アートボード_2_のコピー

俺は、この大好きな会社で“フルパワー”を出すと決めた。


任天堂を辞めてすぐ、ロゴデザインの値付けでしくじった。

僕のブログなんて誰ひとり見てないだろうと「ロゴを3万5千円で作ります。」と投稿するとすぐに依頼が殺到し、大慌てで削除した。依頼者の方に「前田さん、値付け間違ってる」「安すぎると不安になりますよ」と指摘され、落ち込んだ。デザイナーとしてマーケットとのズレが大きかったことがショックだった。デザイナーでも自分のこととなると鈍感になる。自分のことが最も難しい。…とでも言い訳しておこう。

ある日「前田さんのフルパワーが見たいので、デザイン料金は前田さんが決めてください。」と言ってくれた人が現れた。ああ、昇天!死ぬほどうれしい反面、素直に喜べない前田がいた。だって、デザイン料金を上回る価値を見出さないと信用を落としてしまうじゃないですか。逆に言うと、力を余すことなく仕事と向きあえるのである。4倍界王拳のフルパワーかめはめ波が打てた。その時、作ったロゴは今でも誇らしいし、それを見た人から依頼がたくさんきた。気持ちよく仕事ができて清々しい気持ちだった。超気持ちいいっ!

再びチャンスは巡ってきた。

RADIOBOOK株式会社 CEO 板垣雄吾さんから、「クリテイティブをすべて見てくれませんか?料金は前田さんが力を発揮できる額で結構です。」と打診があった。

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板垣雄吾さんとは『やりたくないとこはやらなくていい』(著:板垣雄吾・幻冬舎)の装丁に声かけてもらってからの付き合いだ。幻冬舎 箕輪厚介のTwitterで僕が作ったデザインを見て連絡をくれた。最初の出会いが僕のデザイン。僕の美意識、価値観に共鳴してくれている雄吾さんとはその後もいくつか仕事をしているが、日本で3本の指に入るくらい、僕に近い脳みそを持っている。


板垣雄吾さんは起業家としてとても尊敬しているし、価値観も近い。何よりやりたいこと大きくて楽しい。ありがたいお話だったが、実は決断に至るまで相当な葛藤があった。

今までどおりのデザイナーとしての付き合いなら、喜んで!と2つ返事だが、雄吾さんはクリエイティブディレクターとして、フルパワーコミットを望んでくれていた。

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2020年1月より、RADIOBOOK株式会社 および、i+Remakerのすべてのクリエイティブを前田がディレクションさせていただくことになりました。僕の中で、クリエイティブディレクションとは「機能するクリエイティブを管理し約束すること」と定義している。

プレゼン資料、 WEB、SNS、実店舗、印刷物、もっと言えば、雄吾さんがイベントやメディアに露出するときの服装なども含め、お客さんが目に触れるものすべての世界観構築とクオリティ管理、効果までをコミットすること。企業のクリエイティブディレクションって、佐藤可士和さん、水野学さんじゃん。一社にディレクションでがっつり関わる理想の関わり方だ。「そんな超一流と一緒にするなよ」と思う人がいるかもしれないけど、誰がなんと言おうと僕は同じレベルでやっていくつもりだ。

RADIOBOOKは、スマホのSOS(スマートオンデマンドサービス)。スマホの修理、レンタル、販売を究極シンプル化を目指している。このスマホ事業を起点に新しい事業を展開している。フリーランスのためのツールを作ったり、ネット上で二次元の街を作ったり、既存の常識を覆す革命を起こそうとしている。

RADIOBOOK株式会社と板垣雄吾にはポテンシャルしかないし、働いているRADIOBOOKメンバーはみんな熱量が高くて優秀だから、高いレベルで答えたい。

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とはいえ、僕がフルパワーを出すには「やりやら計画」が必要不可欠だった。「やりやら」とは先に述べた『やりたくないとこはやらなくていい』の略。板垣雄吾やりたくないとこはやらなくていいは徹底してやりたくないことは一切やらない。この考え方に共感し、僕も着々と「やりやら計画」を進めてきた。頼もしいアシスタント2人。広報、マネージメント1人。漫画を描くため。漫画を描くのにクリエイティブディレクターになるのかよ!というツッコミは受け付けない。会社を経営していかなきゃいけないし、クリエイティブディレクターもがっつりやりたい。この経験が漫画になるかもしれない。


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最近、僕は自分の会社を倒産の危機に追い込んでしまった。


オーバーかもしれないけど、一歩間違えたらありえた。お金のことを考えず、面白いことに手を出しすぎてしまい、資金が尽きた。毎月の固定費も把握してなかった。融資がなかったら終わってた。やっぱり、「やりたくないことはやらなくていい」を進めるべきだと確信した。僕がいつもお世話になっているメガネ税理士谷口さんにお金周りのすべてを委託することにした。

かくして、僕がクリエイティブに専念する準備が整った。それでもなかなか雄吾さんにクリエイティブディレクターの返事ができなかった。信用に答えられるか怖かった。不安だったというのが正直なところだ。でも、こんな機会は人生の中で起こりうるだろうか。これば僕の人生の本の大きな見出しになる。ちぎれるくらいのフルパワーで筋肉を使って自分を最高レベルまで高めよう。RADIOBOOK株式会社のみなさんと板垣雄吾について行くとみんなで次のステージに行けると確信している。

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2020年のRADIOBOOK株式会社にご注目ください。

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やったるでい。


トップバナー写真:森川良太
RADIOBOOKのプロフィール写真:大竹ダイヤ



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