月組『フリューゲル / 万華鏡百景色』(2023/9_3回目)


座席 : 1F29列上手側

全然普通に見れるなという印象...というか、立ち見と距離は変わらない。けど、やっぱり前の人の身長に影響する部分を久々に味わった。こればっかりは私も心当たりあるししょうがない。
6人ぐらいご観劇されててびっくりしたな~いつ見ても粛々と着席される様子が素敵。

フリューゲル

人生で初めて同じ公演を3回見ました。
何もかも分かりきってる中で、それでもずっと眼差してる方がせり上がってくると何とも言えない感情の満ちを感じる。間違いなく幸せの1つの形だと思う。思い浮かんだ順に書きなぐり。

ヨナス(月城かなと様)

月城さん、もう何回も書いてるけど安定感の塊で、視覚も聴覚も深く満たされる感じ。プラス、何となく全体的に力強さが増していた気が。オンデマンドで普段の話し方も聞くけど、普通にお上品で美人なお姉さんだから、舞台に上がったときの「男役」感にびっくりする。
ヨナス、初めてナディアに会ったとき、自己紹介の前に軽くため息ついてたの本当に好。ツッコミの力強さ増してて何よりでした。ナディアを追いかけるちょっと待て!がめっちゃ走り早かった。
やっぱりルイス呼びは秒なのにナディア呼びする時は、若干目を伏せる→呼ぶ→軽く上を向いて目を逸らすなのありがとうの気持ち。カットクリースとアイラインが織りなす曲線が美しさをプラスしますな.....。
ときおりの呆れ声「彼らがテロリストな訳ないだろう」「おい!」とかの声が本当に力強いね。ステージオフの時とまるで違うからびっくりする。
拘留シーン、ゲッツェに対する「君は友を裏切っているんだぞ!」の目力半端なかった。私がゲッツェなら泣いてる。
前回気になっていた、客席まで光が綺麗に当たっていたシーンは「壁なんていらない。国の間にも、人の間にも!」のシーンでした。(サーシャ逃がしたあと)。羽根が舞って、清廉な空気に朗々としたお声が響き渡っていてエモーショナルの塊。

要所の「お願いだ〜」のテーマソング、ぐっっっと下に下がってから広がっていく世界と、広げる力が本当に見事。「微睡む僕に口づけを」で「する」側じゃなくて、口を手で覆うように「される」ジェスチャーなのとても良い。優美~~所々リットかかってるような感じ最高。
ラスト、しっかりやれやれ顔で、口角片側上げの腕組みがとっっても良かった。 goodbye, see you soon ! の時もそうだったけど、感情が高まった時の笑顔がとても刺さる。
他のお芝居もめちゃくちゃ変わってるというか、力が抜けているように感じて、そりゃ3回も見に行ってたらこの辺りも分かるわな~と。今後もできれば原作に忠実だろう初回ぐらいと、もう一回は千秋楽ぐらいで取りたいところ。

ルイス(風間柚乃様)

深まりといえば風間さん演じるルイスだったな。アドリブもとっても楽しかったし、チャラいし軽いけどしっかり考えてるなんてオタク大好きですから.......見れば見るほど歌も芝居も上手いし盛り上げも上手いし、月城さんとはまた違うタイプで何でもできる方だと思った。この安定感からどう磨かれていくのか、とっても楽しみ。居るだけ安定感!から発光プリズムになるんだろうな〜〜ナディアさん...…!の困り顔とかも良かったし、喜びの歌は上手いし声が大きい。

万華鏡百景色

もう語りまくってるので、素晴らしかったですという気持ちでいっぱい。キラキラだけじゃない、幻想的な美しさに心がフルで満たされた。素晴らしい素晴らしいショーでした。これを生で3回も見られたことを誇りに思う。特筆したいことを箇条書きで。

江戸〜昭和

月城さん、黒髪は全編通して花火師のシーンだけだという気付き。後ろを向いた時の華やかな花火の刺繍?がとても美しい。ダルレークの時も思ったけど、黒髪になると何故かエリック王子という字面が頭をかすめるな...…銀橋で片方の腰に手を当て「絶景かな」はもう...うっっ(言葉にならない)。この公演で月城さんの事を好きになりすきて、ちょっと痛くなるの辛い。苦し。

鹿鳴館シーン、扉バンッッ(プリンス)をばっちり捉えられて満足。出てきたときからもう海乃さん見てるもんな~~階段上からの「どうされました?」が深い。藤原道長モーメントも素敵でした。

ドンのシーン、もう分かっていたので銀橋下手ロックオンでした。重たい衣装でゆっくりゆっくり歩く存在感たるや。リアルなタバコの火が、ハットの影諸々を映してとんでもなく絵画。薄暗がりの中、サングラスのお顔にゆるく紫煙がくゆるの、あまりに良すぎるので走馬灯に追加です。美しすぎてびっくりした。「ここはいいんだよ!」が過去1ドスが効いててこれにもちょっとびっくりした。そんなお声も出るのすごいな。風間さんとの賄賂やり取り、風間さん「頂戴ちょうだい!」って感じでじゃれてるの良かったな~「生きろ墜ちよ」が入ってるのも私特効。ここの海乃さんチャイナも素敵だし、間で幸せそうに踊る2人を挟んだ諦念…。表情だけでそんなに諦めとかやるせなさとか出せるの凄い。落ちたハットを拾った風間さんの純粋な(ちょっと穿ってるかも)表情と、もうどうしようもない諦め方のドン、孤独な男がここまで見事に美しく表現されてるのすごすぎる。ドン、幸せになってくれという気持ちと、どっかでくたばるだろうなという予感も若干……。

中詰

中詰!!ここのピンク衣装が一番好きなんだから....DOWN TOWN、蓮つかささんをオンデマンドで認識してから楽しい。というかこれで見られるの最後なのでしっかりオペラ揚げた。ぱっと変わる表情とか、歌上手朗々と響く感じとかすごく良かった。フリューゲルでもしっかり声が響いてたし、安定感もあったので残念だなあ。

Fantasy!たぶんここで風間さんが先に出てきてるはず。月城さんとはまた違う、弾けるバッションを感じてとても良かった。歌も上手いんだから。本当にこの方がトップになる景色が楽しみ。どんなカラーになるんだろう。からの鳳月さん!サテンの艶めきに負けない艶。洒脱が服着て踊ってるよもう。若干テンポ遅めで落ち着いてきた心がまた上がってきた感じ。全員がキラッキラのスタイリッシュなジャケット&パンツ、シティポップがゆったり響く景色、今まで知らなかったのですごく良かった。

サファリ・ナイト!もうダメです。原曲を聞いてきたから余計にくるものがある。ショッキングピンクの月城さんが後ろを向いてて、振り向くと分かってる瞬間の緊張感…振り向いた時の、ちょっと冷めたような瞳but隠しきれない存在感、センター分けもう瀕死です。うわあ。
組子さんをかき分け「走るジープを見たよ」のところ、原曲よりしっかり芯のある歌声で、男役が歌ってます!感とても良い。海乃さんが来たのは拍手で察したけど(月城さんロックオンのため)、瞬間のふっと緩む口元、「パートナーが来た」感最高ありがとうございました。
そしてそして...…照明が付き客降りです。立ち見より逆光がもろではなくてまだ見やすかった。それでもまだちょっと見づらいけどでもちゃんとそこに「居る」!数メートル先にいるの凄い。存在するんだ...…。という気持ちと、現実感のなさすごい。もう少し近くには蓮さん、にこにこパワフル笑顔お手振り、礼華さんは顔があまりに小さすぎて驚き。
最後、月城さんがステージに戻るとき、ご観劇の方(桜木みなとさんだったそう)とにっこにこでじゃれてたのほっこりしたな~そのためにわざとルート考えて変えたってこと……?!ラストの全員集合がとっても華やかで、だけどサテンのキラリと、ミラーボールの残像が朧げで幻想的。「在りし日」の栄華のよう。

カラス!プログラムを見て、ストーリーが理解できてたから、なぜ月城さんが黒い傘を取りたいかとか、風間さんが止めたいかとか分かって良かった。キラッキラのモノクロが似合う。トーキョーランデヴーはたぶん蓮つかささん?声が通ってよく分かる。

フィナーレ

下手から呪文が聞こえて、もう終わりか...と悲しくなる。ライトがついて真っ赤な鳳月さんが。「愛し愛され~」でお手々キラキラヒラヒラされてたの、フェミニンとマスキュリンの間で最高。
からの月城さん、潔いオールバック。今回公演ではいろいろ髪型が変わるから(カラスの時はメイクも)、裏で何をやってるんだろうと想像が膨らむ。「そう結(ウインク)果、All right!」が粋、粋だよもう。
からの上手せり上がり海乃さん。世界ープリンセス。上品の権化。ここの表情はずーっとオペラだったけど、落ち着いた深い深い愛を感じた。花組さんの甘々感とも、雪組さんの熱のこもったスタイリッシュさとも違う、どこまでもコトコト煮詰まった、とてもとても暖かい愛でした。本当に大事そうに大事そうに見つめるのね……。海乃さんが月城さんの胸に手をおいて反るときの月城さんのお顔が、慈愛に溢れすぎててもう絵画だろと思うなど。宝塚は、私が人生において経験しないだろう色んな形の愛を見せてくれるので本当に素晴らしいなと思う。

フィナーレの、どこまでも美しい皆様と羽のもふもふ。好きだ...綺麗だ..を浴びて浴びて浴びれた公演でした。言葉を尽くしても足りないほどの感謝を。このまま無事に幕が上がりますように。

宝塚歌劇の殿堂

初めての殿堂!入口に随分迷ったけど、普通にキャトルの横でした。普段はキャトルの入口しか見えてないから気づかなかった。マチネ終わりでもまあまあ人がいる。

2階は今までの宝塚歌劇の歴史について。白黒写真の多さに歴史を感じる。
3階が、今やってる組の1つ前の大劇場公演の諸々を展示してるよう(+で別箱の衣装も少し)。なので今回は応天の門とDeep Sea、オンデマンドでカルナバルを見てたのですごく良かった。タイミング万歳。衣装展示、応天の門の月城さん衣装、ブーツのつま先と後ろのファスナーが結構摩耗していて、本当に着てたんだ……!という感激。

フィナーレ衣装の羽、思ったよりしっかりした素材でびっくりした。確かにリアル毛だと反射で見えなくなるのかな?綿のようなしっかりした素材で、これはめちゃくちゃ重そう。

靴も、足首ぐらいまでしか無いのかなと思ったけど、割としっかり高さがあった。そりゃあれだけ踊るんだったら足も固定したいよな。ジャケットもちゃんと肩パッド入ってそう。よく映えるキラキラは、ダイヤテープ?とデザイン図にあったけど、何でくっつけてるんだろう。接着剤だとしたら相当すごい。ちゃんと一粒ずつ縫ってるところもあって職人技。あと海乃さんほっっそい。わかってたけど細い。臓器入ってる?シャンシャンは結構プラスチック感あった。軽いのでふっ飛ばしてしまいそうではある。

Deep Seaの緑衣装~!!!オンデマンドで狂ったように見ているやつ。実物見て感動したな~鳳月さんのドレス、後ろはジッパー+ホックの安心安全設計でした。思ったより全体的に布感。ジェンヌさんは絹を纏っていると思い込んでいたからちょっと新鮮。海洋生物モチーフのトゲトゲしたところ、もっと鋭いかと思ってたらちゃんと布で安心した。けど、マントやら本体やからにじゃらっじゃらキラキラがついててすごい。カフス部分も綺麗これ全部手縫い...?とんでもない労力かかってるな....けど、これも全部人が着てこそ一層輝くなと思ったり。もちろん単体でも綺麗だけど、舞台上の輝きの方が何段も強い。デザイン図も一緒に見れるからこそ、衣装見るのってとても楽しかったな。

最後に直近のトップスターさんの手形があって面白かった。紅さんの手大っきい。望海さんと私がだいたい同じぐらいの大きさだったな~。

殿堂行ったのは初めてだけと、その組の前回公演を見てたらもっと楽しいと思う。また新たな楽しみ方を知ってしまった。友会会員なら250円。3階は写真OKなのもとてもいい。

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