雪組『双曲線上のカルテ』(2023/9)

初外箱&初配信公演。楽天テレビから見たけど、一回だけ回線が切れてめちゃくちゃ焦った..…。その他は快適に見れました。


双曲線上のカルテ

こんな和希そらがみたい!のオンパレードでした。印象的だったところを箇条書きで。

•和希そらさんの冷たい魅力と演技力、歌力、ダンス力のオールマイティさが至るところで実感できた公演でした。最初っから最後まで開襟!ず一っと開襟!二重幅に青のシャドウがキラッとメタリックに光って、捉えどころのないフェルナンドがよく表現されてたと思う。

•病院会議の時の、あまりにも興味がなさそうな、とりあえず静かに黙っとくか...…というハイライトゼロの眼が最高でした。センター分け、最初は慣れなかったけど、毛先に遊びが出ていてめちゃくちゃ良かった。

•なんで腰を触ってるんだろう?と思ってたらちゃんと伏線で、丁寧に作られてるな~など。手術して、トラウマ?が蘇ってモニカに縋るところ、狡すぎて強かった。根は本当に優しいし、患者に対する気持ちも善意だし、病気さえ...と思ってしまう心が悲しい。でも彼がそう決めているんだから……。

•途中で眼鏡かけてたの本当にありがとうございますの気持ち。銀縁ハーフリムは天才です。

•ずーっと冷たいし、掴ませないところも魅力的だったけど、モニカと出会って柔らかくなっていく部分もすごく素敵だった。「君には薔薇より向日葵が似合う」のスマートさ、心からの気持ちと笑顔で、幸せを切に願わざるを得ない。この辺りの会話が、フォトブックとかで話す和希そらさんの素っぽさがあってとても良かった。席替えを提案したモニカになになに?って言うところとか。

•モニカを湖畔に連れて行って「違うよモニカ」が今でも耳に残るぐらい柔らかくてメロディアスな発語でした。

•チェーザレとの最後の会話、晴れやかな気持ちも良かったし、湖のダンスは命が削れているようで、最後の活力のようでとても心打たれた。真っ白な上下に水が揺蕩って、モニカと出会ってしまったからこの結末というのもある気がして、だから胸にくるものがあった。

•ダイナミックなコンテンポラリーダンス?が上手い。ここまでしっかり踊ってらっしゃるの初めて見たけど、オールラウンダ一だなと思った。すごい。

•ずーっと後ろに掲げてある赤十字マークが十字架に見えて、青く光るそれをフェルナンドの運命と重ねた。

•縣さん、こんな役どころもできるんだ...!という新鮮さ。途中から熱血さんだったけど、ノンデリ天然(養殖?)堅物医師なの、単純に好みで良かった。途中、奥さんが椅子で近づいてくるシーンの勢いが強すぎて、咄嗟にモニターまでガッと掴んでらしたの面白かったな。あと白衣&ジャケットだと、骨の太さとスタイルの良さが際立つ際立つ。私のイメージする雪男でとても良かった。

•歌うとき、和希さんはそんなに口を開かないけど、縣さんは開く(動かす)の、月城さんと似てるな~と思った。なんか要素によるんだろうか。

•久城さん演じる技師さん、一人だけ連ドラとXで見てその通りだと思った。黒髪だったというのもあると思うけど、居そう、そしてモテそう感半端なかったな〜。でもアニータのことを考えると何歳...?よんじゅつさい..??

•アニータがとってもいい女で良かった!演技もお上手だったな~あとフレーチェも、嫌な女ムーヴが板についててここもドラマみたい。

•脚本については、正直少し古いノリ(というのは後から言語化されて、ずっと違和感はあった)が、再演するなら変えても良かったんじゃないかなと思ったり。モニカは可愛いけど、個人的に感情移入できるタイプじゃなかったからそこはちょっとしんどかったな。演技が上手かったので余計に。

•舞台設定に関して、銀橋が無いとこんなに場面が切れるんだという驚き。後半は数分でフェードアウトが何度か続いて、よく切れるなと気になった。そう考えると、自分は意外と舞台装置の事も気にしてるんだなという気付き。サブステージって大事なんだなあ。

•デュエダン、ブロンドからアッシュ系の髪型、ネイビーのお衣装の和希さんがとても素敵でした。娘役さんに伸ばした手の優しさよ。慈愛です。カテコでにっこにこだったから、本編の重さから救われた気持ちがした。

•「ななななんと、本日はブルーレイ&配信で全国にも~」から始まり「配信の方、見えておりましたでしょうか...まあ、見えてなくても手遅れなんですけれども」「もう一回あそこのシーン見たい!とか、配信映らなかった方はブルーレイを」「この映像を見ている未来人(みらいびと)の方にメッセージを」「合ってますよね?数ヶ月後にブルーレイ発売されますよね?」「数ヶ月前の私たちは元気です!」と、止まらないお茶目さで、そうだこの方案外おしゃべりというか、素直に感情を出す方だった~となってすごく楽しかった。いろんな初めてを経験できてよかった!ありがとうございました。


追記 : 退団、されてしまいました……。

2度目の東上。これからさらなる飛躍を!と思っていたのですが……。
この次の大劇場公演(ボイル〜/フロホリ)で退団されることが発表されました。

悲しいけど、2枚確保したし目に焼き付けるぞ!と思っていたのですが、なんと両日とも公演中止になってしまいました。ということで、きちんと公演を観たのはこの「双曲線上のカルテ」が最後でした。

さすがに2枚目が中止になったときは、正直仕事にならないぐらい落ち込んでしまいました。コロナ禍で幕が開かないことに慣れてはいたのですが、この公演だけは!という想いがあったのでなおさらでした。「誰も悪くない」と言い聞かせても辛いものは辛かった。

ということで。自分の中できちんと和希さんにお別れを言えなかったので、ここに書くことにします。

初めて「蒼穹の昴」を観たときから、脳天を撃ち抜かれたような衝撃をうけました。
何度見ても魅力が尽きなくて、底知れない、掴みきれない部分にずっと翻弄されていたような気がします。和希そらさんを知れて、生で観ることができて、本当に良かった。
間違いなく、私の宝塚人生に大きく影響を与えた方でした。
たくさんの心が震える体験をありがとうございました!今後のさらなるご活躍をお祈りしています。


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