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岡田暁生氏の『西洋音楽史講義』(角川ソフィア文庫)を読み、ルネサンス音楽に目覚める

台風の進路はふらふらと定まらず出かける予定がキャンセルになったりやむなく延期にしたりする落ち着かない日々が続く。


今週末は自宅近くで家族の用事をしたり、合間に岡田暁生氏の『西洋音楽史講義』(角川ソフィア文庫)を読み、取り上げられている中世やルネサンス時代の作曲家の音楽をSpotyfiで検索して聴きながら過ごす。


この本は元々NHK放送大学のテキストとして刊行されたものを文庫化した本で、とても簡潔に西洋音楽の歴史が語られていて読みやすい。


特に、普段あまり耳に接することの少ない、中世・ルネサンス時代の音楽について、同時代の美術や建築などと比較しながら書かれているので、グレゴリオ聖歌⇒ノートルダム学派⇒アルス・ノヴァ⇒ルネサンスというそれぞれの時代に登場した音楽の変遷が少し頭に入ってくる。


今僕が気に入っているのは初期ルネサンスを代表する作曲家ギョーム・デュファイ(1397年?‐1474年)の音楽。


正直デュファイの音楽はこれまでほとんど聴いたことはなかったけれど、岡田氏の語る


「デュファイの響きはまろやかで明るく調和し、旋律は大きな音符でおおらかに進んでいく。そこでは人は安堵して深々と呼吸できる。(中略)ルネサンス音楽の暖かい響きと深く呼吸できる旋律は、「そこに私たちと同じ人間がいる」という安堵感のようなものと無関係ではない。」


という言葉通り、デュファイの音楽を聴いていると、ルネサンス芸術の持つ「人が今ここで生きている喜び」に満たされとても良い気持ちになることができ、少し穏やかな気持ちになってくるようです。







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