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地方移住の光と影【光編】

移住のきっかけ。

私は15年ほど東京で暮らしたのちに、2016年に香川県に移住しました。もともと四国出身だったので、心のどこかで「いつかは都心を離れたいな」と思いつつ、東京での暮らしには何の不満もなく会社勤めをしていました。

それが確信に変わったのは、東日本大震災。

あのとき私は、高層ビルの上階で会議の真っ最中。建物が軋む大きな音、窓の外にはクネクネと魚の骨のように揺れる建設中の東京スカイツリー。

子供の頃に阪神淡路大震災の経験があったせいか、会議で使っていた大型モニターが倒れないように支えながら、別の手で会議室の扉を開け、かろうじて冷静を保っていた同僚にフロアのドアを開けたままにするように言う自分がそこにいました。

その日の夜、勤務先が開放してくれた大きな研修室で電車が動くのを待っていたとき、一本の電話がかかってきました。

四国の母からでした。

あの電話回線が大混線してとてもつながりにくい状況の中、たった一度の電話で繋がったと。あのときの不思議な感覚は今でも忘れられません。

そこから実際に移住するまでに5年ほどかかった計算になります。家族と何度も何度も話し合い、移住先での仕事探しも難航したけど、ご縁があってここ香川県に着地しました。

前置きが長くなりましたが、移住して5年たったいま「移住してよかったこと」を紹介します。

夜空が暗い

そんなこと当たり前なんですが、都心で暮らしたことがある方にはわかっていただけると思います。深夜になっても白く霞むようにぼんやり明るい夜空。雷や花火の気配はないのに明るいんですよね、夜空が。

それが、香川県に来てみると、夜空は夜空らしくきちんと暗かった。

季節の移ろいもさることながら、地球が自転するたびに1日が1日としてきちんと終わっていく。東京という星から別の星に引っ越したみたいな気持ちになれました。

食材が新鮮で美味しい

四国に限らず、地方って食材の宝庫ですよね。
正直なところ、食材の値段は東京と比べてそんなに変わらない。しかし、鮮度が断然違います。包丁を入れるときに割れちゃうピーマンなんて信じられますか?

もちろん季節ごとの食材を楽しむこともできるようになりました。それも超シンプルな調理法と調味で十分美味しい。基本は塩・胡椒・オイル、そこに地元で作られた醤油・酢・味噌。そして、柑橘も添えたら完璧。

その土地の恵みが食卓を彩る生活は、ただただ素直に美味しいです。

「レイニーブルー」を生で聴けた

高校生のときに虜になった「壊れかけのradio」。いつかはその声を生で聴いてみたいと思っていた德永英明さん。東京にいた頃はどんなに頑張ってもコンサートのチケットが手に入らず、もう来世に期待するしかないなぁなんて思っていました。

それが、移住後に近所のコンビニに行くとコンサートのポスターが貼られている。試しにコンビニに設置された端末から検索してみると、空席があって普通に買えた(驚)。

私の願いはあっけなく実現し、念願のコンサートで美しい歌声を堪能することができたのでした。(「壊れかけの〜」は歌ってくれなかったけど。)

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この写真は、女木島(めぎじま)という島に常設展示されているアート作品です。アートだけでなく、誰もが知るうどん文化や美しい瀬戸内海など、香川県にはたくさんの魅力があります。

一方で、香川県に移住して私自身が感じた違和感というか、うまく消化できないことを次回綴ってみようと思います。

本日は読んでくださってありがとうございました!

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