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子供の頃から映画好き。ミニシアター系は特に。 映画館で観たものが中心ですが、NetflixやAmazon primeからもチョイスしてお届けいたします。
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記事一覧

イニシェリン島の精霊

【イニシェリン島の精霊】 1日は映画の日。ゴールデングローブ賞が発表になりましたね。 作品賞、主演男優賞、脚本賞を獲り、アカデミー賞 主要9部門ノミネートの『イニシェリン島の精霊』を観てきました。 1923年アイルランドの孤島、イニシェリン島が舞台。島民全員が顔見知りの長閑で美しい景色が広がる小さな島で、いつものようにパードリックが初老のコルムとパブへ行こうと迎えに行くシーンから始まります。 ところが、コルムは家にいるのに一緒に出かけないのです。何で機嫌が悪いのかさっぱり

【モリコーネ 映画が恋した音楽家】

「音楽家の名前が、『ジャンル』として認識されるほどの人物は、数百年に及ぶ音楽史においても、極めて限られた存在である。バッハも、モーツァルトも、ベートーベンも、ワーグナーも、もはや作曲家名ではなく、『ジャンル』だと思えるのだ」 そう語ったのは岩代太郎(作曲家)さん。そして「エンニオ・モリコーネ」も、紛れもなく『ジャンル』となった音楽家であるという。まさにその言葉に尽きます。 モリコーネの曲が聞こえてくると、映画のシーンが脳裏に浮かび、そこへと誘ってくれます。 例えば「めぐ

「エルヴィス」に恋をした

今夜、私はエルヴィスに恋をした。 エルヴィス・プレスリーが活躍していた頃、記憶に残っている姿は歌手として復活した晩年の太ったエルヴィスだ。あのチャラチャラした暖簾の紐みたいな衣装をつけて、つま先立ちして足を小刻みに揺らしながら、マイクスタンドを持って右に左に身体を倒して歌う。独特でセクシーなダンスかも知れないが、なんかダメ。そんな単純な理由で好きにはなれなかった。 だが今夜、それを恥じてどれほど後悔したことか。 映画で泣いて、湯川れい子さんのトークショーで泣けて。 駅を降

忘れられない映画

【素晴らしき哉、人生】 私には忘れられない映画があります。 生涯を通して一本の映画を挙げよと言われたら迷わず選ぶのがこの「素晴らしき哉、人生」1946年のフランク・キャプラ監督の映画です。 そんな昔の映画ですから、当然映画館のスクリーンで観る機会はないと思っていましたが、FBFからの情報で田端の小さなミニシアターで年末に観る機会を得ました。 15人から20人くらいしか入らない小さな小さな映画館で、スクリーンも小さくて。それでも朝10時からの上映に、6、7人いたことに驚きま

【ミセス・ハリス、パリへ行く】 

舞台は1950年代のロンドンから始まります。ミセス・ハリスは戦争が終わったのに戻ってこない夫の写真を眺めながら、もう生きてはいないのだろうと思いつつ、希望は捨てずに家政婦としてせっせと働いています。 ある日、仕事先の家で、夫に内緒で500ポンドで購入したというクリスチャン・ディオールの美しいドレスを見つけてしまったハリス。手の込んだモチーフがたくさん付いた、淡いピンク色のあまりに綺麗なドレスについ手が伸び、自分も一度はこんなドレスが着てみたいと心を踊らせるのです。そしてミセ

【離ればなれになっても】

イタリアで公開され大ヒットを記録したラブストーリー「離ればなれになっても」。 キノシネマでの上映が終わる頃ではないかと観に行ってきました。 いやぁ、これはなかなかいい映画でした。 「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ライフ・イズ・ビューティフル」を彷彿とさせてくれるような映画でした。超えるまではいかないにしても、観る価値は十分ありです。 イタリア映画ってドキッとする映画が飛び出すから好き。この映画は50代以降の人が観たら自分の青春時代と重なる人が結構いるんじゃないかと思い

トップガン・マーヴェリック

【トップガン・マーヴェリック】 映画のことはインスタに任せていたが、noteにも残したら?と友達に言われて、ホイホイと調子に乗ってこちらにも。忙しくしていたので、久しぶりの投稿だ。 話題のトップガンを観てきた。 オープニングのシーンで一気に36年前に引き戻されてしまった。いきなりかつての友人グースの写真が出てきて泣きそうになった。 もしかして、あのクールな女性教官だったチャーリーも出てくるのだろうか。と期待してしまう。それはなかったが、グースの奥さんキャロルを演じたメグ・ラ