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ウンチならオレに任せろ! ~最短コストでママから嫌われないパパになるための、たった1つの冴えたやり方

ほんとうはそんな方法はない。

そんな方法はないのだけれど、世の中には赤ちゃんのお世話にはあまりコストを割けないとかなんとか、わけのわからないことを言い張るパパは多い気がしてしまう。

偏見だろうか。偏見だといいな。でもいるんだろうな。

だからしょうがないけど、最短コストで赤ちゃんのお世話に貢献したいと言い張るわがままパパが、ピンポイントで、何をしてくれたらママが助かるか、真剣に考えてみた。

そして思いついた答えの1つが、「赤ちゃんがウンチをした際のオムツ交換を引き受けてくれること」だ。

この文章は、そんなテーマでパパに向けて書いてみる。もしママが同意してくれるなら心強い。


さて。

もしかしたら、「ウンチのオムツを取り替えるなんて簡単だよ」「そんなのいつもやってるよ」と思っているパパは多いかも知れない。

残念だけど、そんなパパの意見にはきっと、同意できないママは多いんじゃないかな。

だってウンチは難しいし大変だよ。やればやるほど、たくさん失敗もする。まあたまたま簡単で済むことはあるけどさ。

例えばこれを読んでいるあなた。そう、あなた。そもそも赤ちゃんが、どれくらいの頻度でウンチをするか知っているだろうか?

パパにとってはこの場合、あなたの赤ちゃんの頻度、でなければ話にならない気がする。

なぜなら、教科書的には「1日1回」とされる赤ちゃんのウンコ。

しかし実際は週1回なんとかひねり出すような子もいれば、3時間おきに大人顔負けのサウンドを奏でる子もいるのだ。

だから自分の子のケースを把握しておくことが重要だと思うのだ。
我が子のウンコのペース、ママは間違いなく分かってる。

例えば昨日。
自分の赤ちゃんが何回ウンコをしたかわかるパパ。あなたはかなり筋がいいといえる。その調子でがんばろう。
検討もつかないようなパパ。きっと大勢いるだろうから、特別に落ち込む必要はない。でもママからすると、そんなパパはぜんぜん頼りにならないと思われ始めているかも。いや、きっと思われている。挽回を目指すなら、必死でがんばろう。難易度は高いだろうけど、不可能ではない。


そろそろ「率先してウンチのオムツを交換しましょう」という本題に入ろう。

ウンチのオムツを交換することは、オシッコとのときとは手間も難易度も格段に異なる、ということ。
今日の記事では、この前提さえ共有して帰っていただければと思う。

具体的に説明していきますね。

まずオシッコのオムツを交換するときの話。

①新しいオムツを用意しておまたを拭き、
②あたらしいオムツを履かせて、
③古いオムツを捨てる。

これくらいの段取りですかね。


これがウンチのときには?
とりあえず7つの手順を考えてみた。

①ウンチの存在を確認したら、しっかりと腕まくりをする。油断するとウンチが自分の服に着いてしまうので、それを避けるためだ。
おっと、おしり拭きは足りそうだろうか。心もとなければ、新しいパックも用意しておこう。

②周囲に広いスペースを確保してから赤ちゃんを寝かせ、ウンチがついてしまわないように赤ちゃんの服をしっかりと開く。背中などにウンチの漏れがないかはこの時点で確認しておこう。必要があれば新しい服を用意する。

③古いオムツをあまり圧迫しないように気をつけながら、新しいオムツを赤ちゃんの下に正しく敷く。うかつに古いオムツを圧迫すると、ウンチが広がって思わぬ悲劇を招くから気をつけろ。

④オムツをゆっくりと慎重に開こう。開きながら、太ももや股間など、ウンチがどれくらい広がっているかを確かめる。赤ちゃんが暴れて被害が拡大しないように、足はしっかりと固定しておこう。赤ちゃんは関節が柔らかいため脱臼しやすい。固定するときの掴み方、力を掛けられる方向など、固定の方法はきちんと理解しておくこと。

※オムツを開いたら、ウンチやオシッコの追撃を常に想定し気を配っておこう。新しいオムツや着替えが、1枚で足りることは幸運だと知るべし。

⑤自分の手や指にウンチがつかないように。最悪ついたとしても気が付かずに他の場所を触ってしまわないように、細心の注意を払いながら、赤ちゃんのおまたをきれいにする。シワの奥まで入り込んだウンチを見逃さないこと。おしり拭きをケチろうとはあまり思わないほうがいい。
ウンチはなぜか、赤ちゃんのふくらはぎや、かかとに着いていることもある。おまただけ拭けば済むと思い込まないこと。清潔にするのにこしたことはないが、赤ちゃんの皮膚は敏感なので、あまり強くこすってはいけない。

※ウンチが手に付いたあとのリカバリーは、おしり拭きなどで最低限にとどめ速やかに作業に復帰する。パパの気分のケアよりも、赤ちゃんの世話を完遂することが最優先だ。おしり拭きを使うのは、あなたの手からさらにウンチが広がることを防ぐために過ぎない。

⑥慎重に古いオムツを取り除き、赤ちゃんの新しいオムツを速やかに閉じる。もしオムツかぶれ等への処置があるならば、オムツをとじるまえに完璧に遂行する。古いオムツは丁寧に丸め、所定の場所に正しく捨てる。匂いの発生などを予防するためだ。

⑦どんなに気をつけていてもウンチが手についている可能性が高い。オムツを締めたら一旦は安全なので、服を閉じる前に手を洗えるかどうか判断する。なるべく洗う。そうすれば服は汚れない。
この辺の順序はママの好みのやり方があるだろうからそれに従ってください。ちなみに我が家ではオムツを締めた時点でタッチ交代し、清潔な手の人が速やかに服を着せるパターンがしばしばあります。

※あっ、手を洗う前に自分の顔とか目のまわり触っちゃった? 結膜炎になるかもしれないから、アイボンしておいたほうがいいよ!


かいつまんだけれど、ウンチのおむつ交換の最低限の流れは①~⑦のこのような感じになるかと思う。

実際やると、もっと意識することがあるかもしれないが。とにかく言いたいことは、オシッコとウンチは全然負担が違うということだ。

これをいつもひとりでやらねばならない状況、どうかご想像ください。


「ウンチのオムツ交換なんて簡単だよ」と思っていた方には、さらに伝えたいことがある。

育児について「手伝っている」とか「参加している」といった認識のパパにおいては、先程のウンチの手順①~⑦までを「ママの求める水準で」クリアしていないなら、できる」ことにはならない。

つまり、パパが「ウンチのオムツを替えられる」かどうかを判断するのはパパではない。決めるのはママだ。

この大変なウンチ対応を簡単と思っているパパは、水準はママの期待に達しているかどうか、今一度確認してみて欲しい。


いまこの記事は、「ウンチのオムツ交換」という瞬間だけに注目してここまで書いてきた。

でも本来、「オムツを替えられる」という状態は、「点」の作業ではない。
毎日途切れず続く、赤ちゃんのお世話の「線」の中にある。

水準に満たない「点」の関わりだけでは、この線を途切れさせてしまうかも知れない。そのことは、ママに別の負担を掛けさせている可能性だってある。

それでもパパが何もやってくれないよりましかどうかはちょっと、ママに聞いてみないと分からないけれど。

本当の意味で「オムツ交換ができる」ためには。

新しいオムツやおしり拭き、着替えがどこにあるかを把握していなければ話にならないし、次回のオムツの際にウンチの残りカスが見つかったりしてはならない。ウンチやオシッコの漏れが生じないような、オムツの締め方を習得しておかなければならない。

そうしながら、現在の自分の赤ちゃんの健康状態に応じたケアも承知しておく必要がある。ママがいつもどんなことに気をつけて、どこにどのようにオムツを捨てているかも、しっかり共有しておきたい。


もしあなたがパパであり、最短コストでママに嫌われない程度の育児への関与を望むなら、最後にまとめたようなことを意識しておくとよいだろう。

もし本当に、ウンチを完全に任せられるようなパパなら、他のことだってすごく頼りがいがあります。

そしたらママはきっと、あなたのことを嫌いになりにくいだろうなと想像する。

以上、最短コストを望む諸兄におかれましては、ぜひ参考にしていただきたいです。


最後に、大事なことなのですけど。

どんなに熟練しても、赤ちゃんのお世話なんか、いつも完璧にはできっこない。それはもう、ママもパパも同じ。

どんなに丁寧にやってもウンコは手につくし、服は汚れるし、オムツからは漏れるし、おしりはカブれるときはカブれます。

オムツのことに限らず、なんでもそう。

完璧は無理。

もしなんかお互い、できてなさそうなことがあっても、反射的に怒ったりするのはやめておきましょうね。

人生は、まったくできないことと、完璧にできることの、いつもそれらの間にあります。

そのことを分かっておくだけでも、気が楽になることが増えるんじゃないかと思っていますが、いかがでしょうか。

良きオムツ交換ライフを。

ごきげんよう!


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と、まあ、思いつくままに書いていたけど。

やっぱり1行目の気持ちに立ち戻りますよね。
最短コストでママに嫌われないような方法は、ほんとうはない。

この記事で説明したような「ウンチのオムツを替えられる」ような状態は、きっと思っていたような最短コストじゃないでしょう?

お世話する人の最短コストと、しない人の最短コストは、見積もりの差が大きすぎるよね。

嫌われてもいいからあくまで最短コストを目指したいパパがもしいたら、一番いいのはとにかく、絶対ママの邪魔にならないようにすることなんじゃないかな。

何もしてくれないけれど、どんな扱いを受けても文句ひとついわず、気持ちよく外からお金を運んで来る役回りに徹してくれるなら、いないよりはましだと思ってもらいやすい気がいたします。

嫌われるとは思うけど。


さらに念の為申し添えておきたいことがある。

「負担」とか「最短コスト」とかいう言い方は大人の都合であって、赤ちゃんには何の責もない。

大人の口から赤ちゃんにかけるのは「いっぱいウンコ出たね!よかったね!」みたいな言葉であってほしい。

新しいオムツでまたすぐやらかしたときには「新しいオムツでウンコするの気持ちいいもんね!」と思う。

不思議なもので、言ってるうちになんだか本当に、そんな気持ちになってくるかも知れません。

赤ちゃんにできることは少ないので、ウンチくらい思う存分させてあげたいものですね。

もしそういった気持ちになれそうもないパパやママは、そうとう追い詰められているかもしれない。

はやめに自治体の窓口や身近な人に、いまの状況を相談してみてね。遠慮なくね。


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【このマガジンの方針】

ママにはおっぱいがあり、パパにはないので、100%同じ役回りはできないかも知れない。

でも同じ人間だし、大人だし、すくなくとも出産直後のパパはママよりずっと元気だから、そこでできることは多いはずだ。

人間だれでも、やったことがないことは上手にやれない。なので妊娠中からぜひいろいろ練習をしておいてほしいです。自治体が赤ちゃん講習とか、最近は結構いろいろやってくれるのよ。パパよ。

なので気づいたことを、あとに続くかもしれないパパのために書き残しておこうと思った。

なるべくたのしくね、よろしくね。

あなたの応援は、最高です。すごくダイレクトに制作費や取材費、おいしいケーキ、はたまた生活水準の文化的向上に使われます。とにかくとても効果的であり、めちゃくちゃ役に立つので、我々はそれを歓迎します☺ 最近はさらになんと、おむつやミルクになって、赤ちゃんの機嫌が良くなります!