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教師不足の解消に向けた私案

教師不足が加速している。

人手不足自体は何も学校だけでなく、あらゆる業界で起きているから、特別な事ではないが、教師不足の社会への影響はかなり大きい。

さて、教師不足解消へ向けた私案であるが、大きく分けて2つある。一つは待遇の改善、もう一つは業務の削減である。もちろん、別々に実施するよりも同時にできる方が良いのではあるが、給与を上げて業務を削減する事は、かなりハードルも高く世間的にも認められないであろう事が予想される。したがって、どちらを選ぶかが大切である。

私は、どちらを選ぶのが良いかと考えるとしたら、圧倒的に待遇の改善である。つまり、給与の増額である。給与というのは、年収であらわされるが、教員の平均が40歳で650万〜700万程度であろうか。この年収は、国民全体の平均年収からすれば高いと言えるが、教師と同程度の学歴がある者からすれば低いと言える。

私が思うに、多くの学生が教師を選ばず、不足している原因は、年収が中途半端である事だと考える。そこそこの大学を出た者からすれば低く、全体の平均よりは高いために、わざわざ過酷な労働を強いられる教師より他職を選ぶであろう。また、教師より低い年収の人たちからすれば、自分より年収が高い上に公務員だから安定しているという特権を得ているように見える。

では少し視点を変えてみよう。ある職業に従事する方に対する敬意はどのように持っているだろうか。例えば医者に対しては敬意を高く持ちやすいだろう。プロ野球選手などのスポーツ選手はどうだろうか。こちらも敬意を高く持たれがちではないかと思う。それはなぜか?を考えて欲しい。職業柄というのもあるかもしれないが、私の結論は年収が高い方が敬意を高く持たれやすいという事だ。

教師不足の原因は何か?それは、モンスターペアレントに代表される学校の先生に対する敬意の低下に伴う業務の増加と、それに起因するメンタルの崩壊が原因である。病気休業の教師は毎年5000人を越える。それが全てを物語っている。

では、どうすれば教師への敬意が高まるか?おわかりだろう、年収を増やす事だ。40歳で年収1000万が私の考えるラインだ。年収1000万は、同年代の友人に聞いてみても限られた人しかいない。つまり、年収面で他業種の一般的な年収よりも高く設定することである。これにより、企業よりも年収が良い事から、人が今よりは集まる事が考えられる。何より、やりがいなどに比べて、年収は誰にも分かりやすい待遇の改善だからである。

正直これぐらい出来ないと、人は集まらない。教師よりも年収が100万低くても、他職種を選ぶ学生が多い。また、年収が下がってでも転職することもある。

つまり、教師の情熱にばかり頼る時代は終わりを告げたという事だ。そのように考えた時、給与の増額が一番費用対効果が高いと考えられる。

また、非常勤講師への給与の増額である。実技教科によっては不足している自治体も多い。そのため、非常勤講師を雇う。その非常勤講師も兼務という事で、二つの学校に行く事も少なくない。思うにこれは現在の2倍の給与があってもダメであろう。

待遇改善以外の方法はないか?と言われるが、業務の削減は、法律が変わらない限り行われない。また、時間もかかる。

教師という仕事は、兎角お金について語ると批判的にみられがちである。が、もはや情熱ではごまかしが効かなくなっている。

そうこうしている間に、また教師が辞めていく。

あなたの子供のクラスで担任の先生がいなくなる。それでも、サービス業のようにお客様は神様だと言わんばかりに無理難題を学校に押し付けますか?文科省は無理な業務を増やし続けますか?

教育の目的は人間性の育成である。それを忘れてはならない。

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