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【離ればなれになっても】


イタリアで公開され大ヒットを記録したラブストーリー「離ればなれになっても」。
キノシネマでの上映が終わる頃ではないかと観に行ってきました。

いやぁ、これはなかなかいい映画でした。

「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ライフ・イズ・ビューティフル」を彷彿とさせてくれるような映画でした。超えるまではいかないにしても、観る価値は十分ありです。

イタリア映画ってドキッとする映画が飛び出すから好き。この映画は50代以降の人が観たら自分の青春時代と重なる人が結構いるんじゃないかと思いました。

この「離ればなれになっても」の舞台は1982年のローマから始まります。

16歳のパオロと彼の親友のジュリオとリッカルドはオンボロ車を修理して乗れるようにすると、パオロにできた恋人ジェンマと共に夢中になって遊び、弾けるような青春の時をいつも4人で過ごしていました。ところが病弱だった母親を突然亡くしたジェンマは、ナポリの伯母の家に引き取られ、恋人パオロと離ればなれになってしまいます。

男3人+女1人のこの4人の織りなすそれぞれの人生の物語。

ずっとジェンマを忘れられないパオロ。時を経て偶然彼氏と日帰り旅行でローマ来ていたジェンマと再会。それがキッカケで、彼女はナポリを捨て自分の元に来てくれたのに、病に倒れた母を置いてはいかれない。教師でありながら非常勤で収入も安定しない現実から、喧嘩が始まります。そして弁護士になった親友ジュリオに鞍替えするジェンマ。

でもやがてジュリオは…

激動の時代に翻弄され40年の時を経て、人は何が変わったのか。
親友だからこそ許せないことがあり、幼馴染だからこそ何年も離れていてもわかることがある。4人それぞれが辛酸を嘗め、人を許すこと、自分も許されてきたことを学んでいきます。

生きていく為にやむを得ない選択、葛藤、成功、裏切り、そして皆が皆、いい時も、苦く辛い時も経て、互いに許し、認め合い、再び繋がりだします。

監督は「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ。音楽は「ライフ・イズ・ビューティフル」のニコラ・ピオバーニ。

原題は「Gli Anni Più Bell(最も美しい歳月)」。いつものことながら邦題のセンスのなさといったら、なんとかならないものかと思ったりして。

映画を観ながら一人一人の気持ちに寄り添ってしまって、つい涙が…
立川キノシネマの25人部屋はゆったりした大きな革張りリクライニングシート。両隣りの人とは少し距離があるけれど、左隣りの男性も、右隣りの女性も、斜め前の方も、泣いていたっぽいのが印象的でした。イタリア映画好きにはおすすめの一本です。

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