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「アポロ13の帰還」、あまり知られていないちょっとした事実

みなさん、「アポロ13」ってご存知でしょうか?

もうだいぶ前の話なので若い方には馴染みが無いかもしれませんが、アポロ計画というNASAの宇宙開発プロジェクト3号機目の有人飛行で、トムハンクス主演で映画化もされています。

この「アポロ13」、なぜ映画化されるようなプロジェクトだったかというと、初めての月面有人探索とか、何か新しい大発見があった、というわけでは無く、簡単に言ってしまえば、

「とんでもないトラブルに見舞われたにも関わらず、誰も人命を損ねる事を無く地球に戻ってこれた事がすごいね!」

という事なんですね。NASAでは「栄光ある失敗」「偉大なる失敗」などと称えられていたようです。

月に向かう途中に機体(メイン)船の酸素タンクが爆発し、酸素が急激に減るだけでなく電力や水も不足してしまうという、想像するだけで恐ろしいトラブルが起きたにも関わらず、搭乗員と管制にいるスタッフが的確なコミュニケーションを取り時間が無い中で最適な対応策を取り無事に帰還できた、という映画を見なくてもとてもドキドキするストーリーです。

じゃあ具体的にどう対処して、どの様に帰還出来たかは他に沢山の文献や記事があるので、そちらにお任せして今日はその搭乗員と管制スタッフのコミュニケーションについて触れてみたいと思います。

共通言語化

日常においてもトラブルが起きた時、やっぱり焦ってしまい的確なコミュニケーションが取れなくなってしまいますよね?

そうならない為にも、沢山のトレーニングが行われているNASAでは、トラブルの時の為のコミュニケーションのトレーニングも行っていました。

どの様に状況を整理し、どの様に原因を究明し、どの様に解決策を決めるか? 

本来、人によってバラバラな物事の考え方をそれぞれのフェーズごとにプロセス化し、共通言語としてコミュニケーションの型を持ち、焦らず落ち着いてコミュニケーションをとる為の土台としていました。

地球にいる管制官と遠く離れた搭乗員、頭の中で共通の思考プロセスが出来上がっていたんですね。同じ空間を共有出来なくても、同じものを見る事が出来なくても、この共通の思考プロセスに沿って情報を収集し思考を進めてく事でスムーズにコミュニケーションを運ぶことが出来ました。

原因究明の方法とは?

ちょっとだけその共通言語化された一部の思考プロセスをご紹介させて頂きます。トラブルが起きた時、原因究明はどの様なプロセスだったのか?

情報を「起きた事実(IS)」/「起きそうだけど起きていない事実(ISNOT)」で整理する → 人の思考は原因にジャンプしがちですが、まずは情報の整理からです。闇雲に情報を集めると膨大になり収拾が付かなくなってしまいます。その為、原因究明に最低限必要な情報だけを集めるフレームワークがありました。

「起きた事実」=ISと「起きそうだけど起きていない事実」=ISNOTと言い、対象・時間軸・場所等の領域でそれぞれIS/ISNOTを確認し整理していきます。 

②「起きた事実(IS)」だけにある特徴を探る → 「起きた事実(IS)」と「起きそうだけど起きていない事実(ISNOT)」を比較し、「起きた事実(IS)」だけにある特徴を確認します。IS/ISNOT比較する事で特徴があぶり出しやすくなります。

このISだけにある特徴が原因に関係がある可能性が高いので、原因を想定する前にまずはこの「ISだけの特徴」を探しました。

③原因を想定する → 「ISだけの特徴」を中心に、IS/ISNOTの情報、知見や経験から原因をブレストで漏れなく上げました。ここで大事なのは勝手に真の原因かどうかは判断せず、可能性があるものは全て挙げるという事でした。

④原因をテストする → 沢山挙げた原因でどれが一番可能性が高いのかテストしました。挙げた原因とIS/ISNOTの事実情報を照らし合わせて整合性を確認し、整合性が高い方が真の原因に近いと判断しました。

実際には、真の原因は帰還後の調査で断定できたようですが搭乗中はこのプロセスに沿って、管制官が搭乗員に質問をぶつけて情報整理をし、大体の原因を把握が把握できました。

その原因に対して五月雨式に解決策を実施したのでは無く、意思決定をするプロセスに沿って実施する解決策を決めて行きました。

これを繰り返し何とか地球に戻って来れた、という事でした。

最後はだいぶ雑な締め方ですみません(-_-;)

実は・・・

実は、(もうお気づきの方も多いかもしれませんが…)この原因を究明したり意思決定をするNASAの共通言語になっているプロセスこそ、弊社が提供しているケプナー・トリゴー・メソッド(KT法)なんですね。

アポロ13は1970年の事ですので、もう50年も前の話。「信じるか信じないかはあなた次第!」のような昔話になっていますが、未だに弊社では細々とNASAと取引があり、言伝えられている事を聞いております。

もう少し詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

まとめ

お伝えしたかった事は、弊社がアポロ13の帰還に貢献してたんですよー、って事では無く

・トラブルを効率的に対処するには共通言語化が必要

という事でした。

今後、社内で共通言語化に取り組むことがあれば是非お声がけください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

◆2021/01/10に追記◆
本記事の内容は2020年9月20日時点の所属によるものです。2021年1月より所属先は変わっておりますが、前職の思考法は有益であることは変わりませんのでそのまま残しております。

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