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NO.80 カラヤンの演奏で吉田秀和さんの愛聴するモーツァルトの《ディベルティメント15番》を聴くこと


昨日YouTubeを見ていたら、吉田秀和さんがNHKFMで放送していた番組「名曲のたのしみ」でモーツァルトについて語っている1987年4月5日の録音が見つかった。

第1部44分、第2部59分、吉田秀和さんのあの懐かしい声でたっぷりモーツァルトについて語っているのが聴けるのは嬉しい。


まだ聴きかけだけど、番組の中で吉田秀和さんがカラヤンの演奏によるモーツァルトの若き日の傑作《ディベルティメント15番》をカラヤンの演奏で愛聴していると語り、第4楽章のアダージョをかけていた。


吉田さんは「カラヤンは必ずしもモーツアルト演奏の第一人者だと思われていないかも知れないけれど、《ドン•ジョバンニ》やこの《ディベルティメント15番》の演奏には、なんともいえない艶がありとても良い」と語る。


僕もまたご多分に漏れず「カラヤンによる《ドン・ジョバンニ》は確かに良さそうだけど、《ディベルティメント》はどうだろう…」と半信半疑で聴き始めた。


そして驚いた。

とてもとても素晴らしいのだ!


もちろん現在の演奏傾向からすれば、大編成の重厚なオーケストラによるディベルティメントはあまりに華麗で重たいのは否めないし、中には「これはモーツアルトとは言えない…」と言う人もいるかも知れない。


しかし、このモーツアルト演奏には確かに抗いがたい魅力と艶があり、そこにふんわりと哀しみのベールのような靄がかかっているようでふいに切なくなり、まるで自分が18世紀の宮廷にいるような心持ちになる。


吉田秀和さん、カラヤンの《ディベルティメント15番》は確かにおっしゃる通り大変な名演でした。


※吉田秀和「名曲のたのしみ」これがモーツァルトの精髄だ(1987年4月5日録音)


※カラヤン指揮モーツァルトの《ディベルティメント15番》第4楽章アダージョ(これは1987年の録音)










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