![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145638917/rectangle_large_type_2_7b50402fbb620988d43989e5c58de18f.jpeg?width=1200)
映像の出力先が多いと便利な「マトリックススイッチャー」の紹介 〜Blackmagic Videohub 10x10 12Gを試してみて〜
今回のテーマは、映像機材の「マトリックススイッチャー」について。
映像スイッチャーでも分配器でもなく、マトリックススイッチャーという機材は、配信を始めた当初は知らない機材でした。
ですが、入出力の多い現場やスタジオの設備としては、映像ルーティングの柔軟性を大きく高めてくれる機材です。
今回はマトリックススイッチャーがどのような機材なのか、またその例として「Blackmagic Videohub 10x10 12G」を借りてみたので、紹介をしていきたいと思います。
マトリックススイッチャーとは
今回紹介するのは「マトリックススイッチャー」という機材です。
マトリックススイッチャーは、複数の映像入力を複数の出力先に分配ができる機材です。
ATEM MiniやRolandなどの「映像スイッチャー」も出力はできますが、配信する映像を作るための機材です。基本的に出力端子の数は多くありません。
映像の分配器は多数の出力を備えていますが、基本的に同じ映像を分配することを目的としています。そのため入力の数は多くありません。
マトリックススイッチャーは多くの入力と多くの出力を備え、入出力の組合せを自在に設定できるのが強みの機材です。
ビデオルーターと呼ぶこともあるそうで、以前にも調べた内容をまとめたことがありました。
Videohub 10x10 12Gを試す
今回は実際に試した様子を伝えるべく、「Blackmagic Videohub 10x10 12G」をレンタルしてみました。
この機材は背面に10入力10出力の端子を備えており、映像を自在にルーティングできます。
端子はHDMIではなくSDIなので、HDMIの機材と繋げるには変換の機材が必要です。
![](https://assets.st-note.com/img/1719683554487-8Ym9HWWX4Z.jpg?width=1200)
例えば、以下のような入力・出力の関係で設定することができます。上の入力から、右の出力への連携関係です。
1つのビデオ入力を複数の出力先に接続することもできます。更にこの分配は遅延ゼロで行うことが可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1719676174230-HMUjW5xEbF.png?width=1200)
入力できる映像は最大4Kの解像度に対応し、各種フレームレートにも対応しています。もちろん、入力する映像のフォーマットがバラバラでも大丈夫です。
入出力が多い現場では、ケーブルを繋ぎ終えた後に接続先を変えるのは一苦労です。そんな時は、マトリックススイッチャーを挟んでおくと、後からでも柔軟にルーティングを変えることができます。
スタジオのような固定設備や、規模の大きな現場では重宝される機材ではないでしょうか。
先日のオフ会でも活躍
例えば先日のオフ会では、同じ映像を3つの機材に送って検証するために使いました。
これは3つの映像スイッチャーに、同じ2種類の映像を送る構成でした。更に、各映像スイッチャーの出力は戻して、モバイルモニターで測定もしていました。
複雑かつ柔軟性の必要なルーティングでしたが、マトリックススイッチャーに繋げれば後から自由にルート変更ができ、これ無しでは無理な構成だったと思います。
この複数の映像がクロスして行き交う構成は、映像スイッチャーや分配器では無理な芸当ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1719676845153-7FBLMgCqMB.png?width=1200)
Videohub 10x10 12Gの使い方
今回レンタルした「Videohub 10x10 12G」は使い方も非常にシンプルです。
ルーティングの設定は本体のパネルから簡単に行うことができます。一応操作ソフトもありますが、これくらいなら本体で十分な印象です。
使い方は簡単3ステップでした。
1.出力を選ぶ
割り当てたい出力先を選択します。本体の「OUT」ボタンを押し、割り当てる出力先の番号を選びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1719678020827-lpFc8XEtCe.jpg?width=1200)
2.入力を選ぶ
割り当てたい入力を選択します。本体の「IN」ボタンを押し、割り当てる入力の番号を選びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1719678136527-6ollFh5WlG.jpg?width=1200)
3.TAKEボタンを押す
最後に「TAKE」ボタンが赤く光っているので、押すと割り当てが確定します。TAKEで確定は省略する設定もありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1719678270589-AxH1zxr2S4.jpg?width=1200)
一連の流れをGIFにしたのがこちらです。とても簡単ですね。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145637489/picture_pc_1f69825ce19fcb04b5f069616af758e2.gif?width=1200)
ちなみに、切り替わる時に映像にはノイズが入ります。
映像スイッチャーだと大体ノイズなく切り替わりますが、少なくともVideohub 10x10 12Gの場合は、黒い画面が挟まるようでした。
この辺りは製品にもよるとは思うのですが、映像スイッチャーの方が滑らかに切り替えることが前提になっており、マトリックススイッチャーは黒が挟まることが多い印象はあります。
そのため、基本的に配信に流れている間に切り替えるものではなく、切り替えるとしても映っていない時に裏で行うものなのかなという印象です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145638362/picture_pc_94b3701f420d1c8a00e9a01a5f9dd5ba.gif?width=1200)
黒が挟まるというよりは、映像信号が途絶えているようでした
レンタルのススメ
とても便利なマトリックススイッチャーですが、今回お借りしたvideohub 10x10 12Gは239,800円(税込)と気軽に買える機材ではありません。
もし案件でスポットで必要となった際は、レンタルもご検討ください。貸出支援をいただいたパンダスタジオさんでは、一日18,975円でレンタルを提供しています。(2024年6月時点)
また、blackmagicのvideohubはSDIの皆のがハードルになるかもしれません。
HDMI端子の製品を探してみると、良さそうな機材も見つかりました。いずれこちらも試してみたいなと思います。
2024/7/4追記:
HDMIのマトリックススイッチャーも試してみました!