、永遠に失われた恋を引きずることとなります。
逆に言えば、失った恋をきちんと弔うことで、自身の死を受け止め前に進むことができるのです。

最近普及してきている離婚式なども似たようなメカニズムですね。
あれの失恋バージョンがもっと生まれたらいいんですけどね。

恋を振り返る

失恋を乗り越えるには、失われた自分の一部を弔うことだと述べました。
逆に、自分の何が失われたのかを理解しないと、何をやっても意味がありません。

そこで、自分がどのような恋をしていたのか、何を捧げてきたのかを振り返る必要があります。
これが「恋を振り返る」という作業です。
葬式でも、故人の人生を振り返りますよね。そのマインドです。

費やしてきた想い出一つ一つを振り返って、自分を客観視するのが目的です。
その人の存在が、どのように自分の人生を動かしていたのか。ひとつひとつを振り返ります。

漠然と言われてもわかりにくいと思いますが、形式は自由です。
パソコンを開いてメモ帳に殴り書きしていってもいい。
スケジュール帳を開いて、その人と歩んできた日々を振り返ってもいい。
境遇の似た失恋ソングをカラオケで歌ってもいい。
アルバムの写真を一個一個振り返りながら消していってもいい。
信頼できる友達に愚痴半分に全部打ち明けてもいい。

軌跡を振り返ることによって、自分がどんな恋をしていたのかが浮き彫りになります
その過程で、どのような恋をしていたのか。
その出会いが自分に何をもたらしどんな原動力を与えてくれていたのかがわかるでしょう。

それが、これから別れを告げるべき自分なのです

失恋を受け入れる

別れを告げるべき対象が明確になったら、それが失われたことを実感する必要があります。
葬式では焼香や出棺がこれにあたります。

積み上げてきた想いや目指してきた理想がもうないということ。
そのことを実感を持って受け入れるために、失われた存在を強く印象付ける作業です。

強い人ならば、自分の中で決意を固め、別れを宣言をするだけで十分かもしれませんが、具体的なアクションがあった方が実感しやすいことが多いです。
想い出の品を捨てたり、髪を切ったりといった行動が王道でしょうか。
それだけじゃ満足できない場合は、積み上げた人生を棒に振らん勢いで散財したり、住む場所を変えたりするのも有効でしょう。
人によっては、絶縁状をしたためたりSNSをブロックしたりといった積極的な遮断も有効かもしれません。
シンプルですが、思いっきり泣くのも効果的です。

大切なのは、もうその繋がりがないことを刻み付けることです。
ここの作業を徹底的にやらないと、煮え切らない未練を残して苦しみ続けることになります。

休む

失ったことを受け入れたとはいえ、傷は傷です。
下手に動くと傷口が開きます

早く次のステップに行きたい気持ちはわかりますが、ちゃんと休みましょう。

ここで無理に動こうとすると痛い目を見ます。
しっかりと、ぽっかり空いた自由な時間を満喫してください。

ちゃんとカロリー取ってあったかい布団でぐっすり寝ましょう。
幸いクリスマスも正月も町にカロリーが溢れているので困ることはないです。

新しい一歩を踏み出す

さて、自分の人生に別れを告げた後は、欠けた人生を埋めなくてはなりません。
幸いにして時間はたっぷりあると思いますので、欠けた部分に新しい自分を作り上げましょう

ただし、とにかく時間を潰せればいい、なんでもかんでもやればいいというわけではありません。
それはただのヤケクソです。失恋を受け入れるところからやり直してください。

重要なのは、自分が費やしてきたエネルギーを、その在り方を保ったまま向きだけを変えることです。
あなたの一部は確かに失われましたが、それがあなたを構成する重要な要素であることに変わりはありません。
矛盾するようですが、培ってきた時間は失われても、その核は決して消えることはないです。
なので、きちんと転生させてあげる必要があるわけですね。

ここで自分の恋の形をちゃんと知ったことが活きてきます。
自分の中にある衝動をどんな形で生まれ変わらせるべきなのか。
その答えを出すことは簡単ではありませんが、せっかくなのであらゆることを試してみましょう。
誰かのためではなく、自分の好きな自分を作り出すチャンスです。

ヒマつぶしのような関係だったら、新しい趣味を見つけるのもいいかもしれない。
その恋が特定のコミュニティに紐づいていたのだとしたら、新しい人間関係を模索するのも手でしょう。
好きな人のために住む場所やスケジュールを制限されていたなら、思い切って新天地に冒険してみるといいかもしれません。
その人のために部活や仕事を頑張ってきたのなら、その経験やお金を別のことに使えないか考えるのも面白いです。
めいっぱいオシャレを頑張ったのなら、思い切ってイメチェンしてもいいかもしれません。
もちろん、新しい恋を探すのも素敵な答えです。

ここまで走ってきた原動力を新しい自分を作り出す活力に変えることが、失われた恋に対する一番のたむけなのではないでしょうか。

恋は確かに人生を強く牽引しますが、それによって多くの制約が生まれているのもまた事実。
そこから解き放たれたことによって、その可能性は無限大とも言えます。
恋という関係性は失われましたが、その間に積み重ねた経験値は決して消えることはありません。

恋から受け取ったギフトを踏み台にして、よりよい人生を歩んでいくことが、その恋が間違いなく本物であった証になると、そう言えるんじゃないかと思ってます。

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