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THE GREEN LIE〜エコの嘘〜レポ🌿

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(仮設の映画館より)

今回は、映画「THE GREEN LIE〜エコの嘘〜」の
ムービーレポです📽

仮設の映画館(http://www.temporary-cinema.jp/greenlie/)より、本日までレンタルしております!

1、仮説の映画館とは?

新型コロナウイルスの影響で映画館が休館となりました。また、再開されてもすぐに以前のように映画館に足を運べるか分からない状況です。そこで、配給会社東風さんが立ち上げた「仮設の映画館」に、ユナイテッドピープルの配給作品『グリーン・ライ ~エコの嘘~』も参加することに致しました。  

観客は、どの映画館で作品を鑑賞するのかを選ぶことができます。そして、その鑑賞料金は「本物の映画館」の興行収入と同じく、それぞれの劇場と配給会社、製作者に分配される仕組みです。
(文章引用: http://www.temporary-cinema.jp/greenlie/)

観賞方法

「仮設の映画館」ホームページをご覧ください。


配給会社「United Peopleについて」

ユナイテッドピープルは、日本の作品の配給・宣伝や海外作品の映画の買い付け・配給・宣伝事業を行っています。弊社作品やパートナー作品の市民上映会開催ができる作品は「cinemo by ユナイテッドピープル」でご覧になれます。
(引用:UNITED PEOPLE ホームページ)


2、あらすじ

「THE GREEN LIE〜エコの嘘〜」は、パーム油を始まりとし、石油、電気エネルギーなど様々な分野の真実のエコを追求する2人のジャーナリストのドキュメンタリーを描いた映画。
サステナブルの基準とは何か?
企業はその基準の内側を透明にしているのか?
グリーンウォッシュになっていないか?
そんな観点を持ったヴェールナーとカトリン、
2人のジャーナリストは
実際にパーム油が生産されるインドネシアや
バリ島を訪れる。
そこで目にしたモノは何か?
戦うべきは、誰なのか?
消費者は何を基準にモノを選ぶべきなのか?
リアルな声と2人の観点が新たな答えを導き出す。  


⚠️ここからは、
少しネタバレ的な要素も入りますので、
まだ読みたくないという方は、観賞後にお読みください。

わたしなりに、心に残り刺激的だと思った場面または言葉を残します。

2、場面別まとめ

◯パーム油会議(バリ島)

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アブラヤシの農園主が集まりバリ島で行われる
パーム油会議の様子が映し出される。

バリでは、200億もの利益がパーム油の精製によって生まれていることが説明される。

熱帯雨林を人工的に燃やして得た土地を農園にしてパーム油が栽培されているという現状が裏側に潜んでいることの真実をジャーナリストの2人は知るべくして参加。

熱帯雨林に住んでいたオランウータンの
生命も奪われてしまっているのだ。

しかし、パーム油会議で説明された衝撃的な言葉。

「オランウータンの為に人間の豊かさは捨てられない。」

会議に参加した人々はこのジョークにしても非情な言葉を笑って聞き入れ、拍手さえも起きていたことが衝撃だった。

こうして、利益のための生命の犠牲は確実に正当化されているのだと理解できるシーンだった。


◯持続可能なパーム油とは?

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2人は、バリ島での会議で出会った
マーキングループCEOのクリスから勧められ
ジャンビ州にあるマーキングループ子会社の(パーム油生産会社)の農園を訪れる。

そこには、
数日前まで熱帯雨林だったのに焼き払われ無惨にも
焼け野原になった土地が広がっていた。

クリスは、言っていた。

「サステナブルであるということは、経済と人間と環境のバランスが取れていることを指すんだ。」

「つまりは調和が大切で、ウチの農園は全てサステナブルです。」

大きな会社の責任者は口々にサステナブルを語る。
自分の農園はサステナブルである、と。

サステナブルなパーム油は存在する、と。

しかし、子会社が栽培する農園が生物の生命を脅かしている事実を明かさずにいる現実は、確かだ。
もはや、その事実を知らないのかもしれないとさえ
思った。

透明であることの前に責任も無ければ
ただサステナブルを謳いたいだけなのだと
その認証を得たいだけなのだと。

「問題が深刻であればあるほど、企業はそれを認証で隠そうとする」

カトリンのその言葉に恐ろしさを感じた。


◯消費者同士でエコを競う必要はない

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とあるクリエイターの
ヴィンセントは、
「現代の新品は、残しておきたいモノが無い。モノを充分に持っていても欲しがる人ばかり」
だと語った。

そのヴィンセントが集めているガラクタの山々を
見学しながらカトリンが言った。

「今の社会はまさにガラクタの山。不要だと思わせないようにサステナブルだと語っているだけ。」

「現代の消費者は、自分の方がエコを頑張っていると他の消費者と競い合う傾向がある。
そんなのは、無駄。
繋がり合ってコミュニティを作るべきだ

消費者は、物分かりのいい消費者で居てはダメ。」

まさに、その通りだと思った。

企業が利益のためにエコを捨てて競うのを見て
消費者がエコのために自分を擦り減らしてるかのように競い合うのは、企業のためになってしまう。

消費者は、自分たちのための地球のための消費者であるべきだ。

そのためには、
「誰一人取り残さない」むしろ手を差し伸べあえる消費者コミュニティが必要だと思う。

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◯労働者自らが企業の上に立つ世界

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電気自動車はエコだろうとヴェールナーは言ったが
カトリンは、すべてのエネルギーはエコではないと言う。

リチウムや石油の存在を感じさせないだけで大量の水を使い、環境の悪化を促進するものである、と。

そこで2人はRWE(ドイツで2番目に大きな電気会社)株主総会に参加。

石炭の生産が招く発ガン性物質の飛散などによって
甚大な水質汚染や健康被害を受けている人々も集まり、株主総会は乱闘の場となった。

その後で二人はボストンにてノームという大学教授と話す。

彼は、こう話した。

「企業は資本と投資行動をコントロールしたいのだ。
善意や寛容さをアピールするだけの指標やルールなのであればそれは拒否すべきだ。

最も望ましいのは、
労働者自らが企業の上に立つことである。」
と。

実際に働く人たちが良いと思うモノをルールを
実行していく世界があれば、
幸福は間違いなく持続していくだろう。

一体、なぜ、上に立つ者は
持続可能な労働環境をイメージできないのか。
そう思っていた気持ちは、
彼のその言葉によって、解決した。


◯人が社会構造を支配すべき

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ブラジルへ赴き、先住民族連盟代表のソニアと
出会った2人。

ブラジルではグローバル経済の流れが消えていない。

毎日のように先住民の土地や命が奪われている。
エコ表示のための食糧栽培のためにその土地が
使われ、農園主はギャングを雇い利益にしがみついているのだそうだ。

紛争は醜くも、命がけで、
自分たちの土地を守ろうとする必死な先住民たちの
姿に心が痛んだ。

先住民は、話す。

「何が"良い暮らし"であるかは、その人たちの馴染んでいる暮らしによって違う。
自分たちにとっては、土地の恵みを享受して生きることが幸福である。
人間は、社会や環境に適応して生きていく生き物。

社会構造が人を支配するのではなく、人が社会を支配すべきなのだ。


価値観の違いだと言ってしまえば簡単。
その環境で暮らしたことの無い人たちには
その暮らしの豊かさも貧しさも分かるはずがない。

しかし、誰かの幸福を脅かす権利は誰にも無いのだということ。

幸福のための利益など、持続可能ではないということ。

その2つは、明確である。

3、全体を通して

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THE GREEN LIE というタイトルには
人々の想いが詰まっている。

"エコが嘘である"ことだけを暴きたい映画ではないということは、確かだ。

ジャーナリストは、現状を懐疑し、真摯に向き合い、透明性や答えを必ず見つけ出す。
その仕事の範疇であることには変わりないと思うが、この映画は、
そもそも、2人のジャーナリストの間でも
意見が衝突している。

信じるや価値観はどんな人間でも違う。

だからこそ、意見を戦わせることでしか
人と人は心地良いこの地球という環境を守ることは
できない。

戦うしかない。

戦った先に誰かと繋がりあえる世界があるということは、見えているはずだ。

「他人の価値を否定する者に負けず、
利益よりも地球を守る」

その言葉が、この映画のシンプルな答えだと思った。


4、最後に

この映画の配給会社であるUnited Peopleでは、他にも環境問題を題材にした映画を制作している。

次に私が観たいと思っているのは、  
「もったいないキッチン」
(https://www.cinemo.info/)

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「気候戦士〜クライメート・ウォリアーズ〜」
(https://www.cinemo.info/)

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この2作です!

観賞できたら、またレポします🌿🌏

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