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アリババでピンバッジを安く作った話

ムシャクシャしたので中国工場に直接頼んでピンバッジ作りました。
金型に色を流し込んで作る金属プレートタイプです。
ディズニーランドでも売ってるやつ。
安すぎてドン引きしたので手順レポ書きますね。


まず本題に入る前にこちら、私が2014年に描いた龍のイラストです。

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この絵がとある方に加工されて
「僕が描いた水彩画です^^」
とか言われて販売されてました。
弁護士召喚しました。示談になりました。まあこれは置いといて。

変な使い方されてムシャクシャするからこのキャラでピンバッジ作ろう。

復讐はなにも生みませんが、その場の感情に任せたらなんでもできます。

というわけでみんなもやろう。
金属製オリジナルピンバッジ、とてもプロっぽいです。最高ですよ。

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1)業者を探す

金属製のダイカットピンバッジ作ろうと思って調べたことある人はわかると思うんですけど、日本国内で作ると高いんですよあれ。

まず金型代がめっちゃ高いんです。2〜3万が普通です。
そこに製作費上乗せして最終的に50個でも6〜7万ですかね。ラバーストラップも似たようなもんです。
まあ仕様によって前後しますけど。

個人で作りたいと思う人にとってはかなり痛いです。
なのでもっと安く作れそうなとこ探しましょう。
日本国内や海外でお願いしても大抵製造は中国です。
狙いは中国。

というわけで以下のAlibabaというサイトで中国企業探して頼みました。

Alibaba.com
https://www.alibaba.com/
アリババ Alibaba, は世界最大の B2B トレーディングプラットホームです。アリババはレベルの高い製造業者、サプライヤー、輸出業者、輸入業者、バイヤー、卸売業者、製品を提供しています。

アリババはイヤホンとかタブレットとかつけまつげとか色々売ってます。
そこからピンバッジ作ってくれるところを探すわけです。
企業向け取引サイトですが個人でも相手してくれるから安心ですね。
あ、支払いはクレジットカードです。
クレカ払い結構リスク高いと思うんですけど。
PayPalでも支払えますが業者によりますね。

そんなことよりピンバッジだ。
「enamel pin custom」で検索するとピンバッジ作ってくれる製品がずら~っと出てきます。

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多いです。ここから探すんですよ。がんばって。
業者の選び方のコツはここよりも「中国 OEMorODM アリババ」とかで検索して出てくる情報見たほうがいいですよ。
最低限企業レビューは見ておこう。
ていうか見てください。
業者選び適当にポチーしちゃうと悪徳業者だった場合泣きを見ます。

あ、表示されてる料金はあくまで「目安」です。
参考程度に見ときましょう。

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ここにしようか。許諾とってなさそうな電気鼠には触れないでおこう。
50個が最小ロットみたいですね。
探したら1個から作れるところもあったのですが、金型代と送料考えたらかなり割高です。おすすめはしにくいです。

そこそこ企業の目星つけたらデータもぼちぼち作っていきましょう。
今回描きたいものは決まってるので楽勝です。問題は提出用データです。

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2)デザインデータ制作

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なにはともあれ絵を描きます。描きました。完璧。勝ち確。
せっかくだから2種類作ろうと思って2Pカラーも描きました。

当然金型も2つ作ることになります。
財布に優しくなさそうですね。
同じ金型を使って別カラー作成という方法なら安くできると思います。

で、肝心のピンバッジデータですけど、テンプレートなんて優しいものはないので自分で作ります。

データはAdobe illustratorで作っておけば間違いないでしょう。
ない人はフリーソフトのInkscapeでがんばりましょう。

ピンバッジ発注の話なので絵の描き方やパスデータへの変換の仕方には触れません。
業者に頼めばデザイン書き起こしとかしてくれるんじゃないですかね…
でも料金とか意思のすれ違いが心配…

以下はデザインを決める際の注意点です。

1)グラデーションは不可
 これは型に色を流し込むという制作の都合上しかたのないことです。
 ラバストでも同じですね。色混ざっちゃうし安定しないからね。
2)色と色の境界線が必要
 同じく型に色を流し込む制作の都合上…
 上から単色プリントしたら線なくてもいけそうですけどそういうのよくわかんないです。各自問い合わせて。
3)細かすぎる表現はできない
 私のデザインも結構細かいと思うんですけど何も言われませんでした。
 細かすぎると業者から「それはできない」と言われたり、場合によっては勝手に直されたりするみたいですね。

他の人(主に海外の人たち)が作ったデータ見るとみんなPANTONEで色指定してるっぽいです。なので私もそうしましょう。
PANTONEカラーセットはadobe製品だと最初から入ってます。便利~
ラバストでも色指定の仕方は同じだと思います。

PANTONE
https://www.weblio.jp/content/PANTONE
PANTONEでは、デザイン、印刷物、工業製品、アパレル製品などのさまざまな分野で、色見本帳などの商品を提供している。色見本帳を使用することで、デザイナーが意図した色と、実際に印刷などされる色とを近づけることができる。デザインの分野で広く使われているAdobe SystemsのPhotoshopやIllustratorなどといったソフトウェアでも、PANTONEの色見本を扱うことができる。

色指定入れたデータ画像はもうちょい後にあります。

グリッター指定なるものをすると一部の色にラメを入れたりもできるみたいです。

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3)ピンバッジの仕様を決める

後は仕様ですね。使用する素材とか。
商品ページを見ていくと製品仕様の表があったので見てみましょう。

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Material…金属の素材です。金属に関して私はズブの素人です。わかりません。
 亜鉛合金(zinc alloy)でいいでしょ。

Size…大きさです。今回は長辺40mmにしようと思ってます。
 大きいピンバッジは要相談になるのでしょうか。

Color Craft…ソフトエナメルとかハードエナメルとかですね。

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 私は滑らかな仕上がりがいいのでハードで。
 エポキシ入れるのもかわいいけど黄変とかどうなんだろう。

Plating…メッキカラーです。
 ゴールドがいいと最初に決めてたのでGold指定。
 黒ニッケルとかローズゴールドとかレインボーもできるみたいです。
 今度やってみたいですね。ローズゴールドとか絶対かわいい。

Attachment…ピンバッジの針を保護、留めるためのパーツです。
 よく見る金属製のはバタフライクラッチというものです。

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Backside…市販のピンバッジの裏側見るとロゴが刻印されてるアレ。
 やってくれるんですねそういうの。憧れ。私はやりません。

…で、私が業者に提出した画像がこちらです。
実際提出したデータに「SAMPLE」の文字は含まれてません。

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OPTIONSの項目はピンの数です。40mmと大きめなので2個指定。
25mmくらいなら1個でもいいのではないでしょうか。

この画像を問い合わせ文と一緒に業者に送って見積もりを貰います。
AIデータでも見てくれますが、そういうのは注文確定後に渡したいな~と思ったのでまずはjpgで渡しました。

なんか情報が足りないなぁ~
でも足りなかったら向こうから聞いてくるだろうしいいか~

と軽い気持ちで提出しました。世の中そんなもんです。

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4)見積もり依頼(問い合わせ)

見積り依頼、目星をつけた複数の業者に送って比較とかするものじゃないっけ。
本気なら複数の業者からサンプルも発注しますね。
中国OEM、ODMやってるブログを見てると推奨されています。

でも私はピンバッジ作りたい脳しかないので一つの業者にしか見積もり送ってません。サンプルも請求してません。
…やり方としては博打だと思うのであまり推奨されないかと。
心配ならサンプル請求するといいですよ。

で、英語苦手マンはここからが厳しいと思われます。
それでも今の時代はGoogle翻訳があります。
英語苦手マンの強い味方です。
私が人間なら相手も人間です。通じればいいんですよ通じれば!

とか言いつつこの動画で書かれてた文章写して変えたものを送りました。
私は楽がしたい人間。

上記の動画もアリババでピンバッジを制作する際のプロセスを紹介してくれています。
いや、この動画の方が詳しいので英語分かる人はこの動画見た方がいいです。今更ですけども。

で、私が業者に送った文章が以下です。

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作って欲しいピンバッジのサイズ、数量などの指定とか。
これを作ることは可能かどうか、日本への送料がほしいとか、サンプル写真がほしい等の質問とか。

ダメ元で「日本語でコミュニケーションできる?」とも聞いてみました。
「日本語はできないけど、翻訳ツールを使ってコミュニケーションはできますよ。」
との返答。翻訳ツールを通した日本語は個人的にあまり信用できないので英語のままでお願いしました。
(業者ページの対応言語に日本語あったんだけどなぁ)


その後商品ページ確認したら問い合わせのテンプレ文用意されてました。

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私は業者の親切を無駄にした人間。


肝心の見積もりですが、どうやら私が2デザイン送ったので見積もりの比較をお願いされたと思われた模様。
見積もりの比較はできないそうです。
両方同時に作りたいのでその見積もりをくださいと再度お願いしたら数秒後に見積もりを送ってくれました。はやい。


さて、ここで私が不安なのは金型の値段です。
日本国内で頼むと1つにつき2~3万円は当たり前な金型。
中国といえど金型はそれなりにするはずです。
ましてや私は2デザイン頼むので金型は2つ。
半分くらいと考えても200$は行くだろうな~財布生きろ~

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「金型は1つ50$(5,400円ほど)です」

何言ってんだこいつ。


本当に金型1つ50$、計100$で見積もり出されました。
もっと自分を大切にしてほしい。
あ、送料は日本円で3,000円くらいでした。

色々合計して制作料は256$(28,000~29,000円くらい)。
金型2種、各50合計100、送料、手数料込みです。
安すぎて心配になってきた…

この後調べてみたらデザインによって上下はあれど、大体金型1つ50〜120$なことが殆どだとか。
マジかよ…

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5)仕様のすり合わせ、料金の支払い

最初にメッキカラーや素材となる金属、使用するカラー等を指定していたので結構スムーズに進みました。
「データわかりやすくて助かります」
と言ってくれました。わーい。

住所も相手に伝えたので後はデータ提出です。
その前にどうやらアタッチメントの指定を忘れていたようで、担当者から質問が来ました。

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そういえば仕様文と画像にアタッチメントの記載を忘れてました。
「バタフライクラッチ」でお願いしましょう。なんかよく見るし。

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業者「他のお客さんはラバークラッチにしてるよ。」
私「へー、じゃあ黒のラバーにして。」

みんなやってるならそれにしよう。
私は流されやすい純血日本人。

仕様が決まったらデータを提出し、お支払いをします。
支払いページは業者が準備してURLを送ってくれたので、そこからクレジットカードでお支払い。
実は最初にPayPal支払い可能か聞き忘れてたのでクレカになっちゃいました。PayPalがいい人は最初に聞いておきましょう。

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6)完全データの確認

仕様確定、データも提出すると業者側で完全データを制作し、確認をお願いされます。
実際に渡された完成データの一種がこちら

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細かいからか尻尾のあたりにカットアウト(切り抜き)指定入ってますね。
TYPEのEPOLA指定は……なんだこれ?ハードエナメルってことですかね。

このデータを見て色や仕様に間違いがあれば指摘して直してもらいます。
こちらのデータの場合は龍の爪部分がピンク色になってます。直してもらいましょう。

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こちらの画像と一緒に
「ミスを見つけました。爪を白にしてください。」
をGoogle翻訳した文章を送ります。
「確認してくれてありがとう。すぐに直します。」
という返答と一緒にすぐ直してくれました。
画像を使った指定、指摘は相手もわかりやすいのでいいですね。

確認が終われば業者が製作に入ります。
15~20日かかると言われたのでのんびり待ちましょう。
あ、そういえば途中で制作サンプル写真の送付お願いしてたんだった。

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7)サンプルの確認

1週間ほどすると業者から制作サンプルの写真が送られてきます。
ここでまた色の違いや仕様等を確認。
実際来た写真がこちら。

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すげー!きんぞくだー!かたそう!

でも私はゴールドメッキ指定してたんですよね。
送られてきた画像はメッキされてないです。一応確認しましょう。

金メッキ

「(Grate!よりAmazing!の方がよかったかな…)金属にゴールドを指定していました。金になりますか?」
「もちろん!これはメッキなしのセミサンプルです。」

だそうです。どうやら生産時に金メッキされる模様。
それなら安心ですね。

これで完成まで私ができることは何もなくなりました。
完成までのんびり待ちましょう。
次は完成編です。補足的なことになります。

完成したピンバッジはこれ


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