NO.11 シューマンの魂のために
1週間程前、村上春樹の短編集『一人称単数』を読み終え、その中の一編「Carnaval(謝肉祭)」に導かれるようにして、今まであまり熱心に聴いていなかったこの曲を聴き返しその魅力に目覚めた。
同時にシューマンの他のピアノ曲や歌曲を聴き返したらそのどこかバランスを欠いたデモーニッシュな味わいにはまってしまい、この1週間(自分でもおかしい位、なんだか取りつかれたように)終日シューマンの曲ばかり聴き続けた。
一昨日少しシューマンの曲の事を調べようと本棚から「作曲家 人と作品シリーズ」の中の『シューマン』を取り出し年譜を眺めていて言葉を失った。
その日7月29日は1856年にシューマンがエンデニヒの療養所において46歳の若さで逝去した命日だったのだ…
そして1856年の7月31日、シューマンはボンにあるシュテルネントーアにある墓地に埋葬された。
シューマンが生涯愛した妻クララはシューマンの死から40年後の1896年に逝去し、シューマンと同じ墓地に葬られた。
僕はこの1週間シューマンの曲を聴き続ける事で(知らぬ間に)彼の魂の供養をしていたのかも知れない…
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