適切な呼吸法について

もし生きるために一番大事な要素は?と誰かに聞かれたとしたら? 空気、または呼吸というのがまず最初の答えですよね?

呼吸とはあまりにも自然な行動なので、誰もあえて呼吸について本気で考えたりしません。しかし空気がなければ、普通の人なら1分や2分で意識を失ってしまうでしょう。そのままにしておけば、脳へのダメージは避けられません。さらにその先には死が待っています。

しかし人々が呼吸の方法を知らないこと、そしてそれが生活の質、睡眠の質、メンタルヘルスと毎日のパフォーマンスをダメにしてしまっているのはシンプルな事実です。

どのように間違った方に進んでしまったのでしょう?

体とは、驚くべきマシーンです。他の人工的なマシーンとは違い、人間の体はどんな状況に曝されても適応し、どんな行動を押し付けられても成し遂げるでしょう。考え着くあらゆる動作を行い、私達を生存させ、私達をスペースへと動かし、環境に影響を与えるための最適なシステムがあるのです。

最適なシステムの連鎖が侵害された場合、その仕事がなされ続けるために、体はその他のシステムを呼び出します。 これは有機体にとって、 はるかに多くの努力とエナジーを消費するため、最適ではないのです。更に、別のシステムの一部を「借りる」ことは、その部分をリードしてるシステムを少しずつ傷つけていくことになります。

私達の生活はデスクワーク中心で、長時間座りっぱなしなため、体は急激にそのコアの力を失っています。強いコアがなければ、胸郭はその柔軟性と強靭さを失い、呼吸筋(主に横隔膜)は適切に働くことを止めてしまいます。ほとんどの普通の人達が、呼吸のためにもともとデザインされていない筋肉を使っているのはこれが理由です。

簡単な例:首

首の筋肉は、呼吸を支えるためにデザインされていますか? 本当はそのためにあるのではありません。首の筋肉は頭を高く支え、動かすためにあり、それで目も、鼻も、耳も、口もあなたが生き延びるのを助けているのです。

その結果は? 首の支えがあっての呼吸は、首の筋肉が呼吸に関しての「エキスパート」ではないため、効果的ではないでしょう。首はあなたの肺に酸素を供給する時間とエナジーを取られ過ぎてるため、可動性を失います。更に呼吸により蓄積されたひどい緊張と正確ではない動きから、厄介な頭痛を覚え始めることでしょう。

呼吸器の筋肉の名称で皆さんを退屈させはしません。その名前が問題解決の助けにはなりませんから。でも主な呼吸器ではない体のパーツについて言及出来ます。;肩、胸、首、僧帽筋、腕など。

呼吸する時、このような部分をどこか使っていますか? テストしてみましょう!

鏡の前に行き、鏡に向かってあなたの肩、腰、頭を張ってリラックスします。呼吸に注意を向けます。浅いですか? 胸に小さく自然な広がりが見られますか? いいですね。

次に深呼吸します。首の筋肉が固くなりましたか? 肩が上がりましたか? 息を吸い込むとき、鼻から大きな音がしましたか? 二頭筋のわずかな収縮を感じましたか? 

もしこの中のいくつか、または全部が当てはまったとしたら、あなたは大部分の人達のように、妥協した呼吸法をしています。何年にも渡るデスクワーク、何年にも渡るストレス、身体的、感情的、精神的な側面を何世紀も無視し続けてきた西洋社会は、呼吸器をダメにしてしまいました。

私達の体はどんな年齢、そして状態だろうと、適合出来るというのはグッドニュースです。手をかければ、体は忠実に応えてくれます。

元に戻すには?

生まれた時の完璧な呼吸法を台無しにするのに何十年もかけたので、修復するには多少時間がかかります。それまでの一歩一歩において、その普段の努力への恩恵を受け取ることでしょう。

1. コントロールする

自分の呼吸に意識を向けましょう。体がどのように空気を「得て」いるかを感じます。家に換気の管があるように、あなたも管を持っています。それを感じ、意識し、そしてもし出来るようなら、その内部にある「スペース」を視覚化します。鼻に入り、喉に向かう空気を感じ、頭の中にスペースを感じます。それから気管、肺へ。広がるのを感じてください。

私が話しているこの「管」や「スペース」は、体内の他の器官によって圧迫されています。筋肉の緊張は、目視できない筋肉も、目視できる筋肉と同様に筋肉には必要なのです。内部からそれを「感じ」、スペースを視覚化することで、脳を使って再びそれらをつなぎます。これが自然に呼吸するために、呼吸筋の「動員の仕方」を思い出すのに役立ちます。これらの筋肉はどんどん強くなっていき、呼吸を楽にしていきます。

2. 姿勢を正す

経験と思いやりがあるピラティスの先生につくことは、あなたに奇跡のようなことをもたらすでしょうが、私はここでよりよい姿勢になるための簡単な手掛かりについて述べたいと思います。

両足を平行にして、鏡の前に立ちます。

膝を楽にします。(力を込めない!)

腰をニュートラルな位置におく。(もしお尻が突き出ていたら、固定したり膝を曲げたりせずにしまう。)

腰の上に胸郭を乗せる。(のけ反ったり、前かがみになったりしない。)

両腕を背中とつなぐことで(肩甲骨の間の筋肉を使って)胸を開く(押さずに)。

背筋を「高く」感じる

首が長くなったと感じるまで顎を引く。

舌をリラックスさせる。

頭のてっぺんから風船で引っ張られているように感じる。(てっぺん、背中への傾斜が始まるちょうど頭蓋骨のところ。)

もし気管が全てねじれ、圧縮されていれば、空気は流れません。ただいい姿勢で立つことだけで、呼吸法を改善する、機械的なほどシンプルなのです。

3. 定期的に以下のエクササイズを行う

裸足で、出来れば上半身裸で鏡の前に立ち、腰に手を置きます。姿勢は常にリラックスした状態ですが、気を抜かないでください。前に述べた風船が頭についているように想像してください。

普通に呼吸し、いい姿勢を保ちながらもリラックスを心がけてください。鼻、気管、頭の中のスペース、肺に意識を向け、肩、首、胸、舌、僧帽筋、二頭筋などをリラックスさせる。

腕を胸郭の脇に置く。親指と人差し指の間のスペースは胸の脇に置き、親指は真っ直ぐ脇の下に向かい、人差し指と中指は乳首の近く、またはその上に置く。もし可動性が悪くて(特に男性に多い)この姿勢を取れなければ、友人やパートナーにこの姿勢を取ってもらう。

そして鼻から肺までの通り道の「スペースを広げる」ようにする。最初はそれほど大量の空気は入ってこないかもしれませんが、入るだけ入れます。続けて。息を吸い続け、もし必要なら肺に「空気を引っ張り込む」行為をします。この目的は、胸郭の両側を支えている手を押しだすことです。胸が広がったり、肩が上がったりしないように。

胸郭を使って体から腕を押します。必要なら自分の脳をそのために使わないように、誰かに僧帽筋と胸に指で触れていてもらいます。

こうしながら、膝が固定されていないか、お尻が突き出ていないかを確認します。

時を経るにつれ、このやり方で息を吸うのがどんどん楽になっていくことでしょう。それから体の中、お腹、腰(この部分の痛みを和らげ、またウェイトリフティングのけがを防ぐのにとてもいい)、お尻、ふくらはぎ、そして足にまで風船があることをイメージしていきます。これらの部分に息を吸い込んでいないことは明らかですが、だんだん理解し、この気付きの力を通して体全体を操作していくでしょう。

息を吐くときは、口から勢いよく吐きだします。口笛を吹くように、また唇を丸めたり、シューっという音を出したりするのではなく、下腹から何かを放出しようとするかのように息を吐きます。.

もしこのやり方で息を吐けば、コアに集中する方法を学び、それがあなたの人生の質を非常に向上させるでしょう。(これについては別の記事で個別に書きます)

4. 逆立ち

もし物理的にきれいな三点倒立が出来るのなら、または逆立ちが出来るのなら、上で述べたテクニックとまさに同じように焦点を当ててやってみましょう。これは呼吸の能力を高める素晴らしい方法で、肺に残っている二酸化炭素を排出させます。

5. 注意を向け続ける

日常生活の中で、自分の呼吸の仕方に意識を向ける。現代の生き方はストレスに溢れ、私達の体は生き延びるために、「ストレス要因」を探し求めるよう準備されています。ですからこれから日中はずっと、肺を広げ、胸郭をリラックスさせ、エンゲージし、そして肩と首はリラックスさせるようにしてください。胸いっぱいに呼吸して!

この記事が、あなたの体と生活を再びコントロールする手助けになってくれればと思います。呼吸はよりよい生活へのドアであり、そして無料なのです!

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